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10月01日-02号

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  1. 高知県議会 2013-10-01
    10月01日-02号


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    平成25年  9月 定例会(第324回)        平成25年10月1日(火曜日) 開議第2日---------------------------------------出席議員       1番  金子繁昌君       2番  加藤 漠君       3番  川井喜久博君       4番  坂本孝幸君       5番  西内 健君       6番  西内隆純君       7番  弘田兼一君       8番  明神健夫君       9番  依光晃一郎君       10番  梶原大介君       11番  桑名龍吾君       12番  佐竹紀夫君       13番  中西 哲君       14番  三石文隆君       15番  森田英二君       16番  武石利彦君       17番  浜田英宏君       18番  樋口秀洋君       19番  溝渕健夫君       20番  土森正典君       21番  西森潮三君       24番  ふぁーまー土居君       25番  横山浩一君       26番  上田周五君       27番  中内桂郎君       28番  西森雅和君       29番  黒岩正好君       30番  池脇純一君       31番  高橋 徹君       33番  坂本茂雄君       34番  田村輝雄君       35番  岡本和也君       36番  中根佐知君       37番  吉良富彦君       38番  米田 稔君       39番  塚地佐智君欠席議員       22番  西岡寅八郎君---------------------------------------説明のため出席した者  知事       尾崎正直君  副知事      岩城孝章君  総務部長     小谷 敦君  危機管理部長   高松清之君  健康政策部長   山本 治君  地域福祉部長   井奥和男君  文化生活部長   岡崎順子君  産業振興           中澤一眞君  推進部長  理事(中山間対           金谷正文君  策・運輸担当)  商工労働部長   原田 悟君  観光振興部長   久保博道君  農業振興部長   杉本雅敏君  林業振興・           田村壮児君  環境部長  水産振興部長   東 好男君  土木部長     奥谷 正君  会計管理者    大原充雄君  公営企業局長   岡林美津夫君  教育委員長    小島一久君  教育長      中澤卓史君  人事委員長    山本俊二郎君  人事委員会           福島寛隆君  事務局長  公安委員長    山崎實樹助君  警察本部長    小林良樹君  代表監査委員   朝日満夫君  監査委員           久保博孝君  事務局長  選挙管理           恒石好信君  委員長---------------------------------------事務局職員出席者  事務局長     浜口真人君  事務局次長    森下幸彦君  議事課長     山名正純君  政策調査課長   西森達也君  議事課長補佐   楠瀬 誠君  主任       沖 淑子君  主事       村岡高志君---------------------------------------議事日程(第2号)   平成25年10月1日午前10時開議第1 第1号 平成25年度高知県一般会計補正予算 第2号 平成25年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計補正予算 第3号 平成25年度高知県病院事業会計補正予算 第4号 高知県グリーンニューディール基金条例議案 第5号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例議案 第6号 高知県固定資産評価審議会条例の一部を改正する条例議案 第7号 高知県指定障害児通所支援事業者等が行う障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例及び高知県指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案 第8号 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例議案 第9号 高知県が当事者である訴えの提起に関する議案 第10号 横瀬川ダムの建設に関する基本計画の変更に係る意見に関する議案 第11号 国道494号防災・安全交付金(王子トンネル)工事請負契約の締結に関する議案 第12号 県道春野赤岡線(浦戸大橋1-1工区)防災・安全交付金工事請負契約の締結に関する議案 第13号 県道春野赤岡線(浦戸大橋1-2工区)防災・安全交付金工事請負契約の締結に関する議案 第14号 県道足摺岬公園線防災・安全交付金(松尾トンネル(大浜工区))工事請負契約の締結に関する議案 第15号 和食ダム本体建設工事請負契約の締結に関する議案 第16号 平成24年度高知県電気事業会計未処分利益剰余金の処分に関する議案 第17号 平成24年度高知県電気事業会計資本剰余金の処分に関する議案 第18号 平成24年度高知県工業用水道事業会計処分利益剰余金の処分に関する議案 第19号 平成24年度高知県病院事業会計資本剰余金の処分に関する議案 報第1号 平成24年度高知県一般会計歳入歳出決算 報第2号 平成24年度高知県給与等集中管理特別会計歳入歳出決算 報第3号 平成24年度高知県旅費集中管理特別会計歳入歳出決算 報第4号 平成24年度高知県用品等調達特別会計歳入歳出決算 報第5号 平成24年度高知県会計事務集中管理特別会計歳入歳出決算 報第6号 平成24年度高知県県債管理特別会計歳入歳出決算 報第7号 平成24年度高知県土地取得事業特別会計歳入歳出決算 報第8号 平成24年度高知県災害救助基金特別会計歳入歳出決算 報第9号 平成24年度高知県母子寡婦福祉資金特別会計歳入歳出決算 報第10号 平成24年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第11号 平成24年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計歳入歳出決算 報第12号 平成24年度高知県農業改良資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第13号 平成24年度高知県県営林事業特別会計歳入歳出決算 報第14号 平成24年度高知県林業・木材産業改善資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第15号 平成24年度高知県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第16号 平成24年度高知県流域下水道事業特別会計歳入歳出決算 報第17号 平成24年度高知県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算 報第18号 平成24年度高知県高等学校等奨学金特別会計歳入歳出決算 報第19号 平成24年度高知県電気事業会計決算 報第20号 平成24年度高知県工業用水道事業会計決算 報第21号 平成24年度高知県病院事業会計決算第2 一般質問   (3人)---------------------------------------   午前10時開議 ○議長(森田英二君) これより本日の会議を開きます。--------------------------------------- △諸般の報告 ○議長(森田英二君) 御報告いたします。 議員西岡寅八郎君から、入院治療のため本日からの会議を欠席したい旨届け出がありました。 次に、去る9月25日に組織されました予算委員会から、委員長に樋口秀洋君、副委員長に桑名龍吾君をそれぞれ互選した旨通知がありましたので御報告いたします。 なお、予算委員会の構成につきましては、お手元に名簿をお配りいたしてありますので御了承願います。 次に、第5号議案については、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき人事委員会に意見を求めてありましたところ、法律の制定の趣旨を考慮したものであり、適当であると判断する旨の回答書が提出されました。その写しをお手元にお配りいたしてありますので御了承願います。   〔予算委員名簿、人事委員会回答書 それぞれ巻末282、283ページに掲載〕--------------------------------------- △質疑並びに一般質問 ○議長(森田英二君) これより日程に入ります。 日程第1、第1号「平成25年度高知県一般会計補正予算」から第19号「平成24年度高知県病院事業会計資本剰余金の処分に関する議案」まで及び報第1号「平成24年度高知県一般会計歳入歳出決算」から報第21号「平成24年度高知県病院事業会計決算」まで、以上40件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問をあわせて行います。 通告がありますので、順次発言を許します。 17番浜田英宏君。   (17番浜田英宏君登壇) ◆17番(浜田英宏君) 皆さんおはようございます。安芸郡の浜田英宏でございます。私は、自由民主党を代表いたしまして、当面する国政や県政課題について、知事、教育長並びに関係部局長に質問をさせていただきます。何とぞ簡潔な御答弁をよろしくお願い申し上げます。 初めに、去る7月21日に行われた第23回参議院議員選挙において、自民党、公明党が圧勝をしたことで、懸案でありました衆参のねじれも解消されました。いよいよ決められる政治に向けて新たなスタートを切った安倍政権に対して、知事は何を期待するのか、お伺いいたします。 次に、2020年オリンピック、パラリンピックの開催都市が東京に決定をいたしました。国民挙げての招致活動が功を奏した結果であると思います。本当におめでとうございました。日本の新たな成長と明るい未来の予感、生ける力や希望を与えていただいた慶事でありました。東京オリンピック招致成功に中心となって御活躍をいただきました招致団の皆様に深甚なる敬意と感謝を表する次第でございます。 この上は、アベノミクスを何が何でも成功させ、さらには東北の復興を完結させ、日本経済の再興につなげていかなくてはなりません。 前回の1964年東京オリンピックのときは、高度成長期真っただ中の昭和39年で、私がちょうど10歳のときでありました。ビクターのカラーテレビが我が家の茶の間に初めてお目見えし、家族がくぎづけになりましたが、白黒放送が多くて、「総天然色やないやんか」と父に食ってかかったことを思い出します。7年後の2020年には4Kテレビ対応の放送が普及するでしょう。また、政府は8Kテレビの本放送開始を目指しておりまして、世界を驚嘆させるかもしれません。 本県のスポーツ施設の利活用や関連グッズの開発も期待されます。また、プレゼンテーションでアピールされた日本のおもてなし文化も本県の得意分野であります。 アベノミクスの第4の矢とも言われる、この2020年東京オリンピックの3兆円とも10兆円とも試算されている経済波及効果を本県にどう呼び込むのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、6月定例会において我が党の三石議員が質問いたしました憲法改正について再度知事にお伺いいたします。 安倍総裁は、総裁選挙に臨むに当たり、新たな時代を切り開く日本にふさわしい憲法の制定を錦の御旗に掲げられました。私は、安倍政治の中心軸は憲法改正であると確信をしています。 知事は、三石議員の質問に対する答弁で、憲法第96条の改正を議論するに当たっては2つの側面があり、1つは、憲法第96条を改正して、その先で憲法をどのように変えようとしているのか、そのことが国民に十分認識されていない。何が検討課題なのかを明らかにした上で議論を喚起すべきであると答弁されました。もう一つの側面は、憲法が軟性憲法であるべきなのか、あるいは硬性憲法であるべきなのか、国民的議論を重ねていくべきだとも答弁をされました。 日本の法律は、原則として衆参の出席議員の過半数の賛成で改正できますが、それよりも厳格な改正手続が必要な憲法は、俗に硬性憲法と呼ばれています。日本国憲法の改正は、衆参それぞれの総議員の3分の2以上の賛成を得て国会が発議し、さらには国民投票に付され、その過半数の賛成を得て承認されなければならず、法律改正手続以上に厳しいので、硬性憲法であります。お隣の韓国の憲法も硬性憲法と言われておりますが、韓国の国会は一院制でありますから、二院制を採用している日本国憲法のほうがはるかに厳しい硬性憲法であると言えます。 また、戦争放棄の規定を設けているのは日本だけで、ゆえに日本国憲法は世界に誇れる理想憲法だと護憲派の方々は豪語されますが、敗戦国であるイタリアは憲法第11条に、ドイツも基本法第26条に、戦争放棄は明文化されているのです。同じような規定を持つ国は、ほかにフランス、ブラジル、韓国、カンボジアなどがあり、戦争放棄というのは今や世界共有のものなのです。 アメリカのような硬性憲法であっても、過去200年ほどの間に18回の修正があっています。アメリカ合衆国憲法は、原文を残したままその上に書き添えていく方式でありますので、改正とは呼ばず、修正と呼ぶようであります。 戦後の改正は、アメリカが6回、フランス27回、イタリア6回、ドイツは59回も改正をしています。このように、世界の主要国は、時代の要請に即して憲法改正を行っているのです。 また、憲法が成文化されていない、いわゆる不文憲法でありますイギリス憲法は、軟性憲法の代表格でありますが、軟性であっても肝心かなめの部分はほとんど改正されていないのです。 要するに、硬性憲法、軟性憲法にかかわらず、実態として67年間改正されていない日本国憲法は、96条の改正要件のハードルが異常に高いと言わざるを得ません。それは、日本国憲法が占領国アメリカによってつくられ、忠臣蔵のようなかたき討ちをされないよう、日本が二度と反旗を掲げないように、アメリカによる占領政策として意図的に日本国憲法を改正しにくくしたからであります。 国民の過半数が憲法改正を望んでいても、参議院議員の3分の1に当たる81人の反対によって、国民投票にすらかけられることなく改正案が葬り去られるということは、日本国憲法自体が国民主権をないがしろにしていると言わざるを得ないのであります。これが日本国憲法の最大の矛盾点だと言われています。 また、私は、96条の改正と9条第2項の削除は表裏一体でパッケージであると考えています。9条の第1項の平和主義は、しっかりと堅持してまいります。しかし、一方の第2項については、いかなる国との交戦権も認めず、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」という規定を削除し、自衛隊として認められていない集団的自衛権の行使に、自衛軍あるいは国防軍として道を開くべきであると考えています。 日本国憲法の最大の欠陥は、平和なときにはどうするかということについてはいっぱい書かれてありますが、いざ戦争になったり、いざ有事になったりしたときにはどうするのかということが何も書かれていないことであります。戦争をどう防止するのか、そのための軍隊の規定が全くないのであります。 自衛隊は、憲法のもとで軍隊ではありません。だからといって、災害救援や災害復旧が本来の任務でもありません。外国からの武力侵攻に備え、日本を防衛することが自衛隊の本来の任務であります。自衛隊は、日本の国民を守るために、嫌でも戦うのです。誰かがその嫌な仕事をやってくれなかったら、私たち国民が総出で竹やりを構えて迎え撃つというんですか。それで日本は守れますか。つまり戦うこと、それが自衛隊の本来の任務なのです。 憲法第9条は、戦力は保持できないことになっています。戦力というのは軍隊ですから、自衛隊は憲法のもとで軍隊には当たりません。一方で、我が国が独立国である以上、主権国家としての我が国固有の自衛権の行使、つまり必要最小限度の実力組織として、自衛隊は武力の行使ができる組織ということになります。 しかし、PKOなど海外における平和維持活動では、自衛隊は軍隊でないので武力の行使はできません。それでも、世界全体から丸腰の軍隊として認識をされているのです。 有事に際して、友好国の軍隊に助けられて命拾いをした自衛隊が、たった今恩を受けた友好国が目の前で全滅しそうになっていても助けることもできないのでは、その後に自衛隊を助けてくれる友好国はいなくなってしまうことでしょう。自衛隊が軍隊として憲法に明記されないことで、実態としておかしなことがたくさん起きているのであります。 また、日本国憲法には、総理大臣が欠けたときに誰がそのかわりをするのかという規定もございません。国家が非常事態になったときにどうするかという規定も、明治憲法にはありましたが、現行憲法ではアメリカによって削除をされているのです。 日本国憲法は、平和なときのことだけしか考えられていない憲法であり、これが日本国憲法の最大の欠陥であると言われています。不測の事態に迫られて慌てて憲法を改正するより、平時の今だからこそ大いに議論し、憲法改正を実現すべきなのであります。 知事は、三石議員の質問に対する答弁で、「北朝鮮の核やミサイルの開発、中国による尖閣諸島付近での領海侵犯など、我が国の安全保障を取り巻く環境はますます厳しさを増していると感じている」、「同盟国を初め、関係諸国との連携についても、我が国の安全保障はもとより、アジア太平洋地域の安定化にとって不可欠であるものと考えている」と答弁をされました。 知事の答弁のとおり、日本の安全保障を取り巻く環境は、かつてないほど厳しい緊張下に置かれているのが現実です。今後、それがさらに切迫した場合を想定して、自衛隊の持てる最小限の武力行使をどこまで拡大解釈していけるのかの集団的自衛権の行使議論が政府で今行われ、早ければ年末までに一定の結論を得る方向で進んでいます。 その議論の中で、今の実態に沿わない状態にある憲法解釈は、実態に即応するために、国民の生命確保を前提に、地理的概念にとらわれず、積極的平和主義の理念のもとで、解釈を変更してでも集団的自衛権に道を開くべきであるとする意見と、一方で、衆参のねじれが解消された上は、96条の改正と国民投票を経た上で集団的自衛権の行使を議論すべきであり、憲法の解釈を変更することで道を開く手法はこそくなやり方であると批判する意見があります。 知事は一人の政治家として、憲法96条を改正して臨むべきと思われるのか、それとも憲法9条の解釈の変更でもよいと思われるのか、御所見をお伺いいたします。 また、今月末に、本県に所在する陸上自衛隊高知駐屯地航空自衛隊土佐清水分屯基地などにおいて、自衛隊が南海トラフ巨大地震を想定した日米共同統合防災訓練を実施する旨、去る9月6日に中国四国防衛局より本県に連絡が入り、オスプレイが訓練に参加することも含めて、知事は防災訓練ということで一定の理解を示されたと報道されています。 訓練の内容は県民に不安を与えるものなのか、詳細について危機管理部長に御所見をお伺いいたします。 また、オスプレイの訓練参加については、沖縄県以外に訓練を分散させることで、普天間基地の負担軽減を模索する旨の小野寺防衛大臣の発言がありましたが、その点について知事は理解を示されるのか、御所見をお伺いいたします。 オスプレイは、その安全性が十分確保されていないので、訓練参加を見送るように申し入れをすべきだという声もありますが、半世紀の間、主力輸送ヘリとして活躍したCH46、47型にかわる事実上の後継機種であり、早晩全てオスプレイに切りかわることは明らかであります。従前のCH46と比べて、騒音や安全性も含めて全てのポテンシャルが格段にまさっているからこそ主力兵員輸送機になるわけで、今後は用途に応じてさまざまな艤装に改造しながら、さらに安全で使い勝手のよい輸送機へと改良が重ねられ、平成27年度から自衛隊導入が検討されていると聞いています。 9月7日の地元紙朝刊に、オスプレイの日米合同災害救助訓練参加はまやかしの説明である、さらには、オスプレイは日本の防衛とは無関係であり尖閣諸島など対中抑止力にはなり得ない、尖閣に向かっても中国の戦闘機に一発で撃ち落とされてしまうとの評論家の意見が掲載され、その認識の低さに驚愕をいたしました。大切な兵員や物資を搭載した輸送機を派遣するときには、必ず味方の支援戦闘機が警戒に当たるのが常識であり、ましていわんや制空権を確保せずに輸送機を単独で島嶼部へ送り込むことはまず考えられず、本当に元防衛大学校の教授なのかと頭をかしげてしまいました。 航空自衛隊は、既に次期主力戦闘機ライトニングⅡF35Aタイプを発注済みでありますが、同型機でF35のBタイプは、AV8BハリアーⅡと同様にジェット戦闘機でありながら空中でホバリングも可能な最新鋭の次世代ステルス戦闘機であり、オスプレイやF35Bなど垂直離着陸が可能な航空機の必要性は、もはや時代の趨勢であり、今や島嶼防衛に欠くことのできない代物であることを、我々国民がもっともっと理解すべきであります。 いずれにせよ、日米地位協定には日本国憲法を超越した権限があり、これが存在する中でネガティブな意見や報道は、いたずらに国民の不安をあおり、日本の安全保障の足を引っ張るばかりではありませんか。米軍も大切な兵員を運ぶ以上は、事故を起こそうとしてオスプレイを運用しているわけでなく、必要性があるからこそ配備、運用しているのです。十分な点検整備と安全運航に留意をいただく旨要請した上で、もう少しポジティブに考えたいものだと思っています。 日米地位協定は、日本国憲法以上に大事な課題であります。しかし、それより、まずはアメリカ人によってつくられた日本国憲法を我々日本人の手によって改正し、世界に対して当たり前の国にする、普通の国にする、日本人としての自信と誇りを取り戻す、つまり日本を取り戻すということであります。これが安倍総理の考え方であると私は認識をしていますが、日米地位協定及び憲法改正の必要性について、改めて知事の御所見をお伺いいたします。 次に、消費税と社会保障制度の一体改革や成長戦略、中でも女性の活躍や国家戦略特区についてお伺いをいたします。 アベノミクスの3本の矢は、いわゆる大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起させる成長戦略であります。1本では簡単に折れてしまう矢でも、3本の矢が合わさると簡単に折ることはできません。これがすなわち、骨太の方針になるわけで、骨太とは、日本経済の再興と財政再建の両立を意味するのであります。1本目、2本目の矢はそれなりに的を射抜いてまいりました。しかし、3本目の矢である成長戦略の実現は、政府が幾ら笛を吹き、太鼓をたたいても、地方や民間が笛や太鼓の音色に合わせて踊ってくれなければ、政府は的を射抜くことはできません。 そんな観点から、まずは焦眉の的である社会保障と税の一体改革について、何点か質問いたします。 総務省が去る8月28日に発表した本年3月末時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査によると、日本人の人口は前年同期より26万6,004人少ない1億2,639万3,679人と4年連続の減少で、昭和43年に調査が開始されて以降、今回、過去最大の減少幅となりました。その原因は、人口の自然減が6年連続で拡大したためだと言われています。全国で亡くなられた方は125万5,551人で、昭和54年に調査が開始されて以降、2番目に多い結果となっています。65歳以上の高齢化率は24.40%と過去最高になりました。 一方、本県の人口は、前年同期より6,835人減の75万2,845人で、減少率は前年から0.02ポイント増加し0.90%と、秋田1.23%、青森1.07%、福島1.04%に次いで、全国で4番目に高くなっています。さらに、高齢化率は30.04%と、全国平均を5.64ポイント上回っているのです。逆に、人口がふえた都道府県は、東京、沖縄、愛知、宮城、埼玉、福岡、神奈川、滋賀と、相変わらず都市部を中心にふえる傾向にあります。 昨年度誕生した赤ちゃんは、前年度比2万120人減の102万9,433人と過去最少となりました。厚生労働省が9月5日に発表した人口動態統計によると、合計特殊出生率の直近値は、全国平均で1.41、本県は全国平均をわずかながら上回る1.43であります。加えて、15歳から64歳までの生産年齢人口は7,895万人と初めて8,000万人を割り、生産年齢人口の減少は、平成6年に調査が開始されて以降歯どめがかからず、人口に占める割合も過去最少の62.47%となりました。 10年前の平成15年は、生産年齢人口3.56人で1人の高齢者を支える社会構造で、いわゆる騎馬戦型が成立いたしましたが、10年経過した現在では、2.56人で1人を支える構造へと変化し、丸々1人役少なくなっており、既に騎馬戦型から肩車型へと移行しつつあるのです。 このように、人口減と少子高齢化に一段と拍車がかかり、1世帯当たりの家族構成は2.32人で0.02人減少し、世帯数も過去最高の5,459万4,744世帯と、核家族化の勢いもとどまることを知らない状況であります。 本県の社会構造はどのような状況なのか、その状況に対して、知事はどのような施策で対応していくのか、知事にお伺いをいたします。 こうした社会背景の中で、社会保障費負担や労働力確保をめぐる議論がなされ、このたびの来年度予算に向けた概算要求にも反映されたと思います。平成26年度予算編成に向けた概算要求は、消費増税の判断前で税収が見通せないことからシーリングが外され、特別会計に計上する復興費用も合わせると、2年続いて100兆円を超える結果となりました。最も大きいのが厚生労働省で、平成25年度当初予算比で3.8%増の30兆5,620億円、高齢化に対応する社会保障給付費の自然増は9,900億円と、またもや1兆円規模となっています。 また、去る8月6日に社会保障制度改革国民会議の最終報告に際して、清家篤会長が国民に向けてメッセージを発信されました。その報告書によると、負担のあり方を年齢別から能力別に切りかえること、社会保障制度の機能強化には税と保険料の負担は避けられないこと、財源を国の借金で賄っている次世代へのツケ回しを速やかに解消する必要があること、社会保障制度改革と財政健全化は一体であり同時達成が必須の課題であること、切れ目なく全世代を対象とする社会保障制度への転換を目指すべきこと等々、これら持続可能な社会保障制度のあり方の道筋を示した報告書の内容を、これら人口動態調査の結果が数値面からまさに担保しているのであります。 社会保障制度改革国民会議の最終報告書や、これに基づくロードマップとして、医療の分野では、来年度から70歳から74歳の窓口負担を2割とし、高額療養費制度を拡充するとともに、難病の医療費助成対象を拡大すること、再来年には、企業の健康保険組合の負担を上げること、平成29年までに国民健康保険を都道府県の運営に移管すること、また、介護の分野では、再来年度から、要支援の人を自治体事業に移行させること、所得の高い人の自己負担割合を1割引き上げること、65歳以上の低所得者の介護保険料を軽減することなどが明記をされました。 また、年金分野の支給開始年齢の引き上げの時期や高所得者への年金課税を強化する時期、さらには子育て支援分野の育児休業中の経済支援強化を検討する時期などについては、中長期的課題であることから、残念ながら今回は時期が明記をされませんでした。 これから医療保険を県単位で運営していく流れが高まってまいりますが、例えば要介護5の高齢者であっても、ある程度収入のある方は現状でも国保料を居住市町村に最高額納め、なおかつ医療費の3割負担をしており、現役世代と変わりありません。このように、応能負担は既に制度化され、さらに負担増に変更されそうでありますがどうなのか、また区分変更などの見直しはまだまだ議論の余地があるのか、健康政策部長にお伺いをいたします。 また、県内の国保料の市町村格差はどのような状態なのか、県が国保保険者として運営主体になったとき、国保財政の基盤は強化をされても、納付額が相対的に上がる傾向になるのではないか、保険料の徴収業務は市町村に残るが、それで果たしてモチベーションが上がるのかなど、課題と対策について健康政策部長に御所見をお伺いいたします。 また、年金の支給開始年齢を引き上げる時期等については、現在50歳の方からが、67歳からの支給開始年齢に引き上げになるとも聞いています。また、一方で物価が上がり、マクロ経済スライドを適応させても、年金の上がる額より介護保険等の年金から天引きになる額のほうが多く、実際に受け取る年金は下がる一方だとの県民の声も多くあります。 これから老後を迎える若い方々が老後の生活設計を早い段階からきちんと立てられるよう、政府として十分な説明責任を果たす必要があると思いますが、県としてもしっかり対応いただくように、強く要請をしておきたいと思います。 また、今後は総合的な制度設計が必要となりますし、介護保険と医療保険の見直しでも、広域連合や市町村との十分な協議と調整を経た上で、自治体間で大きな格差が生じたり、行き過ぎた負担増にならないように、個々の法律の中にしっかりと反映をしなくてはなりません。 例によって厚生労働省は、制度の中身が絶えずころころ変わるので、現場がいつも大変混乱を来すのがこれまでの実態でありますが、そんなことにならないよう厚生労働省としっかり議論をして、個々の法律の中に高知型福祉や日本一の健康長寿県構想の特性が裡点としてしっかり盛り込めるようにお願い申し上げる次第でございます。 時間があるようで、意外とないと思われますが、今後どのように対応していくのか、医療保険制度及び介護保険制度の見直しへの対応について、健康政策部長及び地域福祉部長に御所見をお伺いいたします。 このように、社会保障制度改革国民会議の最終報告を受けて、これに基づく具体的施策のロードマップとなるプログラム法案の骨子が閣議決定をされましたが、これらをどう評価されるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、財政の健全化と消費増税についてお伺いいたします。 今、国の借金残高は、名目GDPの2.1倍の1,000兆円超の水準に達しようとしており、平成27年度を目標に、プライマリーバランスを確保するために、平成22年度比で赤字の対GDP比をマイナス3.3%と半減させ、東京オリンピックまでに黒字化をする計画です。 財政の健全化を図るためには、民需主導の持続的成長が実現した経済状況のもとで、国、地方合わせて平成25年度から17兆円余りの基礎的財政収支の改善を図る必要があると言われています。まずは、国、地方の基礎的財政収支赤字の大部分を占める国の一般会計の基礎的財政収支について、来年度と再来年度でそれぞれ4兆円程度改善を図り、来年度予算でマイナス19兆円程度、さらに再来年度予算でマイナス15兆円程度とし、国、地方のプライマリーバランスを確保する計画であると言われています。 概算要求では、地方交付税の配分額も1.8%減の16兆8,000億円になっており、来年度からかなりの歳出抑制の圧力が地方にもかかってくる中で、安定的な財政運営に必要な一般財源の確保と事業の実施についても、選択と集中の県政運営が求められると考えています。 来年度予算編成に向けた基本的な姿勢を知事にお伺いいたします。 一方、本県の建設業界が絡む官製談合事件で、公経済依存型の本県の景況はどうなるのかと大変心配いたしましたが、知事の賢明な御判断で最悪の事態は免れたと思います。改めて知事の御決断を高く評価するものであります。 そこで、13カ月予算による1,151億円余の普通建設事業費は功を奏していると考えておられるのか、現時点の発注状況と今後の見通しを含め、総務部長に御所見をお伺いいたします。 四国財務局や高知財務事務所も、四国や本県の景気予測を3期連続でプラスといたしました。また、本県の新規就農の速報値も過去最高の263人にふえました。さらには、7月の有効求人倍率は、全国0.94倍に対して0.76倍の全国38位とバブル期と同程度まで回復いたしました。しかし、過去最高になったとはいえ、非正規雇用に比べて正規雇用は0.34倍の全国45位と際立って低い状態にあります。 本県の就業者における正規職員、非正規職員と男性、女性別の割合はどのようになっているのか、お伺いをいたします。 また、起業支援型地域雇用創造事業約19億円は、8月末時点の計画採択82事業に9月以降に計画されている事業を加え、約6割の執行が見込まれていますが、残り7億円余の配分について完全消化の見込みはあるのかどうか、今後の取り組みもあわせて商工労働部長にお伺いをいたします。 新規就農については、2年間の研修期間中や就農後5年間の合わせて最大7年間の給付金等や移住政策が奏功していると思うが、定着に向けた今後の課題や対策について農業振興部長並びに産業振興推進部長にお伺いをいたします。 また、まるごと高知を含む本県の地産外商の平成24年度総括は、成約金額、店舗売り上げ、観光客の増加による経済波及効果が23.1億円、広告効果22.2億円を加えると、45.3億円のアウトカムを算出しております。私は評価できる値だと思います。 また、まるごと高知の25年度の目標である売上高4.0%増の約4億円を達成して、さらに躍進することが期待をされていますが、その意気込みを産業振興推進部長にお伺いいたします。 私は、高知県産業振興計画が成功したか否かのメルクマールは、最終、県内の就労者の雇用状況や賃金がどのくらい改善されたかで評価の分かれ目になると思っています。今年度は、建設労務単価が前年度比の約14%も上がりました。しかし、これは技能労働者の社会保険加入の徹底が目的で、労働者に対する直接的な賃金アップにはつながっていないと言われています。 前月、9月10日に厚生労働省が取りまとめた最低賃金審議会の答申によりますと、最低賃金の時給額は全国平均で15円増となる一方で、本県も12円引き上げるとの答申が出され、9月26日には正式決定に至っておりますが、4年連続で全国最低水準の664円であり、全国最高の東京と205円の開きがあります。 このように、都市部と比べて高知はまだまだ低く、今後、電気料金も上がる中で、県民の間には、生活が楽になった、景況感がよくなったという声は乏しいが、高知地方最低賃金審議会の労使の議論はどのような状況だったのか、商工労働部長にお伺いをいたします。 また、知事は、県民目線で見た場合、高知県に暮らす生活者の景況感をどう判断されておられるのか、お伺いをいたします。 内閣府が去る8月12日に発表した、この4月から6月期のGDP速報値は、物価変動を除いた実質で前年比0.6%増であり、このペースが1年続くと仮定した場合、年率換算で2.6%増となり、3四半期連続のプラス成長となりました。また、法人企業統計による同期の金融・保険業を除く全産業の設備投資も、前年同期比0.02%増の8兆3,106億円と、こちらも3四半期ぶりにプラスに転じています。 さらに、民間のシンクタンク6社は、この速報値に対する改定値で軒並み3.0%増以上を予想し、中でも農林中金総合研究所は、GDP改定値を4.0%増、設備投資は1.1%増に見直されると予想、公共投資においても上方修正を見込んでいました。 こうした民間のシンクタンクの予想のとおり、9月9日に内閣府が発表した改定値は、実質で前年比0.9%増、年率換算で3.8%増、設備投資も6四半期ぶりに1.3%増、公共投資も緊急経済対策の効果が出始めて、1.8%増から3.0%増に引き上げられ、アベノミクス効果の結果だと言われています。 一方、個人消費は0.8%増から0.7%増へ、住宅投資は0.2%減から0.3%減へと下方修正されています。 また、名目GDP3.7%増に対して実質GDP3.8%増は、実質が名目を上回る、いわゆるデフレ状態の特徴であることから、消費税の増税に反対をする論者もいますが、総じて増税のタイミングとしてはベストではないにしても、ベターと見る向きが多いようであります。これらは、消費税増税に向けた安倍総理の判断に追い風になるものと思われます。 以上のように、国、地方を取り巻く背景を踏まえて、消費税増税を予定どおり4月に実施すべきかどうかの是非を60人の有識者に聞く集中点検会合では、7割を超える出席者が4月からの消費税増税8%を容認しています。安倍総理は、本日発表される日銀の短観を確かめた上で、きょうじゅうにも判断をするとのことです。 知事は、県内全体を大所高所の視点で見て、消費増税の時期や税率、軽減税率についてどう判断されるのか、また、増税を実行した場合に懸念される景気の腰折れに対する経済対策については、3%増税の2%分、約5兆円が充てられるようですが、これに理解を示されるのかどうか、また、全額社会保障の安定化財源の議論との整合性も含めてどのようにお考えか、御所見をお伺いいたします。 次に、アベノミクスの成長戦略についてお伺いいたします。 アベノミクスの成長戦略の華として女性の活躍や、成長戦略の目玉として国家戦略特区の創設がクローズアップされました。 昭和47年7月1日に施行され、昭和60年と平成18年に改正された男女雇用機会均等法や、平成11年6月23日に施行された男女共同参画社会基本法など、女性の社会参画の課題が経済政策としての成長戦略に位置づけられたこの意義について知事の御所見をお伺いいたします。 成長戦略には、平成29年度末までに待機児童ゼロを目指すことや、知事にとっては土佐高校の先輩である厚生労働事務次官村木厚子氏に代表されるように、女性の管理職登用を積極的に推進する方向性が示されていますが、頑張りたいと思う土佐の女性らをどう応援していかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 全国で最も低い水準にある賃金で夫婦が共働きをし、将来夢のある家庭を築くために努力をするも、妊娠がわかると肩たたきに遭うといったマタニティーハラスメントが、本県でもふえているのではないか。また、やっと子供を出産しても、乳幼児1歳6カ月児健診と3歳児健診は、いずれも全国最下位の受診率にあることも、県内の雇用環境が反映をされているのではないかと思われるが、あわせて商工労働部長並びに健康政策部長の御所見をお伺いいたします。 また、子供をつくること以前に、男女の出会いとカップリングを成功させることが大切であります。また、土佐のおきゃく文化は盛んであって大いに結構でありますが、一方でこれは家計に占めるエンゲル係数のアップにつながり、飲み助の多い高知県の男性は相対的貧困で結婚できないパターンにあるのではないかと思いますが、県の結婚支援への取り組みについて地域福祉部長にお伺いをいたします。 尾崎知事は、全国知事会の次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーとして、また、10県知事で構成する子育て同盟の一員として、子育て支援策の充実に向けて全国の先頭で頑張っておられますが、国にどのような少子化対策の提言を行ったのか、知事に御所見をお伺いいたします。 我が国は、第1子出産を契機に約6割の女性が離職する実態にある一方、こうした女性の離職をとめるためには、男性の家事や育児の参画をいかに促し、イクメンをどう育てるのかが大きな課題であります。 イクメンを積極的に育てていく立場にある県では、昨年度、知事部局における男性職員の育児休業取得率が9.4%との高い数値であったとのことですが、一方、事業所を対象とした厚生労働省の調査によると、全国の男性の育児休業取得率は、平成8年度に0.12%であったものが平成19年度には1.56%に、平成24年度には1.89%に伸びてはいるものの、まだまだ低い実態にあると言えます。 本県においても、他県からの移住政策を進めることももちろん重要でありますけれども、まずは県内に生活する若い夫婦が安心して子供を産み育てられる環境を醸成することが大切であると思います。県はどのような施策を考えているのか、御所見をお伺いいたします。あわせて、男性の育児参加をどのように奨励、普及していくのか、地域福祉部長の御所見をお伺いいたします。 次に、去る6月14日、政府は日本再興戦略を閣議決定し、その中に国家戦略特区の創設が成長戦略の目玉として位置づけられました。私は、かねてから成長戦略成功に向けたキーワードは規制緩和だと確信をしていました。 そこで、本県は全国一の森林県であると同時に、全国有数の森林材積を保有する県として、その豊富な森林資源を良質材から低質材までダイナミックに有効利用するために、大型製材加工施設や木質バイオマス発電など積極的に取り組む中で、特に大量の木材の利用が見込めるCLT工法の分野で、知事が先頭で頑張っておられます。CLT工法は、これから木材産業、建築産業の救世主となり得る可能性を秘めておりますが、建築基準法などクリアしなくてはならない大きな壁があります。 私は、中高層建築物の木造化が遅々として進まない中で、国家戦略特区に提案したCLT工法が諮問会議で必ずや採択されると確信していますが、応募するに至った経緯やその内容について知事に御所見をお伺いいたします。 次に、精神科の医師確保対策についてお伺いいたします。 県内の精神科医療については、高齢化の進行に伴い、今後急激に増加をする認知症高齢者の早期発見とケアに向けた支援体制の強化や、社会的ストレスなどを原因として大幅に増加している鬱病患者への早期治療の推進など、精神科医療に対する県民ニーズは、今後も確実に増大していくことが見込まれています。 これらの県民ニーズに対応できる医療の提供体制を整備するためには、将来にわたる精神科医の安定的確保にいち早く取り組むことが必要不可欠であります。そのために県は、中長期的な対策として、地域における精神科医療を支援するプロジェクトを、高知大学医学部の神経精神科学教室のもとで新たに実施することとされています。 このプロジェクトでは、精神科医師の養成のための教育カリキュラムの充実や、本県における精神科医療の実情や必要性を反映した、県内勤務の希望者が増加するような魅力的な体験研修を実施できるよう高知大学医学部と協議中であると聞いています。 そこで、このプロジェクトの具体的な実施内容について、高知大学医学部との協議状況を含めて知事にお伺いいたします。 次に、高知赤十字病院のシキボウ跡地移転についてお伺いいたします。 去る8月26日に開かれた県と高知市との連携会議において、尾崎知事と岡崎市長が、長年の懸案でありましたシキボウ高知工場の跡地活用について、高知赤十字病院の移転と北消防署の新設を検討する方針について合意をしたとの報道がありました。 高知赤十字病院は、昭和3年に現在地の新本町に、約1万1,000平方メートルの日本赤十字社高知県支部療院として開設され、昭和18年1月に名称を高知赤十字病院に改称。以来、本県の救急医療や総合病院の草分けとして、高知県民のとうとい命を守る医療を提供し、県勢発展に大いに貢献をされてまいりました。 特に、赤十字の使命である災害救護活動では、東日本大震災の被災地への職員派遣を初め、過去にさかのぼれば、昭和47年の繁藤豪雨による山崩れ災害、昭和63年の高知学芸高校列車事故、平成7年の阪神・淡路大震災や平成10年の本県98豪雨など、県内外の被災地へいち早く出動し救護活動を行っていることは、皆さんも御承知のとおりと思います。私も、及ばずながら、日赤バイクサポート奉仕団の隊員の1人として末席を汚しております。 近い将来発生が予想されている南海トラフ巨大地震が起きたときには、県や消防、警察などと連携しながら、県外からの応援のDMATを受け入れ、迅速かつ円滑に全力で医療救護活動に取り組んでいただくことが必要であると思っています。 しかしながら、私自身も、人間ドックの健診やバイクの転倒事故による手術、入院などでこの病院をよく利用しますが、駐車場、駐輪場など施設が狭隘であること、また、県の新たな被害想定では、地盤沈下で最大2メートルを超える長期浸水が予想されているエリアに位置していることから、広域的な災害拠点病院として医療機能を確保しつつ、その役割を十分に発揮し得るのか、非常に懸念をしていたところであります。 一方、北環状線に接し、高速道路の高知インターにも近く、高知市北部地域の一等地である移転予定地のシキボウ跡地は、高知県土地開発公社が平成6年3月に、約5万5,900平方メートルを総額55億8,300万円で購入し、これまで幾つかの活用案が出され、平成8年に一部南側の約1万2,200平方メートルを国家公務員宿舎として四国財務局に売却し、現在、残りの約4万3,700平方メートルの一部をイオンモールの臨時駐車場等に貸与しています。 その後、平成19年6月に設置されました経済活性化・雇用対策特別委員会において、シキボウ跡地など県等が所有する遊休資産の活用についても議論がなされ、県議会として、長期的・多角的視点に立って積極的な活用に取り組むよう求めるなど、シキボウ跡地の利活用については、土地購入以来、県にとりまして長年の懸案事項であったと認識しています。その長年の懸案事項がいよいよ解決に向けて動き出したということで、私としても今後の動向に注視をしていきたいと思いますし、期待もしているところであります。 そこで、何点かお伺いいたしたいと思います。 まず、シキボウ跡地への北消防署の新設と高知赤十字病院の移転を検討するに至った経緯と今後のスケジュールについて知事にお伺いをいたします。 次に、シキボウ跡地から南方面に行く場合、久万川を渡る必要から、今の道路、橋梁では極めて狭く、病院や消防署が移転した場合、救急車など緊急車両が頻繁に通行するには非常に危険であります。道路の拡幅も含め、安全に通行できる道路整備が急がれると思いますが、検討されておられるのか、また、検討しているのなら、いつごろまでに整備をする予定なのか、知事にお伺いいたします。 次に、消防署と病院が同じ敷地内に隣接をして立地するという視点で考えると、高知市北部の防災拠点施設としての相乗効果が大いに期待されますが、高知市とどのように協議をし、施設や設備に対してどのような支援を行っていくのか、危機管理部長並びに健康政策部長にお伺いをいたします。 また、現在の病院は、高知駅に近く、患者さんの中にはJRやごめん・なはり線を利用して通院されている方も多いと思いますが、シキボウ跡地へ移転すると、公共交通機関が少なく不便になります。 以前、高知駅から北に路面電車を延伸すべきだとして、私も一般質問で2回にわたりお訴えをさせていただきましたけれども、土木部には聞き入れてもらえませんでした。当時の中心商店街の役員の皆さんに、「あなた方は、路面電車の高知駅から北進延伸について反対をしたのか」と確かめましたが、「いや、むしろ賛成したんだ」との声が返ってまいりました。 今、改めてそこらあたりも含めて、県民、市民が病院を利用しやすいようにするために、公共交通をどのように考えておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、昭和3年の開設以来85年間、地域とともに歩んできた病院が移転することは、当該地域にとって、経済面やまちづくりなどの点からも、移転後の跡地がどうなるのか、大変気がかりであると思います。 そこで、跡地の活用については、病院の考え方もあろうかと思いますが、県や高知市が一緒になって、まちづくりの視点から、高知駅周辺の便利で有効な土地としての活用について考えていただくことが必要だと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 この項の最後に、教育長にお伺いをいたします。 昭和48年に、県立高知江の口養護学校が開校し、当時のように、病院に入院しながら通学をする子供さんは、現在はいないとお聞きしております。ただ、現在、病院の医師や看護師などが診察などを行っていただいておるとお聞きしております。 そこで、病院が移転した場合、高知江の口養護学校はどうされるおつもりなのか、教育長にお伺いをいたします。 次に、土佐電気鉄道株式会社に係る一連の問題について知事にお伺いいたします。 まず、土佐電鉄外部調査委員会の報告書が7月30日に提出されましたが、報告書では、元会長や会社の行為について、法令違反には当たらないとしつつも、コンプライアンス上の問題が多数指摘をされています。この報告書の厳しい指摘について知事はどうお考えなのか、お伺いをいたします。 次に、去る9月24日に、行政、金融機関、交通事業者等で構成する中央地域公共交通再構築検討会が立ち上がりました。その中で、土佐電鉄から、信頼回復に向けた取り組み状況の報告があったと聞いております。県は、それをどう評価しているのでしょうか。また、事実確認等の調査が不十分であるとの声もありますが、凍結している予算の取り扱いについては、今後どのように考えておられるのか、お伺いをいたします。 また、検討会の主たるテーマとして、中央地域の公共交通の再構築を検討していくことについては、県議会としても、平成23年7月に設置した公共交通問題調査特別委員会の中でも検討し、交通事業者や市町村から公共交通事業の現状を聞くとともに、県外の先進地調査や学識経験者との意見交換などを1年間重ね、翌年7月に報告書を取りまとめています。 その中で、中央地域の公共交通については、特にバス事業の路線のわかりにくさ等の課題を指摘し、利用者の利便性の向上や効率化を求め、さらにはバス事業の一元化が昭和40年代後半からの検討課題であることを指摘した上で、将来にわたり公共交通を維持するため、交通事業者、金融機関、行政は、バス事業、電車事業の特性を生かした中央地域の公共交通のあり方の議論を深めていくことが望ましいという提言を、県議会として行ったところであります。 本県の公共交通機関は、利用者の減少に伴い、交通事業者も大変厳しい状況にありますが、地域の生活や観光等の産業を支える社会基盤として大きな役割を担っています。特に、学生や高齢者、県外観光客にとっては不可欠なものであり、観光客の皆さんに満足してもらうためには、この機会にさらなる利便性の向上を目指すべきであると考えています。 今回の検討会では、すぐに次の対策を検討しなくても済むように、持続可能性を追求してほしいと思いますし、あわせて、利用する側から見て、いかに望ましい姿を実現するかといったことも含めて、将来を見据えて幅広い視点で抜本的に取り組むことが重要だと思いますが、どうなのか、あわせて知事の御所見をお伺いしまして、私の第1問といたします。 最後に、質問ではありませんが、今月26日にねんりんピックが開催となります。県はもちろんのこと、他の市町村においても多くの県民の御協力を得て、今、最終準備に余念がありません。 知事の提案説明にもございましたが、地域や世代を超え、喜びや感動、そして健康長寿をことほぎ、実感できる「高知家」の大会となるよう大変期待をしているところであります。大会の成功に向け頑張っていただきたいと思いますし、我々議員一同も県民とともに「高知家」ならではのおもてなしで温かくお迎えをしようではありませんか。 ありがとうございました。以上で終わります。   (知事尾崎正直君登壇) ◎知事(尾崎正直君) 浜田議員の御質問にお答えをいたします。 まず、決められる政治に向けて新たなスタートを切った安倍政権に対する期待についてお尋ねがございました。 現在の安倍政権には、長引くデフレからの脱却、持続可能な社会保障制度の構築、さらには外交や防衛、TPPなど国家的な課題がたくさんございます。政府には、課題解決に向けて適切に対応していただきますとともに、その際には地方を重視した、地方に目を向けた施策、特に全国に先駆けて人口減少や少子高齢化が進む、課題先進県とも言える本県のような地方の取り組みを後押ししていただきたいと考えております。 幾つか課題への対応として期待しておりますことを申し上げますと、まずは、デフレ脱却に向けた経済対策では、アベノミクスの中でも特に重要となってまいります、第3の矢である成長戦略の効果がしっかりと地方に波及するようにしていただきたいと思っております。我々も、積極的に国の施策を活用させていただきますが、国におきましても、ぜひ本県の産業振興計画のような地域の強みを生かした産業振興策を後押しし、加速化していただけるような施策を展開していただきたいと考えております。 2つ目は、少子化対策の抜本強化であります。高齢者1人を支える現役世代の数の今後の推計を見ましても、少子化は大変大きな課題だと受けとめており、まさに今が最後のチャンスとの思いで、国策として少子化対策の抜本強化に取り組む必要があります。ただ、都市部には都市部の、本県のような地方には地方の、それぞれ異なる課題がありますことから、地域の実情に応じて対策をしっかり講じていくべきものについては、例えば、地方にとって自由度の高い基金を設置するなど、支援をしていただきたいと考えております。 そして、何といっても3つ目は、南海トラフ地震対策でございます。一たび南海トラフ地震が発生すれば、本県はもとより、東海から九州に至る極めて広い範囲で甚大な被害が想定され、まさに我が国にとって国難ともいえる事態となり得ることから、国を挙げて対策を強力に進める必要があります。 現在、国会において継続審議となっております南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法案は、その根幹をなすものであり、一日も早く成立させていただきたいと考えております。 こうした喫緊の課題に総理がリーダーシップを発揮され、適切に対応していただくことを期待しております。一方で、決められる政治になったからこそ、地方を初めさまざまな意見を聞き、そしてしっかりと議論を行いながら政策を決定し、実行する、そのことが重要だと思っております。 次に、2020年東京オリンピックの経済波及効果を本県にどう呼び込むのかについてお尋ねがございました。 日本での夏季オリンピックの開催は56年ぶりであり、大きな経済効果が期待されておりますが、この機会を逃さず、でき得る限り、本県にも経済波及効果を及ぼす取り組みを積極的に行っていかなければならないと思っております。 例えば、合宿の誘致については、2007年の世界陸上、2008年の北京オリンピックの事前合宿を本県に誘致した実績を生かし、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。また、東京オリンピックを契機として、今後多くの外国人観光客が来日されますので、高知県にも足を延ばしていただけるよう、積極的にPRを行いますとともに、あわせて、来日された外国人選手や観光客の皆様に高知のおいしいものを食べていただくことで、地産外商のさらなる推進につなげていくといった取り組み、こういうことを継続的に準備していきたいと考えています。 さらには、選手村を初めとするオリンピック関連施設が建設されることになりますが、ぜひ関連施設を環境に優しい木造で建築していただきたいと思っております。その意味で、本県がトップランナーとして検証実験等を行っておりますCLT工法につきまして、2020年までに全国的に普及できるような体制ができればと考えておるところでございます。 次に、集団的自衛権の行使に関して、憲法第96条を改正して臨むべきと思うのか、それとも憲法第9条の解釈の変更でもよいと思うのかとのお尋ねがございました。 集団的自衛権の行使に関しては、これまで政府は、憲法第9条のもとにおいて許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されないとしてきました。 しかしながら、アジア太平洋地域における緊張の高まりや領土問題等の不安定要素の存在、大量破壊兵器や弾道ミサイルの技術向上、拡散など、安全保障上の問題が多様化し、また厳しさを増す中、いずれの国も一国ではみずからの平和と安全を維持しにくい状況があり、同盟国等との連携、国連の集団安全保障の枠組みの重要性が増しております。 私は、我が国近隣から同盟国に向かう弾道ミサイルを、我が国が撃ち落とす能力を有するにもかかわらず撃ち落とさないでいることは、同盟国の無辜の国民を救えるのに救わないということになるのであって、まさに政府の有識者懇談会の言う、我が国の安全保障の基盤たる日米同盟を根幹から揺るがすことになり、ひいては近隣からの弾道ミサイルが頭上を飛ぶという有事にあって、無辜の日本国民を危険にさらすことにつながる行いであると思っております。 こうしたことから、私は、集団的自衛権の行使を一定認めるべきだと思っておりますが、他方で、認めるにしても、これを口実に防衛目的を逸脱するようなことが決してあってはならないし、そのことを明確に担保する法的枠組みも必要であると思っております。 私は、この集団的自衛権の行使について、どのような場合に行使を認め、どのような場合に認めないのかという議論を徹底して深めていく必要があると考えており、ぜひ国民的議論を行っていくべきだと考えております。 そうした議論を経て、認めるべきとされる集団的自衛権の内容が、現行憲法では認められないということになるのであれば、やはりこの点そのものに関し憲法改正を目指して、改めて国民的議論に付すべきだと思っております。 次に、日米共同統合防災訓練に関して、訓練の分散により普天間基地の負担軽減を模索する旨の小野寺大臣の発言について理解を示すのかとのお尋ねがございました。 本県としては、今回実施が予定されている訓練は、あくまで南海トラフ地震対策の一環として行われる防災訓練であると受けとめています。ただ、オスプレイが一時的にせよ不在になるということが、結果として、防衛大臣が発言されたように負担軽減につながるということはあるのではないかと考えておるところです。 次に、日米地位協定及び憲法改正の必要性についてお尋ねがございました。 我が国の安全保障を取り巻く環境がますます厳しさを増している中、日米安全保障条約に基づく安保体制は、我が国の安全保障はもとより、アジア太平洋地域の安定化にとって極めて重要であり、日米地位協定は、この日米安保条約第6条に基づき、日本における米軍の活動や地位、使用する施設や区域等を具体的に取り決めた重要なものであると考えています。 しかしながら、日米地位協定は、例えば沖縄でのヘリコプター墜落事故では、消防、警察も立ち入りができなかったり、あるいは米軍兵士による住宅侵入事件やひき逃げ事件などでは、いまだ起訴前の容疑者引き渡しができないなど、課題もあると考えており、これまでにも部分的な改善が図られたものの、今後引き続き日米で協議すべきものもあると考えておるところであります。 他方、憲法改正の必要性でございますが、従前より申し上げておりますとおり、我が国の憲法には基本的人権の尊重など極めて重要な内容が含まれており、軽々に変えられるべきものではないと思っています。一方で、時代の変化や流れに対応し切れなくなってきており、変更を求められる内容もあるのではないかと思っています。こうしたものにつきましては、改正の必要性も視野に入れまして、国民的な議論を積み重ねていくことが重要だと考えています。 ただ、その際には、これも従前より申し上げておりますとおり、憲法の条文がこれまで果たしてきた役割、意義に鑑み、条文を守るとの立場に立脚した上で、次に、それにもかかわらず、あえてこれを変える必要性について多角的かつ慎重に論じ、国民的議論に付すという多層的かつ重厚な議論を要するものと考えているところでございます。 次に、社会保障と税の一体改革について、まず本県の社会構造の状況及びその状況に対する施策についてお尋ねがございました。 本県の社会構造は、戦後生まれた団塊の世代が高度成長期に大量に都市部へ流出したことなどにより、人口構造が高齢者の多い逆ピラミッド型となりつつあり、生産年齢人口の減少や高齢者の増加は避けがたいものとなっている中、経済面では、県内市場規模の縮小や経済成長の鈍化、社会保障の面では、医療・介護の分野で飛躍的に増大するニーズへの対応とそれに伴う財政負担の問題、さらには地域の支え合いの力の低下などの課題に直面をしております。こうした根本的な課題に対応していくためには、さまざまな施策を積み重ねていくことが必要であると考えております。 これまでも、人口の減少と高齢化が与える影響を考慮し、人口減少により縮小する県内市場に過度に依存することなく外部から外貨を稼いでくる地産外商戦略を中心とする産業振興計画の推進や、日本一の健康長寿県構想に基づき、政策的、意図的に地域の支え合いの力をつくり出そうとする高知型福祉の取り組み、未婚化・晩婚化対策の推進、子供・子育て支援施策の充実などの少子化対策の取り組みを行ってまいりました。 加えて、中山間対策を抜本強化し、地域の見守り活動や地域活性化等の拠点としてさまざまな役割を果たす集落活動センターの取り組みを積極的に展開しますとともに、本年度からは「高知家」プロモーションを展開するなど県外からの移住促進の取り組みも抜本的に強化をしております。 今後とも、県民の皆様が安心して住み続けられる県づくりを目指して、それぞれの施策についてPDCAサイクルをしっかりと回し、毎年度必要な見直しを行い、実効性あるものにブラッシュアップするなど、具体的な成果を積み上げていくことができますよう取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。 次に、社会保障制度改革国民会議の最終報告書を受けて、これに基づく具体的施策のロードマップとなるプログラム法案の骨子が閣議決定されたが、どう評価するのかとのお尋ねがございました。 人口の減少や少子高齢化などに伴う社会構造の変化に対応するため、社会保障制度改革国民会議の報告書の内容を盛り込んだ、今後の社会保障制度改革を推進するための骨子が閣議決定されましたことは、しっかりとした財源に裏打ちされた持続可能な社会保障制度の再構築に向けて、今後の進むべき具体的な方向性が示されたものと受けとめています。 他方、社会保障制度改革は、地方の理解と協力なしにはなし得ないものだと考えておりますので、地方がその役割を適切に果たすためにも、国において、責任を持って必要な財源の確保と、地方への十分な権限の付与等を行うとともに、各分野における改革を進める際には、手順を踏んだ地方との十分な協議を行っていただく必要があるものと考えております。 その上で、分野ごとに申し上げますと、医療制度における国民健康保険につきましては、保険者の都道府県への移行が示されましたが、市町村とともに都道府県が責任を担っていく前提となります財源面での構造的な問題の解決策が依然曖昧なままでありますし、都道府県と市町村の役割分担や保険料の設定などといった制度の根幹となります事項についても検討課題のままとなっております。 医療提供体制のほうでは、医療機関による病床機能報告制度の導入や都道府県による地域医療ビジョンの策定などが検討されておりますが、都道府県に対する十分な財源と権限の付与などを含めて、実効性のある具体策を提示していただく必要がございます。 また、介護保険制度につきましては、要支援者に対する介護予防サービスを市町村事業に段階的に移行するなど、保険者である市町村の役割をこれまで以上に重視した内容となっていますが、マンパワーや財政力の乏しい市町村においても、必要なサービスが確実に実施、提供できるような制度設計を行う必要があります。 最後に、少子化対策では、現在、制度設計に向けて活発な議論が行われています子ども・子育て新システムによる子育て支援策にとどまらず、ライフステージに応じた総合的な対策を講じることが必要でありまして、国策の中心に据えて、抜本的な強化に取り組むための具体策が早急に示される必要があると考えております。 県といたしましても、いずれの分野とも、国と地方が十分な時間をかけて真摯な議論を行い、両者の理解が得られたものについてのみ法制化等の措置が講じられるべき内容でありますので、国と地方の協議の場などを通じまして、引き続き、地方の置かれた実情を踏まえた、しっかりとした意見を主張していきたいと、そのように考えておるところであります。 次に、来年度予算の編成に向けた基本的な姿勢についてお尋ねがありました。 来年度の当初予算編成につきましては、喫緊の課題である南海トラフ地震対策を初めとする5つの基本政策を中心に、課題解決先進県を目指した取り組みをさらにバージョンアップさせながら引き続き重点的に進めていくという基本的な考え方のもと、現在、具体的な編成方針の検討を進めているところであります。 議員御指摘の、事業の選択と集中という観点で申し上げますと、これまでもPDCAサイクルの徹底による事業の見直しに積極的に取り組んできたところでありますが、来年度の当初予算編成に当たりましては、本年度創設しました課題解決先進枠の拡充などによりまして、徹底的な既存事業のスクラップ・アンド・ビルドを行いまして、選択と集中をより重視した予算編成を実現してまいりたいと考えております。 他方、本年8月に閣議了解されました中期財政計画におきましては、地方財政について、経済の再生にあわせ、リーマンショック後の危機対応モードから平時モードへ切りかえを進めていく必要があるとされておりまして、今後、年末の国の当初予算編成に向けて、地方財政について厳しい議論が展開されることも想定されるところであります。 9月に行いました中期的な財政収支の試算におきましては、地方交付税を一定厳しく見込んだ上で、来年度も安定的に財政運営ができる見通しをお示ししたところでありますが、今後の国における地方財政の議論の動向によりましては、本県の来年度の当初予算編成にも大きな影響が生じ得ると考えております。 したがいまして、今後その動向を注視しますとともに、急激な地方財政の歳出抑制や地方交付税の削減により、来年度の地方の財政運営に支障が生じることのないよう、全国知事会などを通じて積極的に国に働きかけてまいりたいと考えているところでございます。 次に、生活者の景況感についてお尋ねがございました。 先月、日本銀行高知支店から出されました高知県金融経済概況では、本県の景気の総括判断は、「下げどまっており、持ち直しに向かう動きも見られる」として、3カ月ぶりに引き上げられました。また、公共工事請負額につきましても、年度初来累計で対前年比23.5%増となっておりますし、7月の新設の住宅着工戸数は対前年比で14.4%増、また、7月の有効求人倍率が過去最高タイの0.76倍になるなど、総じて景気回復の兆しは見えてきつつあるのではないかと受けとめております。 しかしながら、ガソリン価格が高どまりし、また、この9月からは、家庭や商店向けの四国電力の電気料金が平均7.8%値上げされている中で、本県においては、7月の雇用者所得が対前年比0.8%増でありまして、生活者の視点で見れば、まだまだ景気回復が実感できていないのではないかと思っておりますし、また、これは県民の皆様との対話を通じて私自身感じている様子でもございます。 政府におきましては、現在進められております成長戦略をスピード感を持って進め、民間投資を喚起し、雇用と所得の拡大を持続的なものとする経済成長へつなげていただきたいと考えております。 ただ、私は、県としての努力、これも極めて重要であると考えております。過去10年間、国の景気がどれほど上向いても、高知県だけ全く上向くことができなかったという時期を高知県は経験してまいりました。そのときの有効求人倍率は0.4台から0.5台、いかに国が1を上回る状況となっても、これを超えることができなかったわけでございます。外の経済の進捗、それとしっかりつながっていなければ、高知県に経済の成長のその成果を呼び込んでくることはできません。 そうした観点から言いましても、現在、産業振興計画で進めております地産外商、これをしっかりと進めて、外の経済とつながって、外の経済の成長の果実を県内に取り込んでいける、そういう体制をつくっていくことが極めて大事だと、そのように考えております。 現在、有効求人倍率は0.76でございます。一定、地産外商の成果も上がっておるのではないかと思います。しかしながら、たかだか0.76でありまして、まだまだやるべきことは多いと考えております。第2期産業振興計画を全力でもって、この取り組みを進めていきたいと、そのように考えておる次第であります。 次に、消費増税の時期や税率、軽減税率などについての判断、また、増税を実行した場合に懸念される景気の腰折れに対する経済対策などについてお尋ねがございました。 私自身、着実に進行する少子高齢化などの社会情勢の変化に対して、しっかりと財源に裏打ちされた持続可能な社会保障制度を確立するためにも、仮に増税をしなかった場合に想定されます市場の混乱や国債の格下げなどの金融リスクを考慮しましても、消費税につきましては、来年4月から8%に引き上げる必要があると考えております。このことは、全国に先行して少子高齢化が進んでいる本県にとりましても、しっかりとした社会保障制度改革が確立されるという点で、また若い人の暮らしを支えるという点で、飲まざるを得ない苦い薬だと思っております。 一方、回復過程にある景気が消費増税によって腰折れするのではないかとの懸念もありますことから、増税時期の先送りや税率の引き下げ、あるいは軽減税率の導入をといった御意見がございます。 しかしながら、増税時期の先送りにつきましては、先ほど申し上げました金融リスクに加えまして、既に成立しております法律の改正手続が必要となりますし、また、小刻みに消費税率を引き上げていく場合にも、消費税の納税義務者にとって、システムの変更など実務上の多大なるコスト負担が生じるなどといった懸念がございます。 また、軽減税率につきましても、対象とする品目や軽減する税率など調整すべき課題が多くありますことから、本年1月に与党がまとめました平成25年度税制改正大綱にもございますように、消費税率10%引き上げ時に導入することを目指して、十分な議論を行うことが必要だと考えております。 本日政府が取りまとめようとしております経済対策は5兆円規模を上回り、消費増税による痛みの部分を一時的に緩和するための、低所得者向けの現金給付や住宅購入者への給付金制度の創設に加えて、引き続き経済再生を加速化するとともに、企業収益の拡大を図りながら、賃金の引き上げ、雇用の拡大につなげていくための減税措置の拡充などが盛り込まれる予定であります。 私は、消費税増税による家計や経済へのマイナス効果を一定程度緩和するためには、大胆かつ大規模な経済対策を行う必要があるものと考えておりまして、消費増税2%に相当する約5兆円という金額は、必要な規模感だと思っております。 また、まずは消費税率を来年の4月から8%に上げることによって、社会保障制度改革に充当する財源を恒久的に確保した上で、一時的に増税による景気の腰折れを防ぐことを相成り立たせようとしておりまして、この経済対策は、長期的な視点からの社会保障の安定した財源の確保と、痛みの波及を段階的なものとする短期的な経済対策、この2つのバランスをとった一つの知恵ではないかと思っているところでございます。 いずれにいたしましても、消費増税につきましては、県民の皆様にとりましてもさまざまな不安がございますことから、国におきまして経済対策をしっかり実行していただき、低所得者対策はもちろん、雇用と所得の拡大を持続的なものとする経済成長に向けた取り組みを着実に進めていただくことが必要であると考えておるところでございます。 次に、女性の社会参画の課題が経済政策としての成長戦略に位置づけられた意義についてお尋ねがございました。 男女共同参画社会の実現に向けたさまざまな取り組みの積み重ねにもかかわらず、女性の労働力率が30代を底としたM字を描いていることや、管理職に占める女性割合が国際的に見ても低いことなど、我が国では、経済分野で女性がいまだ十分にその能力を発揮できているとは言えません。 近年、人口減少、少子高齢化で労働人口の減少が懸念されている中、日本経済が活性化するためには、潜在的な女性の労働力をいかに活用していくかが重要な課題であります。 例えば北欧諸国などでは、女性の就業率の向上によりまして所得が向上して、出生率の向上につながり、これが生産年齢人口の増加につながるという好循環も生み出されております。さらに、労働力の確保だけにとどまらず、女性の能力発揮や女性ならではの視点の反映が、新たな商品開発や高付加価値サービスを生み出し、そのことが経済の活性化にもつながっていくのではないかと考えられます。 女性の活躍促進が、経済政策との関係でこれほど注目されたことはかつてなく、今回、成長戦略の中核に位置づけられたことは、全国に先行し、人口の自然減や高齢化の進展などにより県内市場がどんどん縮小している本県におきましては、県勢浮揚を目的とした産業振興計画の推進を初めとする5つの基本政策を進めるためにも、さらには人口減少に打ちかつ観点からも、非常に重要な観点だと思っております。 次に、女性の活躍に関して、頑張りたいと思う土佐の女性をどう応援していくのか、お尋ねがございました。 ことしの7月に、県内企業に対しまして、女性の活用に関するアンケートを行いましたところ、女性の約7割が、結婚や出産等の理由で定年前に退職しているとの結果が得られました。また、女性が働き続けるために行政に求めることとしては、保育サービスの充実や、女性を活用する企業への支援などが上位を占めておりまして、女性の活用に向けた環境整備を望む声が大きいことがうかがえます。 こうしたことから、県ではこれまでの取り組みに加えて、働き続けたい、経営や起業にチャレンジしたい、頑張りたいと思う女性が一層活躍できるための、より実効性のある施策が必要ではないかと考えております。 このため、先月開催いたしました庁内の男女共同参画推進本部会におきまして、女性の活躍促進について、従前から実施しております意識啓発などの取り組みに加えまして、さらに踏み込んだ施策を各部局が連携して検討するよう、本部長である私から指示をいたしたところであります。 具体的には、これから来年度予算に向けまして、ワーク・ライフ・バランスの推進、保育や介護サービスの提供、女性の活躍促進に取り組む企業へのインセンティブの付与、管理職等への女性の登用に向けた意識啓発などの既存施策の充実強化に取り組みますとともに、新たに、女性の再就職や起業を支援するための研修の実施、例えば土佐まるごとビジネスアカデミーと連携した起業支援の研修の実施、さらには女性のニーズに応じた就労につながる仕組みづくりなど、こうしたことを検討できないかということを考えておるところでございます。こうした取り組みによりまして、頑張る女性たちをしっかり応援していきたい、そのように考えております。 次に、全国知事会次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーとして、また子育て同盟の一員として、国にどのような少子化対策の提言を行ったのかとのお尋ねがございました。 少子化の問題は、生産年齢人口の減少による経済活動の縮みに加えまして、超高齢化社会の到来に伴う社会保障負担の著しい増大をもたらすなど、我が国の将来に国家的な危機を招きかねない喫緊の課題であると認識をいたしております。 とりわけ、このまま出生率に改善が見られない場合には、2030年には高齢者1人を支える現役世代が現在の2.6人から1.7人に激減をし、さらに2050年代には1.2から1.3人にまで減少するなど、耐えがたい負担をもたらす社会構造になるという推計結果も示されております。気づいたときには取り返しがつかない国家的な危機に陥っていたといった事態を招くことのないよう、直ちに少子化対策の抜本強化を図る必要があります。 こうした強い思いから、7月の全国知事会議の場で、私からは、第1に、この少子化問題を静かに進行する国家的な危機だと捉え、その対策を国策の中心に据えるべきであること、第2に、特に2030年以降、生産年齢人口の減少が加速化することに鑑みれば、今がこの厳しい状況を変えていく最後のチャンスであること、第3に、そのためにライフステージに応じた一連の対策を講じるべきであること、この点を強く訴えました。 さらには、国みずからが取り組む対策に加えて、地方が地域の実情に合った取り組みを迅速に講じていく必要があり、その後押しとなる仕組みとして少子化危機突破基金の創設を求めますとともに、20年、30年後をにらんだ我が国の次世代を担う人づくりを今から着実に推進していくべきであることなどを提言いたしました。 提言内容につきましては、全国知事会において全会一致の決議をしていただきますとともに、私も参加しております子育て同盟の緊急提言にも同様の趣旨が盛り込まれ、8月には全国知事会の代表として、少子化担当大臣や政府・与党の関係者などに直接、子育て同盟とも連携した要請活動を行ってきたところであります。 先般公表されました概算要求には、待機児童解消のための子育て支援策などが盛り込まれておりましたが、ライフステージに応じた総合的な少子化対策を強力に推進していくためには、中身と規模の両面から力不足の感が否めず、全国知事会などとも十分な連携を図りながら、重ねて政策提言活動を行うことを予定しているところでございます。 次に、国家戦略特区に提案したCLT工法について、応募に至った経緯とその内容についてお尋ねがございました。 ヨーロッパなどで急速に普及が進んでいるCLT工法を我が国でも普及していくことで、木材の需要喚起に大きなインパクトを与えることができるとの考えから、国への政策提言を行ってきた結果、国の産業競争力会議でもCLTが取り上げられ、林野庁の来年度概算要求においても目玉事業の一つとされているところであります。 本県においても、高知おおとよ製材など製材施設や木質バイオマス発電所の整備とCLT工法の普及を一体的に進めることで、良質材から低質材まで、森林資源を余すことなく活用できることとなるため、第2期産業振興計画の来年度に向けた林業分野のバージョンアップの大きなポイントとして、CLTの普及を加速化することを挙げております。 この7月には、本県がCLT普及の全国トップランナーとして取り組んでいくためのCLT建築推進協議会を設立し、我が国の木造建築をリードする学識経験者の指導もいただきながら、具体的な建築物を実証フィールドとして、CLT工法普及に向けた検討を始めたところであります。 このCLTを普及していく上ではさまざまな課題がありますが、最も大きな課題として、現時点でCLTを使って建築しようとすると、建築認可を受けるまでに大変な手続と費用がかかってしまうことや、厳しい高さ制限がかかってしまうことなどが挙げられます。これらは、新しい建築資材であるCLTに関しては、まだ建築法令関連の基準がつくられていないことや、厳しい耐火性能が求められることによるものであり、対応が急がれるところでございます。 こうしたCLTに関する基準づくりは国でも始まっておりまして、CLTパネルのJAS規格化は年内に認定される見通しでありますが、既存の工法と変わらない手続と費用で建築認可を受けられるようになるまでに、また、CLTで中高層の建築が可能となるまでには、通常のペースでいくと、まだまだ長い期間がかかることが予想をされます。 そこで、日本産業再興プランにおける重要テーマとしてCLTを取り上げていただくことで、国において集中的に基準づくり等に取り組んでもらい、CLTの普及ができるだけ前倒しとなるよう、国家戦略特区に応募することといたしました。 応募の内容としましては、ただいまお話ししましたように、CLTの建築法令に関する基準づくりや、高さ、面積に関する制限の見直しを加速化すること。そのために、建築事例や推進体制の面で、全国のトップランナーとしてCLT建築に取り組んでいる高知県と密接に連携をすること。国との役割分担のもとに、高知県で行う実験や実証モデルとなる建築に対して財政支援を行うことなどを提案いたしております。 特区に採択され、提案内容が実行されることによりまして、CLTに関する基準づくりなどが前倒しで進めば、7年後に開催される東京オリンピックの選手村など関連施設もCLTでの建築が可能となり、CLTの普及にも弾みがつくものと期待をいたしております。 次に、地域精神医療支援プロジェクトの具体的な内容について、高知大学医学部との協議状況を含めてお尋ねがございました。 地域精神医療支援プロジェクトでは、中長期的な精神科医師の確保対策として、日本一の健康長寿県構想が目指す姿を念頭に、高知大学医学部神経精神科学講座のもとで、本県における精神科医療の実情や必要性を反映した研修活動などに取り組んでいただくこととしております。 活動内容の詳細について、現在、大学側と協議を進めているところですが、その柱、方向性については、まずは中山間地域を数多く抱え、自殺死亡率が全国平均を大きく上回る本県の実情に鑑み、自殺予防対策の強化、推進を図ることとしております。 具体的には、地域自殺対策--これは仮称でありますけれども、こういったカリキュラムを設け、自殺予防に効果的な地域連携システムの講義や、初期研修医を対象に、かかりつけ医と専門医との連携研修を行いますほか、高知大学医学部附属病院におきまして、救急搬送された自殺未遂者の急性期治療や多職種を介した長期ケアについての教育などが行われる予定であります。 次には、南海トラフ地震などに備えるための災害時における心のケア対策の強化、推進を図りたいと考えております。被災者が発症しやすいと言われる心的外傷後ストレス障害、いわゆるPTSDについて、既存講座の強化を図るため、学生に最新の脳科学研究に基づく予防・治療法の教育を実施するとともに、希望者が国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所などでの専門的な研修が受けられるよう連携を図ることなどを検討しております。 さらには、児童・青年期におけるひきこもりの予防や自立支援対策につきまして、高知医療センターなどでの実習を通じて、ひきこもりと自閉症障害や小児鬱病との鑑別を行う教育を実施するほか、こうち若者サポートステーションなどが行います自立支援活動に参加する体験研修プログラムの企画などが検討されております。 このほかにも、精神科医師としてのモチベーションが高まる充実した教育カリキュラムとして盛り込む必要のある講義などにつきまして、大学側との協議を重ねまして、来年1月からのプロジェクト実施を目指してまいりたいと考えているところでございます。 次に、シキボウ跡地に高知市北消防署の新設と高知赤十字病院の移転を検討するに至った経緯と今後のスケジュールについてお尋ねがございました。 北消防署につきましては、高知市から、市北部の人口増や市域拡大に対応する消防機能を強化するとともに、大規模災害発生時の救助活動や県外からの支援部隊の受け入れを行う防災拠点とするため、秦南団地への立地の御要望をいただいておりました。この消防署は、防災の拠点となる重要な施設となりますことから、新たな津波浸水予測を踏まえ対応を検討することとしておりました。 また、高知赤十字病院からは、現病院の老朽化、狭隘化に加え、現在の病院周辺が長期浸水エリアであることなどから、建てかえの候補地として秦南団地への立地の御要望をいただいておりました。 こうした中、新たに公表しました南海トラフ地震の津波浸水予測では、秦南団地周辺は最大クラスの地震が起き、堤防が機能しない最悪の場合の想定でも60センチ程度の一時的な浸水にとどまり、8時間程度で水は引き、長期浸水にならないことが示されております。 他方、本年5月に公表しました被害想定では、最大クラスの地震・津波が発生した場合、防災・減災対策をしっかりと講ずることにより、大幅に被害を軽減することが可能であるものの、最悪の場合、県全体では死者数は約4万2,000人、負傷者数は約3万6,000人と想定されるなど、非常に厳しい被害の状況が示されております。 このような多数の負傷者に対応していくために、高知赤十字病院には、県内全域からの負傷者を受け入れる広域的な災害拠点病院として役割を果たしていただかなくてはなりません。秦南団地は、先ほど申し上げましたとおり、長期浸水エリアにはならず、また大規模災害発生時にも、高知インターチェンジを利用して県内各地から患者を搬送することが可能な位置にあり、県外からの救助隊や支援の受け入れを想定した場合の利便性も高いと考えております。 加えて現在、高知赤十字病院は、第3次救急医療機関として、県内全域から重篤な救急患者を受け入れておりますため、今回の整備に当たり、ヘリポートの設置が可能となれば、救命救急機能の向上も図られるものと考えておりますし、高知赤十字病院と消防署が隣接することで、連携がさらに促進されることも期待しております。 こうしたことから、南海トラフ地震に備え、県民の皆様の安全・安心を確保するとともに、平時の消防機能と救命救急機能の強化を図るため、秦南団地に高知市北消防署と高知赤十字病院を整備することが最適であると判断し、8月26日に開催しました高知県・高知市連携会議において、この案を前提に具体的な検討を進めることになったものであります。 今後は、高知市、高知赤十字病院と連携しながら、住民の皆様に御理解いただけますよう整備の必要性等を丁寧に説明してまいりますとともに、議会や関係者の皆様から御意見をいただきながら、今年度内には基本的な利活用の計画案を取りまとめ、お示ししたいと考えております。 整備スケジュールとしては、現在のところ、北消防署は平成29年4月ごろの開署が予定をされております。また、高知赤十字病院は、順調に進めば平成31年4月ごろに開院することが可能ではないかとお聞きをしているところでございます。 次に、道路の整備についてお尋ねがございました。 秦南団地に高知市北消防署と高知赤十字病院が整備されますと、周辺道路の交通量の増加も想定されますことから、県と市で新たな道路の整備について検討をしております。高知市9月議会におきまして、現在の交通量の調査と将来の交通量の予測や、それらを踏まえました新たな道路計画の検討のための補正予算が承認されたところでございます。 高知市からは、新たな道路計画について、交通量等の調査結果も踏まえ、高知赤十字病院、イオンモール高知や警察などの関係機関と協議を行い、できるだけ早い時期に周辺住民の皆様の御意見をお伺いし、平成26年度に都市計画決定を行う予定であるとお聞きをしております。 県としましても、北消防署と高知赤十字病院の立地により、周辺交通に支障を生じさせず、また緊急車両の出入りが円滑に行われるためには、高知赤十字病院が開院するまでに道路の整備が一定進捗している必要があると考えております。事業を進めるための整備手法やスケジュールなどにつきまして、高知市と連携しながら検討を進めてまいります。 次に、シキボウ跡地へ移転する病院を利用しやすくするために、公共交通をどのように考えているかとのお尋ねがございました。 まちづくりや新たな拠点整備、特に商業施設や病院といった、いわゆる集客施設を整備する際には、公共交通などの交通アクセスについても検討を加えることが大変重要となってまいります。 お話にありました路面電車の延伸につきましては、イオンモール高知の開業当時に検討した際、多額の初期投資が必要であり、また費用対効果の面からも事業化は困難であると判断した経緯がございますが、シキボウ跡地へ高知赤十字病院が移転することになれば、人と車の流れが大きく変化することが予想されます。 このため、今後、移転予定先のシキボウ跡地への交通アクセスにつきましては、高知市が実施します交通量調査やまちづくりの観点なども踏まえた上で、高知市や交通事業者とともに、効率的でかつ利用者にとって利用しやすい公共交通の形を検討してまいりたいと考えております。 次に、高知赤十字病院の跡地の活用についてお尋ねがございました。 秦南団地の高知赤十字病院の整備の必要性につきましては、先ほど申し上げたとおりでございますが、他方、周辺住民の皆様からは、高知赤十字病院の移転後の跡地等について心配する強い声をいただいております。現在の高知赤十字病院の所在地域の住民の皆様を初め、関係の皆様方には、なぜに移らなければならないのか、そして移った先でどういうことをしようとしているのかということについて、丁寧に御説明をさせていただいて、御理解を得ながら取り組みを進めていくことが大事だと考えております。 このため、先月28日には、病院周辺の住民の皆様にお集まりをいただき、高知赤十字病院とともに説明会を開催させていただき、高知赤十字病院の秦南団地への整備の必要性について御説明をさせていただくとともに、住民の皆さんの御意見や御要望もお聞かせをいただきました。住民の皆様からいただいた御意見や御要望も踏まえ、今後、高知赤十字病院や高知市とともに、跡地の利用について検討してまいりたいと考えております。 次に、土佐電鉄外部調査委員会の報告書での厳しい指摘についてのお尋ねがございました。 外部調査委員会の報告書では、法令や社会規範の遵守といったコンプライアンス上の問題点にとどまらず、その背景として、企業経営を管理統制する仕組み、いわゆるコーポレート・ガバナンスの欠如が厳しく指摘をされております。県としましては、今回の一連の問題により、高い公共性が求められ、県民の足となる生活路線を維持する役割を担う企業において、組織、経営体制上の問題が厳しく問われている事態は、重く受けとめる必要があるものと考えているところでございます。 次に、土佐電鉄の信頼回復に向けた取り組みの評価と、凍結している予算の扱いについてお尋ねがありました。 去る9月24日に開催をされた中央地域公共交通再構築検討会では、土佐電鉄から、一連の問題に対する外部調査委員会の提言を受けての再発防止に向けた取り組み状況について報告がありました。 土佐電鉄では、これまで十分でなかった関連規程の整備に加えて、ガバナンス強化策の一つとして、土佐電鉄のグループ会社全体から選抜した中堅職員から成る経営改革委員会を立ち上げております。経営陣は、この経営改革委員会及び外部有識者との定期的なミーティングを行う中で提言を受けながら、風通しのよい形での経営改革を進めていくこととしたとの報告を受けております。 また、コンプライアンス経営を実現させるため、土佐電鉄のグループ会社全体を管轄するコンプライアンス担当取締役直轄のセクションを置くとともに、外部調査に直接かかわった弁護士と会計士の方が入ったコンプライアンス諮問委員会も発足させ、コンプライアンス体制の構築と強化に取り組むことにしたとの報告も受けております。 このように、再発防止に向けた取り組みが動き出したことは、一定の評価をしております。今後は、会社みずからが新たに設けた組織や仕組みをどういった形で動かし、どう変わってきたか、こうした動きがより具体的な形でコンプライアンスやガバナンスの確立につながっていくかを見きわめていく必要があると考えております。 凍結予算の扱いにつきましては、今後の会社の取り組み状況の報告や、中央地域公共交通再構築検討会での意見、評価を踏まえた上で、しかるべき時期に県としての判断をお示ししたいと考えております。 最後に、中央地域の公共交通の再構築について、持続可能性の追求とあわせて、利用者にとって望ましい姿を実現するため、幅広い視点で抜本的に取り組むことが重要ではないかとのお尋ねがありました。 本県の公共交通は、人口の減少や自動車の利便性の高さといったことから、利用者の減少に歯どめがかからず、路線の維持はもとより、運行事業者の経営自体も大変厳しい状況となっており、将来にわたって県民の皆様の足を確保する対策の検討、実施が喫緊の課題となっております。 特に中央地域においては、これまでも幾度か公共交通のあり方や活性化策について検討を行ってまいりましたが、解決すべき課題の大きさから、現在まで抜本的な対策を実施するには至っておりません。 今回の中央地域公共交通再構築検討会は、交通事業者の経営状況の厳しさや、増嵩する県民負担等を背景に、公共交通の維持、存続に対する強い危機感を共有する行政、金融機関、交通事業者など、直接的にかかわりを持つ関係者がそれぞれの役割をしっかりと果たすという思いを持って立ち上げたものであります。積年の課題であったこの問題に、将来を見据えて真正面から取り組むことができるものと期待をしております。 県といたしましては、中央地域の公共交通が将来に向けて持続可能で、県民負担の抑制につながることはもとより、利用者の皆さんにも利用しやすくなったと言っていただける公共交通の実現を目指すことが重要だと考えております。そういった観点から、検討会では、子育て世代の方や学生の方、さらには御高齢の方など、県民の皆様のみならず、県外からの観光客にとっても利用しやすい、そしてその結果、多くの方に利用されるがゆえに持続可能な公共交通ネットワークとなるとの姿を目指してしっかりと検討を行っていただき、望ましいまちづくりの実現につながるよう取りまとめてもらいたいと考えているところでございます。 私からは以上でございます。   (危機管理部長高松清之君登壇) ◎危機管理部長(高松清之君) まず、日米共同統合防災訓練の内容についてのお尋ねがございました。 今回の防災訓練につきましては、中国四国防衛局から9月6日に説明があり、南海トラフ地震を想定し、本県において津波被害に伴う海上捜索、救難、患者搬送の訓練及び孤立地域への物資等の搬送の訓練を行うこと、訓練にはオスプレイなどを使用する予定であること、訓練場所としては、土佐清水市の航空自衛隊土佐清水分屯基地、香南市の陸上自衛隊高知駐屯地、室戸市の中央公園及び海上の艦船を予定しているとのことでございました。 その際の説明では、訓練やオスプレイに関する安全性の確認ができなかったことから、9月19日に防衛省に対しまして、県及び関係する室戸市、土佐清水市、香南市との連名で、訓練の安全性の確保などに関する要請を行ったところであります。 これに対しまして、けさ、先ほど、防衛省から回答がありましたが、その主な内容は、今回の訓練にはオスプレイが2機参加する予定であること、オスプレイの運用に当たっては、日米合同委員会での合意を遵守することを基本とし、飛行経路は努めて洋上を飛行すること、また、土佐清水分屯基地、高知駐屯地とも南の海上からアプローチした上で、人口密集地域や学校、病院の上空を避け、山の稜線または川沿いの上空などを飛行し着陸すること、そして、飛行モードの転換についても努めて洋上で実施することなど、安全性に対して配慮されたものとなっております。 なお、訓練の具体的な日時や訓練内容の詳細は、後日改めて説明があると聞いておりますので、その際には、訓練の安全性について重ねて確認をしていきたいというふうに考えております。 次に、高知市北消防署と赤十字病院が隣接して立地した場合、防災拠点施設としての相乗効果が大いに期待されるが、高知市とどのように協議し、施設や設備に対してどのような支援を行っていくのかとのお尋ねがございました。 北消防署の整備は、高知市における人口の増加や合併に伴う消防需要の変化や、南海トラフ地震など大規模災害への対応の強化を図るために、市が進めています消防署所の再編整備の一つとして行われるものであります。 この再編に向けた動きの中で、北消防署と赤十字病院が隣接することによりまして、災害や事故が発生した場合には、例えば消防隊員と医師が一緒に現場へ出動することによって、効果的な救助や救急医療の実施につなげることができるようになるものと考えられます。また、日ごろから、救急救命士や救急隊員が医師からの指導や病院での実習などを受けやすくなるなど、消防と医療との連携の強化が進むものと思います。 北消防署の施設整備につきましては、高知市では合併特例債を活用する予定だとお聞きしていますが、県といたしましても、高知市が今後、基本構想等を策定する中で、消防と病院が南海トラフ地震など広域的で大規模な災害に向けてどのように連携していくかという点や、消防署として備えておくべき機能などについてもお伺いをしながら、支援策を検討していきたいと思います。 なお、東日本大震災では、緊急車両や災害対応車両などの燃料不足が大きな課題でありましたことから、今後、燃料の確保を進めていくことが、本県にとっても重要となってまいります。 高知市からは、北消防署には、非常時に備え燃料の貯蔵施設を整備することを検討しているとお聞きしておりますので、県といたしましてもこれにあわせて、県外からの緊急消防援助隊や警察の広域緊急援助隊、緊急物資輸送などの車両用の燃料を確保するための施設整備について、高知市と協議をしていきたいというふうに考えております。   (健康政策部長山本治君登壇) ◎健康政策部長(山本治君) まず、高額療養費の自己負担限度額の見直しについてお尋ねがありました。 社会保障制度改革国民会議の最終報告においては、負担のあり方を年齢別から能力別に切りかえることになっていますが、医療保険の負担については、年齢により制度的に差を設けていますのは、患者本人の負担だけになっています。 現行でも、高額療養費の自己負担限度額は所得により区分されていますが、負担能力に応じた負担の観点から、所得区分をよりきめ細やかな対応が可能となるよう見直しされることになっています。70歳から74歳の、現役並みの所得がある高齢者においても、限度額を据え置く層と引き上げる層に細分化されることになっています。 今回の見直しは、低所得者の方にも配慮し、全体としては充実させるものですが、所得区分がさらに細分化されることは、応能的な負担の要素をさらに強めることになりますので、保険料負担とをあわせて考えますと、高所得者の納得と制度の信頼を損なわないように行われる必要があります。 高額療養費の所得区分の見直しは、今後、社会保障審議会医療保険部会で議論されますが、あわせて国と地方の協議も行われますので、その動向を注視してまいりたいと考えています。 次に、国保料に関しまして、県内の市町村格差や、県が国保の運営主体となったときの納付額、市町村の保険料徴収業務に対するモチベーションについてお尋ねがありました。 平成24年度の介護納付金分を除いた1人当たりの年間保険料は、馬路村が最も高く9万2,000円、また、仁淀川町が最も低く4万5,000円で、およそ2倍の格差があります。 保険者が都道府県に移行したときの保険料について、国民会議においては、市町村の医療費や収納率によって差が出てくるのは自然であり、一律にすれば、市町村が意欲をなくすといった議論がなされており、最終報告では、市町村の保険料収納や医療費適正化へのインセンティブを損なうことのない、分権的な仕組みを目指すこととされています。具体的には、医療費が高く、収納率が低い市町村は保険料が高くなりますが、このような市町村は標準の保険料に近づける努力をされることが期待されます。 国保の運営のあり方については、来年度から議論されることになっていますが、プログラム法案の骨子においても、保険料の適正化の取り組みを推進することが示されており、市町村が保険料の収納や医療費適正化に意欲が持てるような仕組みになるものと考えています。 次に、医療保険制度の見直しへの対応についてお尋ねがありました。 70歳から74歳までの方の医療費の自己負担割合の見直しは、新たに70歳になった方から段階的に自己負担を1割から本則の2割に戻すもので、これまで3割負担であった個々の被保険者にとっては負担が増加しないようにされています。 高額療養費の自己負担限度額の見直しは、財政中立ではなく、70歳未満も含めて、全体では低所得者などに配慮して充実させる方向で検討されていますので、本県にとりましては好ましいことではありますが、他方で給付費の増加による保険料負担の増加など、国保への影響を注視していく必要があります。 次に、国保保険者の都道府県への移行につきましては、先ほど知事からお答えしましたように、構造的な問題の解決策が依然曖昧なままで、十分議論が尽くされたとは言いがたい状況です。また、都道府県と市町村の役割分担、保険料率の設定など、制度の骨格となる事項について十分検討する必要があります。 医療保険制度の見直しにつきましては、住民生活を初め都道府県や市町村に大きな影響を及ぼすおそれがありますことから、丁寧かつ継続的な議論を進め、地方の理解を得たものについて法制化などの措置を講ずるよう国と地方の協議の場などを通じて国に求めてまいります。 次に、乳幼児健診の受診率と雇用環境の関係についてお尋ねがありました。 乳幼児健診は、病気を早く見つけ治療につなげるとともに、子供の成長や発達を総合的に確認する大変重要なものですが、残念ながら本県の受診率は全国最下位となっています。 そこで、本年度、乳幼児健診の受診満足度や未受診理由を調査する目的で、保護者の方へアンケート調査を実施いたしました。現在、調査結果の集計、分析を行っているところですが、未受診理由では、1歳6カ月児、3歳児ともに、仕事があり、平日に休めないという理由が最も多くなっています。 このため、本年12月からは、日曜健診を既に実施している高知市を除く全市町村と県が共同で、1歳6カ月児と3歳児の未受診児を対象とした広域による健診を日曜日に実施する予定で準備を進めており、平日に仕事をされている保護者の方に受診機会を提供したいと考えています。 また、商工労働部が行っています次世代育成支援企業認証制度の認証要件に、次世代育成支援のための休暇制度についての項目がありますが、本年8月には、乳幼児健診の受診等を例示の中に入れるなど、さらに県内企業への理解の促進を図っています。 今後も受診しやすい環境づくりに努めるとともに、乳幼児健診の意義や必要性について、保護者の方はもちろんのこと、県民の皆様にも広く御理解いただけるよう啓発活動の強化など、受診率向上に努めてまいります。 次に、高知赤十字病院の移転における高知市北消防署との相乗効果について、高知市とどのように協議し、施設や設備に対してどのような支援を行っていくかとのお尋ねがありました。 高知赤十字病院は、地域医療支援病院として、また、がん診療連携拠点病院など主要な疾病の治療に当たる拠点として、地域医療を支えていただいています。特に、重篤患者に対する第3次救急医療の提供など、救命救急センターとして重要な役割を担っていただいているところです。また、災害時には、県内全域から負傷者を受け入れ、広域的な災害拠点病院として、あわせて災害派遣医療チームを有するDMAT指定医療機関として、医療救護活動の中心的な役割を担っていただくことを期待しているところです。 今回の移転によりまして、広域的な災害拠点病院としての機能強化が図られることになりますし、高知市北消防署と隣接することによりまして、先ほど危機管理部長が答弁しましたような医療と消防との連携の強化が図られるものと考えています。 県は、これまで高知赤十字病院に対し、国の助成制度を活用しながら、本館、南館の建設に対する支援などを行ってまいりました。今回の移転に当たりましても、高知赤十字病院が担う役割を踏まえながら、国の助成制度の活用を含めた県として必要な支援を考えてまいりたいと思っていますが、どのような支援ができるかにつきましては、今後、日本赤十字社の考えもお伺いしながら検討してまいりたいと考えています。 なお、基本構想の策定に当たりましては、災害時はもちろん、平時においても両施設が相乗効果を発揮できますよう高知市とも十分な調整を行いながら進めていただきますよう、お願いをしてまいりたいと考えております。   (地域福祉部長井奥和男君登壇) ◎地域福祉部長(井奥和男君) まず、社会保障制度改革における介護保険制度の見直しについて、今後どのように対応するのかとのお尋ねがありました。 今回の介護保険制度の見直しにおいては、要支援者に対する介護予防サービスの段階的な市町村事業への移行や、在宅医療と介護の連携強化、あるいは認知症高齢者を地域で支える仕組みづくりなどといったサービスの提供のあり方の面からの見直しが示されております。その背景には、今後、都市部において急速に高齢化が進むことなどがあり、こうした見直しが、結果としてサービスの効率性のみを追求するような形での見直しにつながるのではないかと危惧されるところです。 県といたしましては、こうした見直しを進める際には、マンパワーと財源の両面から、大変厳しい状況に置かれる市町村が数多く生じることも想定した上で、見直しが地域間のサービスの格差に決してつながることのないよう格段の配慮を行う必要があるものと考えています。 このため、今後具体的な制度設計が進む中で、利用者負担のあり方や保険料の問題などを含めて、国と地方が十分な協議を行う必要があるものと考えており、全国知事会などとも連携を図りながら取り組みを進めてまいります。 あわせて、県内の市町村においては、今回の見直しが実施される予定の平成27年度からスタートします第6期介護保険事業計画の策定準備に取りかかる時期を迎えておりますので、各市町村への最新の情報提供に努めますとともに、ブロックごとの意見交換会を開催するなど、市町村と連携した取り組みを強化してまいります。 次に、結婚支援の取り組みについてのお尋ねがありました。 県では、少子化の大きな要因の一つとなります未婚化、晩婚化への対策といたしまして、結婚を望みながらも出会いの機会が少ないことにより結婚に至らない、独身者の多様なニーズに応えるための出会いの場の提供に積極的に取り組んでおります。 具体的には、平成19年度から、独身者が出会うイベントを開催する市町村や非営利団体などへの助成を行いますとともに、平成21年度からは県主催の交流会を開催いたしております。こうした取り組みを通じまして、県下の各地でさまざまな出会いのイベントが数多く開催されるようになりました。 また、平成22年度からは、独身者のお引き合わせなどを行っていただく婚活サポーター制度を開始し、現在、22市町村で92名の方に御活躍をいただいております。 しかしながら、事業を始めて6年が経過し、成婚というこの事業が本来の目的とする目に見える形での成果につなげてまいりますためには、これまで以上に独身者のニーズに応じたきめ細やかな対応が必要になってまいります。 このため、独身者が出会いの場に求めるニーズの的確な把握を行うための仕組みづくりや、出会いから交際、成婚につなげるためのコミュニケーション力などを磨く研修会の開催、あるいは婚活サポーターの交流や情報交換の場の設置といったサポーター活動の充実強化などに取り組む必要があるものと考えております。 なお、コミュニケーション力などを磨く研修につきましては、県主催の8月の出会いのパーティーにおいて、試行的に事前講座を実施しましたところ、参加者からは大変好評で、パーティーにおいて、お互いを思いやる和やかな雰囲気の中での交流が図られ、多くのカップルが誕生いたしております。 次に、県内の若い夫婦が安心して子供を産み育てる環境を醸成するための子育て支援策と、男性の育児参加の普及、奨励についてのお尋ねがありました。 県では、女性の労働力率が高く共働き世帯が多い、核家族化が進み3世代で同居する世帯が少ないなどといった本県の地域特性も踏まえ、働きながら安心して子育てができる環境づくりと、子育てに不安感などを持つ家庭への支援策を中心に、子育て支援の取り組みを進めているところです。 働きながら子育てを行う家庭に対しては、保護者の方々の多様な働き方に対応できるよう、延長保育や病児・病後児保育、あるいは放課後子ども教室や児童クラブを活用した、放課後の学びの場の充実や確保に向けた子育て支援策に取り組んでおります。あわせて、子育てしやすい職場環境づくりに積極的に取り組む企業を次世代育成支援企業として認証する制度の普及や促進にも取り組んでいるところです。 一方で、核家族化が進み、子育てに不安感などを抱く母親などがふえます中で、こうした家庭への相談支援機能の役割を担います市町村設置の地域子育て支援センターに対し、職員の能力向上に向けた研修の実施や施設改修などへの支援を行ってまいりました。しかしながら、本県にはセンターのない町村もあることから、国に対する補助対象の拡充などの要望とあわせて、こうした地域においても、他の市町村と同様のサービスが受けられる支援のあり方についての検討も深めてまいりたいと考えております。 また、男性の育児参加の普及、奨励に向けましては、企業を対象とした子育て出前講座や、子育て中の保護者の方々を対象に子育て応援セミナーを開催するなど、その機運の醸成に努めてきたところです。しかしながら、男性の育児参加につきましては、育児休暇の取得率などを見ましてもまだまだ普及していない状況にあり、男性が育児に参加できる環境整備を進めるためには、企業と行政が一体となって取り組みを進める必要があります。 このため、平成26年度までの時限立法である次世代育成支援対策推進法の恒久化などを、全国知事会などとも連携して国に要望いたしますとともに、県といたしましても、これまで以上の普及啓発に努めていく必要があるものと考えております。   (総務部長小谷敦君登壇) ◎総務部長(小谷敦君) 13カ月予算の普通建設事業費の効果と発注状況等についてお尋ねがございました。 今議会に提案しております平成25年度9月補正をお認めいただきますと、平成24年度3月補正予算を加えた、いわゆる13カ月予算ベースでの普通建設事業費は、議員御指摘のとおり1,151億円となります。過去の9月補正後予算と比較しましても、平成21年度以来4年ぶりに1,000億円を超えており、昨年度の854億円を大きく上回る規模となっております。 市町村に対する補助事業などを除いた、県が直接行う普通建設事業費の発注率につきましては、9月末時点で前年度の56.3%に対しまして56.9%、12月末時点でも前年度の72.5%に対して76.2%と、いずれも前年度を上回る見込みであり、順調に推移していると考えております。 また、発注額につきましては、9月末時点で前年度の477億円に対して659億円、12月末時点でも前年度の636億円に対して887億円と、前年度を大きく上回る見込みとなっております。 ことしの4月から7月までの県内の建設業の月別の新規求人数も増加傾向にあり、月平均値が昨年度の月平均値296人を上回ります334人となっていることなどを踏まえましても、13カ月予算ベースでの大規模な普通建設事業費が経済効果を生み出しているものと考えております。 今後も引き続き、県内への経済効果の波及を常に念頭に置きながら、切れ目のない事業執行に努めてまいりたいと考えております。   (商工労働部長原田悟君登壇) ◎商工労働部長(原田悟君) まず、本県の正規職員、非正規職員と男性、女性別の割合についてのお尋ねにお答えいたします。 平成24年就業構造基本調査によりますと、高知県の役員を除く雇用者数28万4,200人のうち、正規職員は63.2%、非正規職員は36.8%となっています。また、雇用者数を男女別の割合で見ますと、男性は50.2%、女性は49.8%と、ほぼ同数となっています。 さらに、男女別に正規職員と非正規職員の割合を見てみますと、本県の男性雇用者に占める正規職員は77.1%、非正規職員は22.9%、同じく女性雇用者に占める正規職員は49.2%、非正規職員は50.8%となっており、男性に比べ女性のほうが非正規職員の割合が高くなっております。 次に、起業支援型地域雇用創造事業の執行見込みと今後の取り組みについてのお尋ねがありました。 起業支援型地域雇用創造事業は、平成24年度の国の補正予算による経済対策として、本県に19億円余りが交付され、平成25年度から事業を実施しております。この事業は、民間の事業者や失業者を雇用し、新たな事業を起こす際に、その人件費などを支援しますことで、地域の安定的な雇用の受け皿を創出しようとするものです。 現時点での事業の採択状況ですが、既に採択済みの82件に、9月以降に計画が見込まれております26件を含めまして、合わせて108件、約13億円の事業の実施を見込んでおります。 この事業は、25年度中に開始しますと、最大で1年間継続して事業に取り組むことができますので、できるだけ多くの県内事業者の皆様に積極的に活用していただき、地域の産業振興や雇用創出につなげていきたいというふうに考えております。 そのためには、まず、より多くの皆様にこの事業を知っていただくことが大切ですので、新聞等による広報に加え、金融機関や商工会、市町村などとも連携した制度の周知を図ってまいりました。現在も、各種団体の会合や企業訪問の機会に積極的にPRを続けており、こうした広報活動によりまして、日々の相談もふえてきております。 引き続き、広く事業の一般公募も行ってまいりますし、さらに市町村や事業者を直接訪問するなど、事業の周知徹底を図ることで当該予算を無駄なく有効に活用してまいりたいと思っております。 次に、高知地方最低賃金審議会の労使の議論の状況についてお尋ねがございました。 高知県の最低賃金は、労働者の生計費や賃金の実態、また、事業者の賃金支払い能力などを考慮した上で、中央の審議会から示される目安も参考にしながら高知地方最低賃金審議会が審議し、高知労働局長に答申することになっております。 平成25年度の本県の審議会での議論につきましては、まず労働者側からは、非正規労働者は過去に比べて、現在では主たる生計の担い手が多く占め、最低賃金の重要性が増大しているといった意見や、現在の最低賃金と労働者の実際の生計費との格差を指摘する意見などが出されております。 一方、使用者側からは、アベノミクスの政策効果は中小零細企業には及ばず、逆に原材料費などの高騰による影響が顕在化しており、最低賃金引き上げの環境は整っていないといった意見や、海外リスク要因や消費税の引き上げ等による景気の方向性が不確実な中で、賃上げのみが先行することを懸念する意見などがあったとお聞きしております。 このような労使の主張を踏まえ、公益委員からは、本県の経済状況、賃金水準などに加え、パートタイム労働者の増加などの社会経済情勢や企業の経営実態への影響などを総合的に勘案し、時間額で12円の引き上げという案が示され、その案に沿って高知労働局長に答申がなされております。これに基づき、高知労働局長は、高知県の最低賃金を12円引き上げ664円と決定し、今月26日から適用することとしております。 最後に、妊娠を理由とした、いわゆるマタニティーハラスメントが増加しているのではないかとのお尋ねがございました。 平成24年度に高知労働局に寄せられました、妊娠、出産等を理由とした不利益な取り扱いに関する女性からの相談件数は10件となっており、前年度より5件増加しております。また、23年度にはなかった労働局に対する紛争解決援助の申し立ても、平成24年度は2件なされており、議員御指摘のとおり、マタニティーハラスメントは増加傾向にあると考えています。 主な相談内容は、退職へ誘導された、業務を軽減してもらえないといった切実なものでございまして、女性の就労支援、雇用の確保といった観点から、このようなハラスメントを生じさせない環境づくりが重要であると認識しております。 県としましても、専門の相談機関であります高知労働局雇用均等室と連携しながら、企業向けに実施していますセミナーや、県内1,000社を超えます企業に配布しております広報誌などを通じまして、ハラスメントのない職場づくりに向けた意識啓発などに、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。   (農業振興部長杉本雅敏君登壇) ◎農業振興部長(杉本雅敏君) 新規就農者の定着に向けた課題や対策についてお尋ねがございました。 新規就農者の確保対策としましては、東京、大阪でのこうちアグリスクールを初め、さまざまな機会を捉え、まずは本県農業に関心を持ってもらい、本県での就農につなげてまいりました。 また、就農準備期間の2年間、そして就農後の5年間は、生活を支えるための給付金を給付するなど、きめ細かな対策も実施してまいりました。その結果、就農後5年間の定着率は95%と高い水準を保っておりますし、本年度の新規就農者は263名と過去最大となったところでございます。 また一方、課題といたしましては、新規就農者を受け入れ指導してくださっている農業者の方々にお聞きをいたしますと、もう少し技術力を高めた上で就農してほしいとか、農地やハウスの確保が難しいなどといった声をいただいております。 そのため、四万十町にあります農業大学校の研修課の研修カリキュラムを見直しまして、就農前の技術力及び経営力を高めていくよう研修内容を充実させたいと考えています。また、農地やハウスの確保につきましては、市町村やJAなどと連携した情報の提供が大変重要となってきますので、農業大学校研修課の新規就農者と産地とのマッチング機能、これの強化を図ることによって、これらの課題を解決してまいりたいと考えております。このような取り組みも含めまして、より多くの新規就農者の確保と定着につなげてまいりたいと考えています。   (産業振興推進部長中澤一眞君登壇) ◎産業振興推進部長(中澤一眞君) まず、新規就農者の定着に向けた移住政策上の課題や対策についてお尋ねがございました。 本県への移住を検討される方の中には、就農を希望される方もいらっしゃいますので、これまでも県外で開催する移住相談会には、就農に関する相談ブースを設置して対応しておりますほか、県の移住相談窓口に就農に関する相談に来られた場合には、新規就農相談センターと情報を共有するなど、連携したサポートに努めております。 また、官民で協働して移住促進に取り組むため、今年度新たに立ち上げました高知県移住推進協議会には、農業分野からも参画をいただきまして、就農を希望される方々への具体的な支援スキームを整理して、サポートを充実することを決定いただいたところです。 さらに、この8月に運用を始めました、本県オリジナルの幸せ移住パッケージシステムにおいても、仕事や住む場所などとともに、農地の情報や就農に関する支援策などの情報も提供をいたしております。こうした事前の情報提供やコーディネートを行うことによりまして、移住して新たに就農しようとされる方が安心して移住をし、円滑に就農していただけるよう努めているところでございます。 一方で、移住をされました方が安心して住み続けていただくためには、何より地域とつながり、地域になじんでいただくことが大切だと考えています。このため、移住者の身近な相談役となっていただく地域移住サポーターに数多くの方に就任をいただきますことや、先輩移住者や地域の住民の皆さんとの交流の機会を設けることなどにも取り組んでいるところでございます。 次に、まるごと高知の本年度の売り上げ目標の達成に向けた意気込みについてお尋ねがございました。 この8月に3周年を迎えましたまるごと高知につきましては、他の自治体のアンテナショップとは一線を画す首都圏での外商活動の拠点として、設置以来、店舗での販売、飲食にとどまらず、情報の発信や県産品の販路開拓、販売拡大に取り組んでまいりました。 この間、情報発信の広告換算は年間20億円を超え、外商活動も成約の件数、金額がともに年々倍増するなど、順調に成果を上げてきました中、店舗での売り上げは、さまざまな要因はありますものの、当初の目標としておりました年間4億円には若干届いておりませんでした。このため、本年度は情報発信や外商という強みをさらに生かすため、体制を強化しますとともに、店舗の売り上げにも結びつきますよう、各部門の連携強化に努めてまいりました。 その結果、第1・四半期だけで広告換算が30億円を超えた情報発信、そして店舗での試食販売の充実、品ぞろえの工夫などが実を結び、本年5月にはオープン以来最高の月間売り上げを記録いたしましたし、速報値ではございますが、昨日9月末までの今年度半期の実績は、昨年の実績と比較して約14%の増というふうになっております。これは、まるごと高知を設置する際に掲げました、プロモーション、外商、店舗の各部門が三位一体となって相乗効果を上げるという理想の形が徐々に形になりつつあるものと感じておりまして、4億円という本年度の売り上げの目標は、十分達成できるものと思っております。 とはいえ、この目標は、まるごと高知を設置した当初に設定をしました水準にとどまっておりますので、現状に満足することなく、この3年間で得た経験やノウハウを生かして、さらなる向上を目指していきたいと思っております。各部門の一体感をさらに強めて常にPDCAを意識しながら、店舗の売り上げ増だけでなく、本来の目的であります外商の拠点としての効果を、県内事業者の方々により実感をしていただけるよう今後とも努力を重ねてまいりたいと考えております。   (教育長中澤卓史君登壇) ◎教育長(中澤卓史君) 高知赤十字病院が移転した場合に、高知江の口養護学校はどうするつもりかとのお尋ねがございました。 高知江の口養護学校は、昭和48年の開校当初は、高知赤十字病院への入院や、あるいは通院が必要な慢性疾患の児童生徒が大半でしたが、近年では、対人関係など精神的なストレスが原因で、さまざまな身体症状があらわれる心身症等の児童生徒が、全体の約8割にまで増加をしております。したがって、慢性疾患の児童生徒は全体の約2割となっており、そして高知赤十字病院の医師が直接の主治医である児童生徒はほとんど在籍をしていない状況にございます。 とはいえ、病状の悪化などによりまして急を要する場合には、学校医のいる高知赤十字病院で対応をお願いしてきておりますので、病院が移転した場合には、医療機関との連携の確保が課題になってくると認識をしております。 また、全体の約8割を占める心身症等の児童生徒に対しては、コミュニケーション力や社会性を育むための自立活動や、高等部卒業生への進路保障に向けたキャリア教育などの学校の教育内容の充実、そして、それにふさわしい教育環境の整備が課題となってきております。 このため、医療機関との連携を含めた高知江の口養護学校の今後のあり方につきましては、高知赤十字病院の移転時期を見据え、次年度以降、幅広い分野の方々から御意見をいただきながら、具体的な検討を進めてまいります。 ◆17番(浜田英宏君) それぞれ御丁寧な答弁をいただきまして、まことにありがとうございました。 時間が若干残っておりますので、2問を行わせていただきたいと思います。 秦南団地、シキボウ跡地の問題につきましては、我々議員の一番関心あることは、やっぱり現在の土地の価格、評価額が一体どのくらいになっておるのかということと、それともう一点、この移転をする日赤の跡地がどのように生まれ変わるのかというようなこと、その2つになるんじゃないかと思います。 この跡地の評価額につきましては、この後の質問者で答弁をいただけるということで、ここでは質問はいたしませんけれども、この日赤が移転された後はどのようになるのか、これがきのうも庁内でいろいろ検討会もされたようでございます。 水面下では商業施設とか、あるいは公共施設、そんなようなアンダー・ザ・テーブルの議論があっておるようなんですが、その中でもちょっと情報を集めますと、今議論されている中でも、高知警察署は非常に狭隘で、老朽化が進んでおると。高知警察署があそこに移転するのが一番よろしいんじゃないか、まことにリーズナブルだなと、私は思っているわけでございます。 ぜひともこれはアンダー・ザ・テーブルからオン・ザ・テーブルの議論へ持っていったらいいんじゃないかと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 以上、2問です。 ◎知事(尾崎正直君) 現在のところ、どういう形で跡地を利用していくかということについて、少なくとも私の段階で具体的に検討しておるという内容はありません。さまざまな選択肢があろうかと思いますので、そのメリット、デメリットをよく勘案し、何といいましても、住民の皆様方にも御納得のいただけるような形の成案となるように議論を進めていきたいと、そのように考えておるところです。 ◆17番(浜田英宏君) ぜひとも、住民の皆様が納得いただけるような跡地の活用を考えていただきたいと思います。 それともう一点、これは要請になろうかと思いますが、今、南海地震対策で各市町村が津波避難タワーを本当にたくさん計画しております。ところが、実態として、コンクリートの型枠工が全くいないということで、幾ら工賃を積んでも全く集まらないということで、大変なことになっておるというふうな状況でございます。何とかしていただけないかというお声が聞こえておりますので、このこともぜひあとで善処いただくようにお願いを申し上げまして、ちょうど時間となりましたので、全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(森田英二君) 暫時休憩いたします。   午後0時20分休憩---------------------------------------   午後1時20分再開
    ○副議長(黒岩正好君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 36番中根佐知さん。   (36番中根佐知君登壇) ◆36番(中根佐知君) 日本共産党を代表いたしまして質問をいたします。 まず、消費税増税についてです。 来年4月からの消費税増税について、どの世論調査でも、予定どおり実施するという声は少数です。アベノミクスで大企業のもうけや大資産家の懐は改善をしても、勤労者を中心に国民の所得はふえていません。勤労者の所定内賃金は、14カ月連続で低下しています。 また、アベノミクスは金融を活発にすることで消費者物価の2%上昇を目標としていますが、実際に起きているのは、収入がふえないのに円安などで石油製品の価格や生活必需品の値上げが相次ぐ悪い物価上昇です。こうした中で、消費税を増税し、国民から購買力を奪えば、経済も暮らしも致命的な打撃を受けることは目に見えています。 1997年の消費税増税は、勤労者の所得がふえ続ける中で実施をされましたが、それでも暮らしと経済を直撃し、消費税収はふえましたが、租税総収入は97年の91.7兆円をピークに、98年以降、87.1兆円、84.2兆円、88.3兆円、85.5兆円、79.2兆円と年々低下をし続けました。大不況で税収が落ち込んだことに加えて、景気対策として法人税、所得税を減税したためです。歳出でも、景気対策の名で大型開発のばらまきが行われました。これらの歳入減と歳出増によって、国と地方の長期債務残高は、増税後3年間で449兆円から600兆円へと拡大をし、財政危機悪化を加速する結果となりました。今回も同様の大型の経済対策が検討されていますが、過去の失敗の二の舞になることは必至です。 来年4月からの消費税増税中止の一点で共同しましょうと、県内の経済団体を伺っていますが、「アベノミクスで利益が上がっているのは大企業だけ」、「利益は上がっていない、厳しいという声が多数だ」、「商店街が潰れてしまう」など、懸念の声が圧倒的です。 9月2日に開催をされた自民党全国幹事長会議で、高知県連は、「経済政策の効果が地方には広がっていない」と、4月実施の再考を要望したと報道されています。 高知県民の暮らしと経済にとって、消費税増税の環境は全くないのではないか。知事は、県民の代表として、政府に4月の消費税増税の中止を強く求めるべきだと思いますが、お聞きをいたします。 次に、集団的自衛権について知事に伺います。 安倍政権が国民の批判を無視して、集団的自衛権の行使に向けた動きを加速しています。内閣の憲法解釈を担当する内閣法制局の長官を行使容認派に交代させたのに続き、行使を検討してきた有識者懇談会でも議論を本格化させる構えです。秋の臨時国会で行使に向けて、政府の憲法解釈変更を宣言するとも伝えられています。 集団的自衛権とは、日本が直接攻撃されたわけでもないのに、アメリカなど日本と密接な関係にある国が攻撃されたことを理由に日本が武力を行使するもので、これまで歴代の政権が、憲法上行使は認められないとしてきたものです。こうした判断は、内閣法制局の長官だけでなく、首相や閣僚なども国会で繰り返し答弁をし、閣議で決定をしてきた答弁書などでも確定した政府全体の見解です。 憲法研究者の小沢隆一さんは、「解釈改憲は裏口入学のようなもの。その上、安全保障基本法をつくって集団的自衛権を行使できるようにしようというのは、いわば立法クーデターです」と指摘をしています。 自民党の古賀誠元幹事長と山崎拓元副総裁は、西日本新聞8月11日付の対談で、参議院選挙結果を受けて、「暴走が一番怖い」と古賀氏、「政権が暴走しないよう党内の『チェック・アンド・バランス』を働かせないといけない」と山崎氏が語り、内閣法制局長の人事について、「法治国家としてどうかな、と思う」と山崎氏、「私たちのような戦争の怖さを知っている人間からすれば、あの人事には驚かされた」と古賀氏が批判をしています。どの世論調査でも、集団的自衛権の行使に賛成する声は少数です。 本来、憲法改正手続を踏み、国民投票の結果で判断すべきものを、政府の解釈で変更することは、まさに立法クーデターと言えるもので、決して許されないと思いますが、いかがでしょうか。 憲法9条の歯どめがあるため、これまでの海外派兵法では、自衛隊は武力行使はしない、戦闘地域に行かないと必ず書き、復興や民生支援に限定して活動してきました。集団的自衛権の容認は、この歯どめをなくします。その愚かさは、イラク戦争を例にとれば明らかです。うそで始めた戦争を米軍とともに戦い、日本の若者を殺し殺されるという最悪の事態に突き進むことを意味します。実際、集団的自衛権の名で行われた戦争は、アメリカのベトナム戦争、旧ソ連のアフガン侵攻やチェコスロバキア侵略など、大国による侵略戦争であり、自衛とは全く無関係です。 安倍首相は、公海上の米艦防護という問題やアメリカ本土へのミサイル防衛などの事例を持ち出して、集団的自衛権の必要性を語っていますが、自衛隊のイラク派兵を官邸で統括し、第1次安倍政権時の安保法制懇で事務局を担当した、安全保障担当の内閣官房副長官補だった柳澤協二氏は、こうした例は非現実的であり、妥当性に欠けたもので、集団的自衛権の行使に反対したことを著書に書いており、米艦防護の例や領土問題などは個別的自衛権の範囲だと指摘をしています。 7月11日、米海軍制服組トップのグリナート作戦部長はワシントンでの講演で、「日本で集団的自衛権が認められれば、海上自衛隊は米空母や強襲揚陸艦を中心にした打撃群に加わって共同作戦が可能になる」と発言したことが報道されていますが、ここに本音があることは明確です。 集団的自衛権は、自衛とは無縁な戦争国家への道であり、断じて許されないと思いますが、お聞きをいたします。 何より終戦記念日の靖国神社参拝など、過去の侵略戦争を反省しない日本が集団的自衛権行使を容認すれば、アジアと世界の反発は必至です。先ほどの柳澤協二氏は、「安倍政権の安保政策『最大の弱点』は安倍氏自身」と指摘し、「日本が現代史において戦争を主導した事実を踏まえ、その自己否定の上に成り立つ憲法と、そうした歴史観を再度否定して戦争を主導した日本を自己肯定する改憲の思想との、いずれが今日の世界において通用するのか」、その深い自覚と知的葛藤が必要であり、「憲法を『戦後レジーム』として否定し、戦争への『反省』を『自虐史観』として排斥する安倍氏の国家像(自己認知)は、対立を先鋭化する」と警告を発しています。 知事は、憲法第9条については、「これまでの平和の維持や発展に大きく貢献してきたと認識しております。これをしっかり守ることが必要であると考えております」と答弁をしています。 憲法第9条に沿った平和外交と武力によらない平和な国際貢献こそが大切だと思いますが、お聞きをいたします。 次に、日米共同統合防災訓練について知事に伺います。 9月6日、防衛省は、日米共同訓練及び日米共同統合防災訓練、MV22オスプレイの沖縄以外の場所での訓練について記者発表を行いました。10月上旬から中旬にかけ、滋賀県において日米共同の軍事訓練に引き続き、10月25日から27日にかけて、高知県で南海トラフ巨大地震を想定した防災訓練を実施し、それにMV22オスプレイを参加させるとしています。 その理由として、防衛省は、「沖縄の負担を本土にも分散させる観点からも、昨年9月の日米合同委員会合意に基づき、訓練の内容、実際に訓練を実施する場所、米軍の運用上の要件など、様々な角度から幅広く、日本国内の沖縄以外の場所で飛行訓練を行う可能性を検討してきた」と明確に示されているとおり、今回の防災訓練は、防災に名をかりたオスプレイの飛行訓練にほかなりません。 この訓練はもともと沖縄で行われる予定ではなかったもので、沖縄の地元紙は、負担軽減にならない、オスプレイの配備そのものの見直しこそが不可欠と批判をしています。訓練の全国展開は、オスプレイの沖縄配備を固定化、恒久化させる危険を持つものです。 知事は、この説明をどのように受けとめたのか、まずお伺いいたします。 今回の日米共同統合防災訓練を機に、米軍が日常的に自衛隊基地を使用できるよう、日米地位協定第2条第4項(b)に規定される共同使用の手続が行われ、実質的に米軍基地化される危険性があります。日米地位協定に基づく措置であっても、当然、自治体として重要な判断が求められるものですから、県民に説明もなく手続が行われることがあってはなりません。 地位協定2条4項(b)に基づく手続について、県への打診があるのか、お伺いいたします。 実質米軍基地化することは、県民生活に不安と危険を増大させるもので、断じて認められないと思います。 知事は、平成22年6月議会で私の行った、米軍の訓練移転や自衛隊施設の共同使用について拒否し、県民の不安を解消すべきではないかとの質問に対し、「訓練などの受け入れは、本県が今後発展していくための財産となる自然や観光資源等の価値が大幅に低減することも考えられ、県民生活にこの点からも大きな影響があると考えております。このような県民生活へのさまざまな危険性や悪影響を伴う訓練などの受け入れにつきましては、県民の皆様の御理解を得ることは極めて難しく、県としましてもこうした負担を受け入れることはできないと考えているところでございます」と答弁されています。 その立場を今後も堅持するべきですが、知事の御所見を伺います。 去る9月19日に、県と室戸市、土佐清水市、香南市が、オスプレイの安全な使用についての質問書を防衛省に提出いたしました。しかし、オスプレイは、御承知のとおり、開発段階から事故を繰り返しており、沖縄県では県を挙げてオスプレイ配備に反対し、本県でも、県内11市の市長で構成をする市長会議が、オスプレイの国内配備・運用の中止と低空訓練廃止を国に強く求める要望を決定、20議会で同様の意見書決議が上がるなど、安全性に対し強い懸念が示されています。 昨年4月にモロッコ、6月にはアメリカ・フロリダ州で墜落事故を起こし、計9人が死傷しています。事故原因を人為的ミスとする米軍の報告を受け、政府は安全宣言を出しましたが、ことしに入っても二度のランクAの重大事故を起こしています。 6月、ノースカロライナ州で発生した事故は、エンジン排気熱で草が燃え、機体の一部が焦げたと発表されていましたが、実際はランクAの重大事故で、損害額は62億円と機体価格を上回ることが判明しました。 8月、ネバダ州の事故は、事実上の墜落であり、事故機は修復できないほど破損したと発表されています。しかも、事故機の損傷のぐあいや事故原因は明らかになっていません。 ハワイでは、下降気流が地面を削り、自然環境に影響があるとの理由から、また、アメリカ・ニューメキシコ州では、住民が安全性に不安を示したことから訓練を中止しています。 アメリカ本国で留意をされることが、日本では無視されている状況をどのように受けとめておられるか、お伺いいたします。 そもそもオスプレイは、強い下降気流、高温の排気による瓦れきの飛散、炎上の危険があり、輸送能力では大型ヘリの半分以下しかなく、災害救援には向かないものです。海上自衛隊は1990年代、海上救難機として導入を検討しましたが、下に吹きつける気流がすさまじく、救援を待つ人が窒息してしまうとわかり、早々に断念したことがあります。命を守ることを最優先にすべき防災訓練に、危険性を増大させるオスプレイの使用は、断じて認めるべきではありません。 そもそも、米軍による防災訓練は県の防災計画にもないもので、今回の訓練計画も、本県への詳細な説明もなく、しかも県民挙げてその成功のために力を集中させているねんりんピックの開催期間と重なっています。豊かな自然とおもてなしの心で高知県の魅力を満喫していただこうとしている取り組みに暗い影を落とすものになります。本当に県民の命と財産を守るための訓練なら、このような県民無視の対応にはならないと考えます。住民を危険にさらす低空飛行訓練を中止しないのが何よりの証拠ではありませんか。沖縄では、この9月も協定を逸脱する夜間飛行が連続的に実施されており、安全合意も全く無視されています。 安全性に強い懸念のあるオスプレイの本県での運用については、県民の納得を得られる回答がなければ、訓練の中止を求めるおつもりでしょうか。 訓練予定地に該当する土佐清水市議会において、使用の中止を求める意見書がこの9月議会で採択されました。県としてもこの声を受けとめ、防衛省に使用中止を強く求めるべきです。どのように対応されるか、知事にお伺いいたします。 次に、原発再稼働について伺います。 福島原発では汚染水があふれ出し、とうとう国費による対策が必要となり、東電存続を前提とし、税金を1円も投入しないとした賠償スキームが破綻したことが明確になりました。汚染水対策、除染、賠償のおくれも、東電が債務超過に陥らない程度にしか実施しないという現在のスキームによるものであり、抜本的な見直しが必要です。 日本共産党は、9月17日、汚染水対策での緊急提言を発表しました。その柱は、東電を破綻処理し、一時的に国有化した上で、国が全面的責任を負うこと、原発再稼働、輸出の活動を停止し、汚染水問題に人的・物的資源を集中させることなどです。 再稼働議論の前に、原子力損害賠償法を抜本的に見直し、国が事故、除染、賠償に全面的に責任を負うスキームへの転換が必要ではないか、知事にお聞きいたします。 9月から電力料金が上がり、所得がふえない中で、暮らしと経営に少なくない影響を与えています。6月発表の四国電力の2012年度有価証券報告書によると、原発にかかわる電気事業費用は574億円もかかっています。昨年1月12日に全原発が停止し、2012年度の発電実績はゼロにもかかわらず、巨額な費用がかかっています。単独決算の純損失は462億円で、原発ゼロなら黒字だったということが明らかになりました。ところが、四国電力の値上げのお願い文書には、全くそのことが触れられていません。 その事実をきちんと伝えるべきだと思いますが、林業振興・環境部長にお聞きします。 伊方1号機、2号機は、計画としても当面動きません。今後も発電に寄与しない固定費が幾らかかるのか明らかにすべきと思いますが、林業振興・環境部長にお聞きします。 8月中旬、脱原発のドイツと原発推進のフィンランドを視察した小泉純一郎元首相は、「10万年だよ。300年後に考える(見直す)っていうんだけど、みんな死んでるよ。日本の場合、そもそも捨て場所がない。原発ゼロしかないよ」、「今ゼロという方針を打ち出さないと将来ゼロにするのは難しいんだよ。(中略)総理が決断すりゃできる」、「必要は発明の母って言うだろ?敗戦、石油ショック、東日本大震災。ピンチはチャンス。自然を資源にする循環型社会を、日本がつくりゃいい」と、毎日新聞の中で語っています。 今後もこの膨大な固定費、3年間で900億円を超える新規制基準対応や原発関係の投資が続きます。一刻も早く廃炉に進み、四国を自然エネルギーと省エネルギーの先進地とするビジネスモデルが求められています。県として強く求めるべきだと思いますが、知事にお聞きします。 さて、再稼働の前提となる原発の深層防護について知事にお聞きします。 まず、6月議会で、巨大地震の影響について県として専門家の意見を聞くことと答弁をされましたが、どう実施し、その結果はどうであったか、お伺いいたします。 知事は昨年9月議会で、深層防護は非常に大事、「IAEAが示す国際基準にも適合した世界最高水準の安全基準を策定し、その基準に照らした上で、厳格に審査していただきたい」と答弁しています。ところが、新規制基準は、深層防護として根本的な欠陥があります。 新規制基準には、これまで原発の審査に用いられてきた安全設計指針、安全評価指針、線量目標値指針などの中で、立地審査指針だけが外されました。立地審査指針とは、重大事故の場合にも周辺住民に放射線障害を与えないため、十分な距離をとることを求めているものです。従来は、格納容器は壊れないという偽りの前提によって、影響は原発の敷地内におさまるものとして無視されてきました。 立地審査指針で定めている放射線量基準は、以前は250ミリシーベルト、その後はICRPなどの勧告も受け、100ミリシーベルトとなっています。ところが、福島原発事故では、一番影響の強かった3月分を除いた4月からの1年間の敷地境界における累積線量は、一番高いものは956ミリシーベルトと、基準の10倍を計測しました。 昨年6月5日の国会で、日本共産党の吉井英勝議員の追求に、田中規制委員長は、「立地審査指針に基づけば、全ての既存原発が不適格になる」と認めていました。原発が存続できなくなるので廃止された疑いがあると、元原子力安全委員会事務局技術参与の滝谷紘一氏も指摘をしています。 新規制基準では、フィルターつきベントを設置することによる性能目標に変更させられました。田中規制委員長は、「最悪の場合も、セシウム137を100テラベクトル以上放出しない。100ミリシーベルトよりずっと低くなる」と述べていますが、これはセシウムだけを対象にしたもので、フィルターを素通りするキセノンなど希ガスを無視したものです。実際の全身被曝量はどうなるのか、滝谷氏は原発設置許可申請書をもとに試算していますが、浜岡5号機、約3万7,000ミリシーベルト、柏崎刈羽6号機、約2,300ミリシーベルトとなっています。フィルターつきベントで住民を被曝から守ることはできません。 9月25日、泉田新潟県知事と会談した東京電力の廣瀬社長は、敷地境界の全身線量が、フィルターつきベントを実施した場合でも数百ミリになるとの試算を明らかにしています。大量の被曝を前提とした基準に改悪されたのです。 新規制基準は、原子炉の位置の適合性を評価しておらず、位置、構造及び設備が原子炉災害の防止上支障がないということを規定している原子炉等規制法にも反します。 過酷事故時に、フィルターを素通りするキセノンなど希ガスも含めた被曝の影響についてどう認識しているのか、お聞きします。 国際基準である深層防護の第5層、原子力防災については、規制基準に入れず、防災計画は自治体任せです。立地審査指針を事実上無視してきたため、日本では原発の近くに多くの住民が住んでしまっています。重大事故時に、風向きに応じて迅速に実際に避難できるのかを基準とすれば、安全の確保はできません。知事会が、避難道などの対策費を国に要望しています。要求先は電力会社にすべきではないかと思いますが、いずれにしても、避難対策が完成していない証拠です。 実効ある避難対策が完成していないのに、再稼働などあり得ないと思いますが、お聞きをいたします。 また、昨年6月議会で知事は、SPEEDIを用いた放射性物質の拡散予測の重要性を認め、一定の防護措置が必要な高知県にも拡散予測を提供するよう国に要望するとしていましたが、実現していません。国民、県民が再稼働を判断する上でも重要であり、実現に向け決意をお聞きいたします。 次に、高校の授業料無償化について伺います。 国が2010年度から、公立高校授業料不徴収及び高等学校等就学支援金制度、いわゆる高校無償化を導入し、4年目を迎えました。これは、高校教育を受益者負担主義や自己責任論から、憲法の定める教育の機会均等を保障するものへと転換するもので、ヨーロッパの大学院に至るまで全て教育が無償になっている諸国には遠く及ばないものの、大きな前進となりました。 また、日本政府は、1966年12月にニューヨークで作成された国連国際人権規約社会権規約第13条2が求める「(b)種々の形態の中等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること」、「(c)高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること」をずっと留保していましたが、2012年9月11日に、留保を撤回することを国連事務総長に通告しました。これにより、日本政府は、国際的な法律によって、高校のみならず大学についても無償教育の漸進的な導入を実施することに拘束されることになりました。 国際人権規約は世界160カ国が批准しており、OECD加盟30カ国のうち26カ国が高校授業料無償で、そのうち14カ国は大学まで無料に既になっています。これらの制度の日本での実現は、準義務教育化されている高校の授業料の無償化のみならず、世界の先進的な流れに沿うものとして、広く国民に歓迎されているところです。 2010年度の文部科学省による、子どもの学習費調査によると、学校教育費の父母負担は、高校無償化のもとでも私立高校68.5万円、公立高校23.7万円という結果が出ており、依然として家計の中で大きなものとなっています。全国で、実態をもとに独自措置で一定の年収以下の家庭に私立高校授業料を実質無償化する自治体も出ています。しかし、教育を受ける権利が住んでいる自治体の財政力に左右されることがあってはなりません。国は、責任を持って教育費の保護者負担の軽減を進めることが必要で、そのためにも高校無償化の維持、拡充が求められています。 ところが、2014年度文部科学省概算要求で、高校無償化に所得制限を導入し、低所得者世帯への支援の充実や公私間格差の是正を図るとする方針が打ち出されました。授業料無償化は社会に定着しつつあり、推進こそすれ後退はさせるべきではないことを、現場に携わる者ならば誰しも感じています。雇用の不安定化や貧困化が進む中、依然として日本の教育費に占める公費負担の割合は、OECD加盟国の中でも最低水準であり、国が教育予算をふやすことが急務となっています。 そもそも、低所得者世帯への支援の充実や公私間格差の是正を図る教育予算は、国が予算をふやして対応することが当然なのです。今回の文部科学省の打ち出している所得制限の導入は、教育の機会均等を崩して財源をつくり出そうとする本筋から外れた方向で、容認することはできません。 国に対して、教育予算をもっとふやすべきだという声を今上げるべきではないか、教育長に伺います。 文部科学省の概算のとおり、拙速に所得制限を導入することがあれば、多くの問題が発生します。既に、全国知事会や全国都道府県教育委員会連合会、全国公立学校事務長会、全国特別支援学校長会、全国高等学校PTA連合会などなど、多くの懸念と再検討を願う反対意見が次々と上げられています。 高校無償化の趣旨を損なうこと、憲法の定める教育の機会均等を保障する制度を後退させることになること、国際人権規約を受け入れた国際公約に反すること、所得制限を導入すれば、全ての高校生の家庭の状況を把握することが必要であり、膨大な事務量が想定され、現行の体制では不可能であること、無償化制度導入時に、財源確保のための特定扶養控除の縮減が行われており、制度導入前と比べてかなりの負担増の子育て世帯が生まれること、保護者や生徒の精神的な負担となることが十分考えられることなどなど、列挙することができます。 やっと世界のレベルで教育に国が予算措置を始めた途端に制度を後退させるなどということは、すべきではありません。保護者や現場の声を反映させて、安易に無償化制度を後退させる所得制限は持ち込まないよう、国に対して要請すべきだと考えますが、教育長に伺います。 次に、生活保護行政についてお伺いいたします。 この8月1日から生活保護基準額が引き下げられましたが、支給額削減に異議ありと、全都道府県で7,600世帯を超える生活保護利用者らが不服審査請求を行いました。高知県内でも、39世帯の方が審査請求を行っています。全国的には、これまでの審査請求の最多1,000件余りの7倍を超える過去最大の規模となっています。 支援団体の一つである全国生活と健康を守る会の安形義弘会長は、かつてない規模の審査請求を、「人間らしく生きさせてという命の叫びだ」と強調し、その周りには、「子供や近所、親子関係などで怒りをぶつけたくてもぶつけられない人がたくさんいる」と述べています。 安倍政権のもとで、8月に続いて来年4月、再来年4月と段階的に生活扶助の基準を、平均6.5%、最大10%、総額670億円もの過去に例を見ない大幅な引き下げを行おうとしています。 具体的には、例えば高知市で70代以上の単身世帯は、月6万8,950円から6万5,560円、月3,390円の引き下げとなり、1日1,000円、月3万円足らずの食費相当分の1割を超える削減となります。多人数や子育て世帯はさらに深刻です。夫婦と小中学生の子2人の世帯は、18万2,040円が15万6,790円、月2万5,250円、高知市以外の在住は、月1万4,870円の引き下げです。母と4歳の子の母子世帯では月7,110円の引き下げで、生活扶助額9万7,260円になります。明らかに、憲法で保障する生存権そのものを大きく脅かすもので、到底許されるものではありません。 審査請求した80歳の女性は、「ことしの夏は特に暑かったので電気代が2倍になった。食費も物価も上がり、着るものも買えない。おいの結婚式に行かないかんが困った。どう生活できるのかわからん。温かい手を差し伸べてほしい」と語っています。ある女性は、「食事、電話代を倹約している。いとこや兄弟とよく交流していたが、今は電話がかかってくるのを待っている。寂しい思いで生活している」とのことです。家業が倒産をし、5年前から生活保護を受けた直後にくも膜下を患った68歳の男性は、「弱い人、病気の人、働けない人まで保護費を削るやり方は許せない」と訴えています。 現在でもぎりぎりの生活を送っているこうした利用者の生活の実態、思いをどう認識しているのか、また、今回の過去最大規模になった不服審査請求をどう受けとめているのか、そして審査請求の十分な審議と正しい裁決を求めるものですが、地域福祉部長に伺います。 先ほど紹介しましたが、とりわけ子育て世帯の引き下げ幅が大きく、全国に比べ厳しい高知の家庭と暮らしに一層深刻な影響を与えることは必至です。 今回の生活保護基準引き下げが、子育てや子供の教育に具体的にどう影響しているのか、またはするのか、実態調査を実施し、必要な支援と対策を強めるべきと考えますが、地域福祉部長の御所見をお聞きします。 今回の生活扶助基準等の見直しに伴う利用者への情報提供や説明を行うよう、厚生労働省は要請しています。高知市福祉事務所は、「生活保護基準額が変わります」というチラシを作成し、利用者に届けるなどしていますが、その他の福祉事務所、県はどういう対応をしてきたのか、また、少なくとも今後十分周知徹底を図るべきだと考えますが、地域福祉部長の見解を伺います。 次に、生活保護基準の引き下げは、現在の利用者だけでなく、誰の人生にも不測の事態があり、その最後のセーフティーネットの機能が果たせなくなるとともに、あらゆる国民生活に広く深刻な影響を与えます。その一つである就学援助制度についてでありますが、生活保護基準の引き下げに伴う援助の打ち切りや支給基準の縮小などがあってはなりません。 教育長は、就学援助制度への影響をどう認識しているのか、また、厚労省は影響のないよう要請する通達を地方自治体に出していますが、国はそのための財政的保障をすることが求められているのであり、国に強く働きかけるとともに、現行水準の維持改善を図るべきだと考えますが、あわせて伺います。 来年度に影響が出ることになる住民税の非課税限度額は、医療費の自己負担限度額、県の重度心身障害児・者医療費助成制度、保育料の軽減、障害者の通所・入所サービス料など、広く連動して負担がふえることになります。これらへの影響と対応について地域福祉部長の見解を伺います。 今回の生活保護基準の引き下げは、社会保障審議会生活保護基準部会での議論に基づくものとしていますが、5年前の基準改定のときに否定された第1・十分位の人との比較論が持ち込まれ、その上、急遽デフレ論が押しつけられています。消費者物価指数を計算するというものですが、パソコンや電化製品など、厚労省がセレクトした品物で物価指数を計算したもので、生活保護の世帯の消費動向と全く違うものとなっています。まさに政治主導による削減ありきの内容、手法です。 こうした経過とともに、生活保護利用者の生活実態、そして現在の電気やガス、相次ぐ食料品等の値上げなどによる一層の生活の圧迫、そして広範な国民生活への深刻な影響などを考えたとき、今回の生活保護基準の引き下げは、計画の中止、せめて削減前に復活するように国に求めるべきだと考えますが、知事の御所見を伺います。 次に、みなし寡婦控除の制度導入について伺います。 寡婦控除は、一度でも婚姻歴があれば、扶養している子がかつての夫との間に出生したかどうかを問うことなく適用される一方、法律上の結婚を一度もしていないひとり親には、税法上の寡婦控除が適用されていません。そのため、結婚歴のある親に比べ、高い税や国保料、保育料、公営住宅の入居資格及びその家賃での負担を強いられており、日弁連はことし1月、実態を踏まえ、合理性のない差別として、国、東京都、沖縄県に救済措置を求めたことから、みなし寡婦控除を実施する自治体が少しずつ増加してきています。 母子世帯の子供の貧困率は66%と突出しています。その中でも、未婚者は困窮の度合いが高くなっています。厚労省の最新の全国母子世帯等調査結果では、年間就労収入は平均で181万円、死別母子世帯は256万円、離別母子世帯は176万円、非婚母子世帯は160万円です。 第二次高知県ひとり親家庭等自立促進計画によると、高知県のひとり親家庭は、2012年度、母子1万2,832世帯、父子2,529世帯となっており、ひとり親となった理由は母子の7.7%が未婚ですから、約1,000世帯、1,000人の子供が不利益をこうむっているということになります。 先日には、結婚していない男女間に生まれた婚外子の相続分を法律婚の子の半分とする民法の規定に、最高裁が違憲の判断を下しました。寡婦控除の規定の改定も待ったなしです。 県として、寡婦控除の規定の改定を政府に求めるべきではないか、また、その間、みなし寡婦控除規定を全県に普及するための施策に取り組むべきだと思いますが、地域福祉部長にお聞きします。 次に、土電問題について知事に伺います。 7月30日に外部調査委員会による外部調査報告書が発表されましたが、残念ながら、十分な全容解明と県民の納得できる調査結果と言えるものではありません。 まず、暴力団排除条例にかかわってですが、報告書の随所で、約30年前に暴力団を引退したものの現役の暴力団に対しても一定の影響力があったと思われると指摘しています。そして、元組長との交流、交遊は、元会長、元社長自身や土電にとって、特に対株主の関係において有益になるとの意図があったとしています。 この一定の影響力があったとする具体的事実、根拠について知事に伺います。また、この指摘は極めて重大だと考えますが、認識についてあわせてお聞きします。 外部報告書は、暴力団排除条例Q&Aにある反社会的勢力の一例の「暴力団員でなくなってから5年を経過していない者」を適用して、暴力団員であったということはできないと結論づけています。大変無理がある理屈だと考えますが、5年とする根拠について知事に伺います。また、現役の暴力団に対しても一定の影響力があったとする指摘に全く矛盾するのではありませんか、お聞きします。 また、元会長、元社長の言動、行為は「コンプライアンス上極めて問題」との指摘がありますが、どの法令に抵触、あるいは遵守していないと考えているのか、お聞きします。 次に、新たに明らかになった優待航空券等についてですが、外部報告書では、反社会的勢力への利益供与等の事実、疑わせるような事実は見受けられなかったと報告しています。しかし、それ自体も航空券管理メモなるものによる判断と言わざるを得ず、取扱規程もなく、現物管理も厳格に行われていないと報告書にあるように、事実の全容が明らかになったと到底言えるものではありません。 また同時に、会社法に抵触する疑いが浮上していることは極めて重大であり、株主優待券問題の全容究明は、コンプライアンス確立と県補助金凍結解除の大前提です。事実究明への意思、姿勢が十分だと見えない中で、当事者任せにできるものではありません。 県として、あらゆる手段を行使して、全容を明らかにするためにイニシアチブを発揮すること、また、その一つとして、株主である高知市に株主代表訴訟を提起、協議してはどうかと考えますが、知事の所見を伺います。 9月24日の検討会では、約200枚の優待航空券は元会長の個人所有という会社の見解を示しています。外部報告書が会社財産とする優待航空券約200枚が元会長の個人所有ということになると、正確な申告がなければ所得税法に抵触する可能性が生まれるのではないかとの指摘も聞こえてきます。マスコミなどで本人が示唆していますが、不特定多数の有権者に配ったということになれば、公職選挙法に抵触するのではないかと考えますが、選挙管理委員長にお伺いをして、私の1問といたします。   (知事尾崎正直君登壇) ◎知事(尾崎正直君) 中根議員の御質問にお答えをいたします。 まず、県民の代表として、政府に4月の消費税増税の中止を強く求めるべきではないかとのお尋ねがございました。 私自身、着実に進行する少子高齢化などの社会情勢の変化に対して、しっかりと財源に裏打ちされた持続可能な社会保障制度を確立するためにも、また、仮に増税をしなかった場合に想定されます市場の混乱や国債の格下げなどの金融リスクを考慮しましても、消費税につきましては、来年の4月から8%に引き上げる必要があると考えております。 県民の皆様の暮らしや県経済の状況などを考えますと、厳しい選択ではございますが、全国に先行して少子高齢化が進んでいる本県にとりましても、しっかりとした社会保障制度改革が確立されるという点で、また、若い世代の暮らしを守るという点でも、飲まざるを得ない苦い薬だと思っております。 他方、そうであるがゆえに、本日政府が取りまとめようとしております経済対策には、消費増税による痛みの部分を一時的に緩和するための低所得者向けの現金給付や、住宅購入者への給付金制度の創設に加えて、企業収益の拡大を図りながら、賃金の引き上げ、雇用の拡大につなげていくための減税措置の拡充などが盛り込まれる予定でございます。 国におきましては、十分な規模感を持った経済対策をしっかりと実行していただき、低所得者対策はもちろん、雇用と所得の拡大を持続的なものとする経済成長に向けた取り組みを着実に進めていただくことが重要だと考えております。 次に、政府が憲法9条の解釈の変更を行おうとしていることについて、そして集団的自衛権の行使についてお尋ねがございました。関連しますので、あわせてお答えをいたします。 午前中に浜田議員にお答えしましたとおり、私は、集団的自衛権行使を一定認めるべきだと思っていますが、他方で、これを口実に防衛目的を逸脱するようなことが決してあってはならないし、そのことを担保する法的枠組みも必要であると思っています。 私は、この集団的自衛権の行使について、どのような場合に行使を認め、どのような場合に認めないのかという点の議論を徹底して深めていく必要があると考えており、ぜひ国民的議論を行っていくべきだと考えております。そうした議論を経て、認めるべきとされる集団的自衛権の内容が現行憲法では認められないということになるのであれば、やはりこの点そのものに関し憲法改正を目指して、改めて国民的議論に付すべきだと思っております。 次に、憲法第9条に沿った平和外交と武力によらない平和的な国際貢献についてお尋ねがございました。 我が国において、日本国憲法のもとで政治・安全保障、経済、文化・人的交流など、あらゆる面で複層的な外交努力と国際貢献が行われてきたことで、戦後68年にわたってひたすらに平和国家としての道を歩んできたものと認識しており、これは今後も歩むべき道であると考えております。 その上で、安全保障上の脅威が多様化、深刻化する中で、いずれの国も一国ではみずからの平和と安全を維持できず、同盟国等との連携、国連の集団安全保障の枠組みの重要性が増大しているのも事実であり、総合的かつ戦略的な対応も必要であると考えております。 次に、防衛省が本県で日米共同統合防災訓練を行うことを発表したことについてどのように受けとめたのかとのお尋ねがございました。 今回の本県での防災訓練は、自衛隊が東日本大震災を踏まえ、南海トラフ地震を想定し改定した対処計画を実動訓練で確認するものであり、その一部として米軍との共同訓練を行うものと聞いております。 東日本大震災では、救助・救出から物資搬送などの生活支援まで、警察、消防、自衛隊、海上保安庁等の応急救助機関が大いに力を発揮されましたが、南海トラフ地震での被害の規模は、この東日本大震災をはるかに上回ることが想定をされています。 このことから、国内の応急救助機関のみでは救助・救出に当たる人員、能力が不足することが予測され、トモダチ作戦に見られたように、米軍からの支援は不可欠であると考えております。不可欠なのであれば、あらかじめ訓練を重ねておく必要があり、こうしたことから、今回の防災訓練は有意義であると考えております。 オスプレイにつきましては、航続距離やスピードなどの輸送能力の高さから、今後、米海兵隊の人員・物資輸送の中心となる装備であり、実際の災害時にも使用されることになると思われます。そうであれば、そのための訓練も必要であると考えますが、他方で県民の安全への懸念が払拭されたとは言えない状況にあります。このため、訓練を実施する際には、安全確保に万全を期していただくよう、引き続きしっかりと要請をしてまいります。 次に、今回の日米共同統合防災訓練を行うに当たり、日米地位協定の第2条第4項(b)に基づく自衛隊基地の共同使用の手続について県への打診はあるのかとのお尋ねがございました。 日米地位協定の第2条第4項(b)は、国等の管理のもとにある施設及び区域を、米軍からの要請に基づいて一時的に使用させるための規定と認識しております。今回の本県での防災訓練は、我が国の自衛隊が行う防災訓練に米軍が共同で参加する形で、これまでの米軍の参加した国内での防災訓練と同様、この手続は行わないとのことであります。 次に、平成22年6月議会での答弁についてお尋ねがございました。 今回の防災訓練と嶺北地域などで行われている低空飛行訓練などの軍事訓練では、その目的と内容が明らかに異なっており、今回の防災訓練は一線を画して考えるべきだと思っております。他方、軍事訓練に関しては、オレンジルートなどでの訓練が行われており、本県は既に多くの負担をしていることも事実であります。これ以上の負担を積極的に受け入れる考えはありません。 次に、米本国で留意されていることが日本では無視されている状況をどのように受けとめているのかとのお尋ねがありました。 御指摘のあった米国での2つの事例は、それぞれ個別の理由により訓練が中止されたものだと思いますが、米国においてもオスプレイの訓練は現在も行われており、このことをもって日本が無視されているとは必ずしも言えないのではないかと思います。ただ、沖縄にせよ、本県での低空飛行訓練にせよ、我が国からの声が届きにくい点があることは、歯がゆいものがある場合もあります。 次に、防衛省から県民の納得を得られる回答がない場合に、訓練の中止を求めるつもりはあるかとのお尋ねがありました。また、土佐清水市議会において、中止を求める意見書が9月議会で採択されたが、県としてもこれを受けとめ、防衛省に使用中止を強く求めるべきではないかとのお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えをいたします。 本日の防衛省からの要請書に対する回答は、日米合意を踏まえた安全配慮の姿勢が見てとれるものであると考えております。ただし、今後、訓練全体の詳細な説明があると聞いておりますので、安全の確保が具体的になされているのかをしっかりと見きわめていく必要があると考えておりまして、本日の防衛省との会談においても、引き続き安全の確保を最優先とするよう申し入れたところであります。 また、連名にて要請書を提出しました室戸市、土佐清水市、香南市へも防衛省から説明を行うと聞いておりますので、それぞれの市におかれましても内容の検討を行われるものと思いますが、要望等がある場合には、防衛省において丁寧に対応すべきだと考えているところでございます。 次に、原発再稼働について一連の御質問にお答えをいたします。 まず、再稼働議論の前に、原子力損害賠償法を抜本的に見直し、国が事故、除染、賠償に全面的に責任を負うスキームへの転換が必要ではないかとのお尋ねがありました。 福島原発の事故を見てもわかりますように、ひとたび事故が発生しますと大変な事態になります。被災地では今もなお、多くの被災者がふるさとを追われ、働くこともままならない厳しい生活を強いられており、こうした現実に胸の痛む思いがしてなりません。 事故の深刻さを見ますと、事故処理から賠償に関して、一民間企業がその責を負い切れるものではありませんので、当然のことながら、国の踏み込んだ関与が不可欠であろうと考えております。 現在の仕組みにおいても、当事者である発電事業者の負担を基本としつつも、国の支援を担保するために、新たな法制度の整備や、除染など国による直接的な活動等も行われているところでありまして、不足する部分は、逐次措置されていく方針であると認識をいたしております。 このように、事故が起こりますと長期にわたり多くの関係者が大変厳しい思いをすることになりますので、かねてより申し上げておりますように、原子力発電所の稼働を考えるに当たっては、慎重の上にも慎重を期し、厳格な安全確保に努める必要があると考えているところであります。 次に、一刻も早く廃炉に進み、四国を自然エネルギーと省エネルギーの先進地とするビジネスモデルを、県として強く求めるべきではないかとのお尋ねがありました。 私としましては、以前から申し上げておりますとおり、福島第一原発事故による直接的被害の大きさや、その影響が多岐に及んでいることを考えますと、我が国の電力供給における原発の依存度を徐々に徐々に引き下げていくことが必要であり、再生可能エネルギーなどに重点的に投資し、導入拡大を進めていくとの方針を堅持する必要があると考えているところであります。ただ、他方で、原子力発電所を直ちに全部廃止してしまうことは、現実的に利用可能な料金による電力供給が困難となるおそれがあることなどから、現実的ではないとも考えております。 四国電力においては、四国で初めてメガソーラー発電所を建設するほか、昨年7月に固定価格買取制度が施行されたことを受けて、風力発電の系統連系受け入れ枠をそれまでの45万キロワットから60万キロワットに拡大するなど、再生可能エネルギーの導入に向けて前向きに取り組んでおり、今後もそうした取り組みを積極的に進めていただきたいと考えております。 一方で、廃炉に関しては、廃炉を決定した時点で莫大な損金が発生し、経営を大きく圧迫する要因になりますし、適正に廃炉を行うために必要な費用に対し、そのために積み立てている原子力発電施設解体引当金では不足することになりますので、負担がさらに増大します。そうなれば、結果的にさらなる電気料金の値上げといった形で需要家に負担が転嫁されることになりかねませんし、場合によっては、国民全体で負担しなければならなくなる可能性もあります。このため、四国電力として、現時点においては廃炉について軽々に判断することはできないのではないかと考えているところでございます。 次に、6月議会で「巨大地震の影響について県として専門家の意見を聞く」と答弁したが、どう実施し、その結果はどうであったのかとのお尋ねがありました。 南海トラフの巨大地震については、多くの県民の皆様が不安を感じているところであり、伊方原発に与える影響について検証し、確認することは、必要不可欠であると考えております。 これまでの四国電力との勉強会において、南海トラフの巨大地震による伊方原発への影響については、新想定後のデータに基づき精緻な検証を行った結果、133ガルと基準地震動を下回る結果であったとの報告を受けています。 これを受けまして、その内容について、地震に関する専門家である高知大学の岡村教授を訪問し、御意見を伺っております。 その結果、南海トラフの巨大地震については、震源からの距離があり、現在の想定で十分であるとの見解をいただきました。一方、伊方原発の敷地前面海域の断層群については、より広い範囲の連動をも想定した対応が必要ではないか、震源を特定しない地震については、より激しい揺れを想定すべきではないか、敷地前の活断層が動いた場合のS波とP波の敷地への到達時間を考えると、制御棒の作動が間に合わないのではないかといった御指摘をいただいたところであります。 これらの御指摘も含め、地震に対する安全性の確保について、四国電力との勉強会において、しっかりと確認してまいりたいと考えているところでございます。 次に、過酷事故時にフィルターを素通りするキセノンなど希ガスも含めた被曝の影響について、どう認識しているのかとのお尋ねがありました。 国の原子力災害対策指針、いわゆる防災指針におきまして、原子炉施設等における事故時に、周辺環境に異常に放出され、広域に影響を与える可能性の高い放射性物質として、キセノン等の希ガスも位置づけられております。 防災指針では、原子力施設において、希ガスの放出が起こるような異常事態の発生またはそのおそれがある場合には、国は地方公共団体の協力を得て緊急時モニタリングセンターを立ち上げ、センターの指揮のもと、緊急時モニタリングを実施するとともに、住民等に対して気密性の高い場所への移動や放射線の遮蔽効果が高い場所への退避などを指示するなど、必要な対策をとるようになっております。 あわせて、緊急時の対応が迅速かつ的確に実施できるように、国、地方公共団体、原子力事業者は、それぞれの行動計画を策定して関係者に周知するように定められているところでございます。この定めに沿っての対応を進めていく必要があろうと考えております。 次に、実効ある避難対策が完成していないのに、再稼働などあり得ないのではないかとのお尋ねがありました。 原発の再稼働に当たっては、施設の安全性の確保とともに、避難対策は、車の両輪のごとく重要な要素であると考えます。政府においては、原子力発電所の所在する地域ごとにワーキングチームを設置し、関係自治体の地域防災計画及び避難計画の充実化を支援する方針を示しております。 なお、伊方原発につきましては、30キロ圏内の市町村全てが原子力災害に備えた地域防災計画の策定を終えており、愛媛県においては、地域防災計画の修正及び原子力防災に係る広域避難計画を策定し、公表されております。 本県におきましても、高知県地域防災計画に原子力事故災害に対応する章を新設しましたほか、事故発生時に県の実施する具体的な対策を示した高知県原子力災害対策行動計画を現在策定中であります。 次に、SPEEDIを用いた放射性物質の拡散予測の提供についての国への要望に関するお尋ねがありました。 お尋ねにありましたとおり、本県のような原発から30キロ圏外の自治体も、SPEEDIを用いた放射性物質の拡散予測に基づき、その影響範囲を事前にシミュレーションできるよう、昨年8月と9月に、全国知事会として国に要望してまいりました。その結果、昨年10月に、国から各原発において福島第一原発と同量の放射性物質量が放出された場合と、各原発の規模に応じて放出された場合の拡散予測シミュレーションの結果が公表をされております。 この結果によれば、伊方原発による影響の範囲は30キロ圏内にとどまることが示されましたが、新たな国の原子力災害対策指針では、屋内退避や避難などの防護措置を実施する際の指標が、SPEEDIによる予測線量から、災害発生時のモニタリングによる実測値によることに変更となっております。 したがいまして、本県は30キロ圏外ではありますが、放射線を実測し、その結果に応じた対応をとる必要がありますことから、県では、実際に原子力災害が起こったときの緊急時モニタリングや除染の実施、健康相談窓口の設置など、実効的な対策を盛り込んだ行動計画の策定を現在進めているところでございます。 次に、生活保護基準の引き下げの中止を国に求めるべきだとのお尋ねがありました。 今回の生活保護基準の見直しは、国の社会保障審議会の中に設置された生活保護基準部会が、見直し前の保護基準と一般低所得世帯の消費実態を比較してその乖離の状況を詳細に分析した検証結果と、前回の平成20年の生活保護基準の見直し以降の物価動向等を勘案して実施されたものだと受けとめています。 現在、生活保護基準が引き下げられたことによる生活保護受給者の方々の日常生活への影響などにつきまして、県下の福祉事務所を通じてその状況把握に努めているところであります。 他方、今後発生します公共料金等の引き上げや食料品等を中心とする物価の動向、あるいは消費税の引き上げが決定された場合の影響などにつきましては、生活保護受給者の方々にとりまして、状況によってはさらなる負担となる可能性もございますので、生活保護受給者の方々への相談、支援の取り組みにつきましては、これまで以上に丁寧に行っていく必要があるものと考えています。 このため、今後とも、今回の生活保護基準の見直しによる影響をよく見きわめ、具体的に生活が苦しくなったという状況などが多数把握できれば、必要な機会を捉え、国に対してその実態を伝えていく必要があるものと考えているところでございます。 次に、土佐電鉄に関するお尋ねでございます。 まず、外部調査委員会の報告書で、「現役の暴力団に対する一定の影響力があったと思われる」と記載されていることに関して、その根拠と認識について、また、暴力団排除条例Q&Aにある「5年」の根拠及び「一定の影響力があった」とする指摘との矛盾についてお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えをいたします。 外部調査委員会からは、暴力団関係者により告別式が開かれたという事実をもって、一定の影響力があると推認した旨を述べたものであり、暴力団員に当たるかどうかは、公的に示される判断基準に基づき検討する必要があるという観点から、県警による暴力団排除条例Q&Aを基準として判断したとお伺いをいたしました。 多くの県で、暴力団排除条例の条文の中では、「暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者」を暴力団等として規定していることから、全国的な状況を見ましても、「5年」は一般的な基準ではないかと受けとめています。 他方、矛盾があるとの御指摘は、現役の暴力団員に一定の影響力があると思われるとしながら、引退してから5年以上経過しているから不問にするというのはおかしいのではないかという御指摘かと思います。 今回のケースでは、引退してから5年以上経過していることのみならず、条例施行時には既に亡くなっていたことから暴力団員等に当たらず、また、その人物との関係によって、土佐電鉄が現役の暴力団員との面識や関係を有するに至る契機があったとは認められないことから、条例上問題になるような影響も認められないという判断が、この報告書においてなされたものと受けとめています。 県としましては、報告書にもありますように、条例に抵触するものではないものの、「暴力団に一定の影響力があったと思われる人物との関係の維持が株主との関係において有益になると判断していた可能性は否定しがたい」との報告書の指摘を、土佐電鉄には、まさしくコンプライアンス上の問題として、厳しく受けとめてもらう必要があると考えているところでございます。 次に、元会長と元社長の言動は、コンプライアンス上極めて問題とされているが、どの法令を遵守していないのかとのお尋ねがありました。 コンプライアンスには、単に法令遵守という意味だけでなく、広く社会的規範や企業倫理といったことも含まれておるものと考えております。今回の報告書では、元会長と元社長の一連の言動が、そのような規範や倫理面から見て不適切であると指摘されているものと受けとめているところでございます。 次に、県として、全容解明のためにイニシアチブを発揮し、高知市に株主代表訴訟を提起、協議してはどうかとのお尋ねがありました。 このたびの土佐電鉄の一連の問題に関しては、県としましては、これまでも事実解明や再発防止策に関して、指導、助言を行ってまいりました。先般開催された中央地域公共交通再構築検討会においては、議会等からの御意見も踏まえ、副知事から優待航空券問題も含め、会社としてなすべきことについての助言を行っております。 土佐電鉄においては、一連の問題などに対する外部からの意見や助言等に対処するため、社内にコンプライアンス諮問委員会を設けておりますことから、そうした仕組みも活用して県民の疑念を払拭し、信頼回復に取り組まれるものと期待をしております。 株主代表訴訟につきましての御質問でございますが、県がそうした株主の権利行使に関して関与する考えはございません。 私からは以上でございます。   (林業振興・環境部長田村壮児君登壇) ◎林業振興・環境部長(田村壮児君) 原発再稼働の問題に関連し、四国電力の2012年度決算では、原発の固定費を除くと黒字だったことが明らかとなっているが、値上げのお願い文書には全く触れられておらず、事実をきちんと伝えるべきではないか。また、今後も発電に寄与しない固定費について明らかにすべきではないかとのお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えいたします。 まず、四国電力は、料金値上げのお願い文書で原発ゼロを仮定したときの説明を加えるべきではないかとの御指摘についてでございますが、四国電力における今回の電気料金の値上げは、国で定められた手続に従い、原発関連の費用も含め、料金に反映されるコストなどがさまざまな観点からチェックされた上で認可されております。原発ゼロを仮定することは、そうした料金改定のルールや経緯と余り関係がないため、値上げのお願い文書で触れていないものと受けとめております。 また、今後も発電に寄与しない固定費についてのお尋ねにつきましては、原発の廃炉を決めていない以上、現在稼働していない原発に関連する費用も、少なくとも現時点におきましては、今後も発電に寄与しない固定費との位置づけにはなっていないものと認識をしております。   (教育長中澤卓史君登壇) ◎教育長(中澤卓史君) 高校授業料無償化に関して、所得制限を導入するのではなく、国が教育予算を増額するべきではないか。また、所得制限を導入しないよう国に要請すべきではないかとのお尋ねがございました。関連いたしますので、あわせてお答えをさせていただきます。 教育のための予算について、国は、新しい教育振興基本計画で、「OECD諸国など諸外国における公的な財政支出など教育投資の状況を参考とし、(中略)真に必要な教育投資を確保していくことが必要である」としており、厳しい財政状況のもとにあっても必要な予算の確保に努めていただいていると受けとめております。 一方で、教育の振興を実現していくために、現実の問題として、限られた財源をどのように活用していくかということにつきましては、高等学校の授業料の無償化だけではなく、例えば、幼児教育に係る保護者負担の問題や義務教育充実のための少人数教育の推進など、数多くの課題に対して、全体として最適となる政策を実行していくことが必要となってまいりますので、それぞれの施策について費用と効果を検証しながら、真に必要な施策を実行していくことが求められると考えております。 世帯の所得にかかわらず、一律の就学支援を基本としている現在の授業料無償化制度においては、無償化前から授業料が全額免除されていた低所得者には恩恵が届かず、授業料以外の教育費が依然として大きな負担になっていることや、私立高校では就学支援金が支給されても授業料の一部負担が残っていることなどの課題が指摘をされております。 国において検討されている制度改正は、こういった課題に対応するために、所得制限を設けることで、生み出された財源を活用して、低所得者支援のための給付型奨学金の創設や、公私間格差の縮小のために私立高校生対象の就学支援金の加算の増額などを行い、実質的な教育の機会均等の実現を図ろうとするものでございます。 本県の経済状況や家庭の実態を勘案しますと、こうした低所得者支援のための給付型奨学金の創設や本県教育に役割を担う私立高校への就学支援金の拡充などは、本県にとっても意義のあるものと考えます。 現在、国において見直しの議論が進められておりますので、保護者や学校現場の負担軽減を含めて、新しい制度がより課題の解決につながりますよう、十分議論を尽くしていただきたいと思います。県教育委員会としましても、今後ともその議論を注視するとともに、関係団体と連携のもと、地方の実情を踏まえた提言などを行ってまいります。 次に、生活保護基準の見直しに伴う就学援助制度への影響をどう認識しているか、また、国がそのための財政保障をすることを強く働きかけるとともに、現行水準の維持・改善を図るべきではないかとのお尋ねがございました。 基準の見直しに伴いまして、経済的理由により子供たちの教育を受ける機会が妨げられるといった影響がないようにすることが重要であると考えております。また、国においても、この見直しが就学援助などのほかの制度へできる限り影響が及ばないように、それぞれの制度の趣旨や目的などを十分考慮しながら対応することを基本的な考え方としております。 就学援助制度は市町村において実施されているものですが、生活保護世帯への就学援助に係る事業費は国の補助対象となっており、今年度当初に要保護者として就学援助を受けていた世帯で、特に困窮していると市町村が認めた世帯については、今年度中は引き続き補助の対象とされております。また、市町村が独自の基準を設けて実施している準要保護者への就学援助についても、生活扶助基準の見直しに伴い、援助が受けられなくなるといった事態が生じないように、各市町村で対応していただいているとお聞きしております。 市町村がこの就学援助制度を平成26年度以降も継続して運営していくために、国の財政措置が確実に実施されていくことが必要であると考えておりますので、今後とも全国都道府県教育長協議会などを通じまして、十分な財源措置が講じられるよう国に要望をしてまいります。   (地域福祉部長井奥和男君登壇) ◎地域福祉部長(井奥和男君) まず、生活保護基準額の引き下げに関連して、生活保護受給者の生活実態などについての認識、審査請求に関しての所見、子育てや教育への影響、生活保護受給者への周知徹底などといった一連のお尋ねがありました。関連いたしますので、あわせてお答えいたします。 今回の生活保護基準の見直しに際しては、生活保護受給者への事前の周知を徹底するよう、6月に県下の各福祉事務所に通知を行い、全ての福祉事務所において、担当ケースワーカーが定例訪問の際に、今回の見直し内容についての説明を行っております。あわせて、高知市を初め香美市、南国市、土佐市、四万十市、土佐清水市の各福祉事務所においては、お知らせの文書を配布するなどの周知徹底を図るための取り組みをいたしております。 また、基準が改定されました8月からの生活保護支給額の変更につきましては、事前に生活保護受給者世帯に対して変更決定通知を行いますとともに、個別の問い合わせがあった場合には、担当ケースワーカーがより丁寧な説明に努めてきたところですが、今後とも、見直しの内容については、なお一層の周知徹底を図ってまいります。 次に、今回の生活保護基準の見直しの影響による生活保護受給者の方々の生活実態などへの認識でございますが、直接お話を伺ってはおりませんが、今回の見直しに際して、39件もの審査請求がありましたことから、引き下げについての御理解をいただけていない方々が県下にいらっしゃるということも事実だと受けとめております。 今後とも、福祉事務所を通じまして、生活保護受給者の方々の生活実態などの把握に努めますとともに、困って福祉事務所に相談に来られた方々に対しましては、相談内容を十分に酌み取り、適切な対応を心がけてまいります。 また、今回の生活保護基準の見直しで、全国各地において不服を申し立てる審査請求が提出されていることは承知しておりますが、県に提出されました審査請求につきましては、該当する処分庁の福祉事務所に対し、弁明書の提出を求めるとともに、審査請求された方々には、弁明書に対する反論書の提出をしていただくなどの法手続を経た上で、適正な審理に努めてまいります。 次に、子育てや子供の教育への影響でございますが、今回の生活保護基準の見直しにおいて、教育扶助費についての改定はなされておらず、これまでと同様な支給がされており、改めての実態調査を行う予定はしておりませんが、生活保護を実施していく上で、子育てや子供の教育に配慮することは大変重要なことだと認識しております。 このため、県では、幡多を除く4つの福祉保健所において子育て支援専門員を配置し、子育てや教育に関するさまざまな相談に応じるとともに、学校等の関係機関とも連携して、不登校などの問題への対応や学習習慣の確立に向けた支援などを実施しているところです。 今後とも、子育て支援専門員の活動などを通じまして、今回の見直しが与える子育てや教育面での影響などにも留意しながら、こうした生活保護受給者世帯を対象とします子育てや教育に関する支援に積極的に取り組んでまいります。 次に、生活保護基準の引き下げに伴う、他の制度への影響についてのお尋ねがありました。 政府では、今回の生活保護基準の見直しができるだけ他の制度に影響を及ぼさないようにするという対応方針を、本年2月の閣僚懇談会において全閣僚が申し合わせているところです。県といたしましても、こうした対応方針について、2月に庁内で情報共有を図りますとともに、5月には国からの正式通知を受けまして、政府の対応方針を踏まえた対応を、関係部局を初め各市町村に文書で要請をいたしました。 生活保護の基準額を目安にして設計されます住民税の非課税限度額については、平成26年度の地方税制の改正作業において決定されることとされ、住民税の非課税限度額に連動する他の制度においては、その結果を受けてからの対応となりますが、国の対応方針に沿って、影響が及ばないような対応がなされるものと考えております。 また、生活保護費の基準を参照するその他の制度につきましても、生活保護費と同様の支援給付となる一部のものを除きまして、影響が及ばないような配慮がなされるものと考えております。 今後とも、今回の生活保護基準の見直しに伴う他の制度の影響についての情報収集に努めてまいりますとともに、国の対応方針の周知の徹底を図ってまいります。 次に、未婚のひとり親家庭に対する寡婦控除についてのお尋ねがありました。 本県において、婚姻歴の有無を問わずひとり親家庭に支給される児童扶養手当の受給者のうち、未婚のひとり親家庭は平成25年6月末現在で879世帯となっており、家族の形が多様化する中、全国と同様に増加する傾向にあります。 こうした家庭への支援策のあり方などについては、現在、国の専門委員会において検討がなされており、8月の中間取りまとめでは、未婚のひとり親を寡婦控除の対象とすべきとの意見や、寡婦控除をみなし適用する取り扱いを望む意見があったものの、寡婦控除の税制上の趣旨や、みなし適用した場合の財源の問題などにも留意する必要があるとされております。 また、あわせて、税制の見直しの議論において、寡婦控除などの人的控除については、個人のライフスタイルに影響されない中立的な税制に是正する観点から、簡素化、集約化を進める必要があるといった意見もありますし、議員の御指摘にもありました、民法の遺産相続規定についての最高裁の違憲判断の影響などといったことも考えられます。 県としましては、未婚のひとり親家庭の厳しい生活の実態を踏まえ、婚姻歴のあるひとり親家庭と同様の扱いにすべきという意見があることは承知しておりますが、この問題については、今後とも国において制度の趣旨等を踏まえ、多方面からの検討が加えられるべき問題だと考えており、その動向を注視してまいりたいと考えています。 なお、公営住宅の家賃や保育料などへの寡婦控除のみなし適用の件につきましては、結果として市町村に財政負担が生じますことから、各市町村の自主的な判断のもとに行われる必要があるものと考えますし、県から市町村に対して一律的な適用を求めるといったことは、かえって市町村間にばらつきを生じさせ、根本的な問題解決にはつながらないことから、難しいものと考えております。   (選挙管理委員長恒石好信君登壇) ◎選挙管理委員長(恒石好信君) 土電問題についての項目のうち、個人所有の優待航空券を不特定多数の有権者に配ったことは、公職選挙法に抵触するのではないかとのお尋ねがございました。 議員御指摘の事案につきまして、選挙管理委員会は事実関係を把握しておりませんし、また把握する立場にありませんので、法制度の枠組みとその解釈について、あくまでも一般論としてお答えをさせていただきます。 公職選挙法第199条の2第1項では、公職の候補者等の寄附の禁止について規定されており、公職の候補者等がその選挙区内にある者に対して寄附を行うことは、親族に対してする場合など一定の場合を除いて禁止されております。 この規定にあります「公職の候補者等」とは、現に立候補している者、立候補の意思を有している者、さらには現在選挙によって公職についている者の全てが該当することになります。 また、「選挙区内にある者」とは、その者が選挙権を有するかどうかにかかわらず、その選挙区内に住所などを有する者はもとより、その選挙区内に住所などを有しない者でも、寄附を受ける際にその選挙区内に滞在する者も該当することとなります。 次に、「寄附を行うこと」の「寄附」とは、金銭、物品その他の財産上の利益の供与や交付、またはその約束であって、会費や党費を初めとした債務の履行としてなされるもの以外のものが該当します。 また、「その他財産上の利益」とは、選挙の公正を確保するという観点から、金銭以外の有体、無体の財産上の利益を言い、必ずしも客観的交換価値のあることを必要とせず、客観的に見てたとえ無価値のものでも、受ける側で主観的に財産上の価値があると認める場合も含まれると広く解釈されているところであります。 お尋ねの事案が公職選挙法に抵触するかどうかにつきましては、先ほど申しましたが、選挙管理委員会は個別の事案についての具体的な事実関係を調査、判断する立場にないことから、お答えすることができません。個別の事案が公職選挙法に抵触するかどうかにつきましては、法と証拠に基づいて司法の判断に委ねられるものであります。 以上でございます。 ◆36番(中根佐知君) それぞれに御答弁ありがとうございました。 幾つか再質問をさせていただきます。 まず知事に、日米共同統合防災訓練についてお伺いいたします。 けさ、防衛省のほうから説明があったというふうにお聞きしました。安全確保を確認すればというお話をされていましたけれども、きょうの説明で、知事は安全確認ができたというふうに思っていらっしゃるお立場なのか、それをちょっと、もう一度確認をさせていただきたいと思います。 今後も詳細な説明を求めていくというお話もありましたけれども、もう既に、きょう10月に入りまして、余り日時がないものですから、どのあたりをタイムリミットとして置かれているのか。そのあたりもあわせて、いつ防衛省に回答を求めていくのか、それによって判断をどうするのかというあたりのタイムリミットも教えていただきたいというふうに思います。 やっぱりオスプレイが防災訓練に入っていくという点は、これまで私たちも何度も指摘をさせていただきましたけれども、オスプレイそのものが安全でない、事故が次から次へと起こっているということで、どうしても安全であるというふうには見ることができないというふうに考えています。 例えば、先日、ボーイング787でしたか、バッテリーがこぼれたり、それから燃焼したりしていろんな問題があったときにも、ボーイング787を使っている会社は全てそれをストップさせて、原因究明をきちんとして、その後再び飛ばすというふうなことをやりました。 このオスプレイの問題は今も、ネバダ州の8月の事故もまだ詳細は不明だということが、けさの会見でも言われているという状態ですから、そうした意味で、安全に万全を期すというのは一体何をもって万全を期すというのかというあたりが大変心配です。 ぜひとも、防災に名をかりて、こうした安全基準がずるずるとなってしまって、日米地位協定そのものが高知県にも入り込んでくるということがないようにしていただきたいなというふうに思いますが、その点はどうでしょうか。 それから、沖縄では、日米地位協定が全く守られていません。そのことを大変危惧するところです。何をよりどころにして私たち県民の安全を図るというのか、その点も御意見をもう一度聞かせていただきたいと思います。 それから、原発再稼働の問題ですが、四電などの決算、それから値上げの問題でも、原発をなくすということを考えていないから、これは入れていないのは当然でしょうというお答えが林業振興・環境部長からもありましたけれども、知事に伺います。 やっぱりやめない限り処理の費用はかさむわけで、だから動かすしかないというふうなことになれば、負のスパイラルに陥っていく。本当に自然エネルギーに転換をして、安全な環境をつくっていくためには、やっぱりそこを飛び越えた判断が、日本の国にも、それから私たち一人一人にも必要ではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。 それから、教育長にもう一度伺います。 教育の機会均等、これが今回の所得制限を持ち込むことで崩されることはないというふうなお答えだったというふうに思います。私自身は、国際公約そのものも踏みにじって所得制限を入れていくということ自体が、教育の機会均等を崩すものになるというふうに考えます。 低所得者の皆さんへの対応は、その後の国の判断で新たな制度をつくるべきであって、そのあたりを仕分けて考える必要があるのではないかと思いますが、もう一度、答弁をお願いいたします。2問です。 ◎知事(尾崎正直君) 日米の防災訓練について幾つか御質問をいただきました。ちょっと順番が逆になるかもしれませんが、御質問の点についてお答えをさせていただきたいと、そのように思います。 防災に名をかりて安全の点がずるずるになったりとか、さらには日米地位協定が全く確たる議論もなしにずるずると入り込んでくるとか、防災であればいろんなことがなし崩し的に物事が進んでいくということに、それは当然ならない、そういうことにはならないようにしなければいけないというのは、もう皆さんの共通の認識ではないのかなと、そのように考えております。 ただ、従前より申し上げておりますように、この東日本大震災でも不可欠であった、米軍を初めとする外国からの支援。南海トラフ巨大地震、これ場合によっては、東日本大震災よりも何倍もの被害が想定されておるわけであります。東日本大震災でも不可欠であったもの、南海トラフ巨大地震においてはなおさら不可欠、不可欠なのであれば、早く早くからしっかりと訓練をしておいたほうがいいということ、これはいざというときの県民の皆様方の命を守るために、本当にその考え自体は、私は間違っていないと、そのように考えているところです。それが1点。 安全のよりどころは何かというお話が3点目にございました。結局、事故そのものの詳細な検証というのは物すごく細かい点について、あんなこと、こんなこと、いろいろ時間をかけて検証していくということになる場合が多いのでしょう。しかしながら、こういう状況下において事故が起こった、そういう状況下というのは避けましょうと、人家の上ではとか、そういうことの検証は一定できるんだろうと思うんですね。 このたび、オスプレイの訓練について日米合意がなされています。これは過去起こった事故を見て、それが起こったような状況というのは、人家の上では避けましょう、例えばそういうことを考えてつくられたものだというふうに考えています。例えば、可変をするときには、できるだけ人家の上は避けましょうとか、そういうことを合意したのではないかなというふうに思います。 日米合意、これをしっかりと守っていただくということ、これがまずは何といっても安全のよりどころの第1ではないかなと思っているところです。 以上を前提にして、最初の御質問でありますが、その防災訓練、きょうの説明によって安全確認ができたと思っているのかというお話でございます。 きょういただいた御説明によりますと、先ほど申し上げました日米合意、これを守るという姿勢でもってのお答えをいただいたというふうに思っているところです。できるだけ海上を飛ぶ、可変するときに当たっては、できるだけ海上で行うようにするでありますとか、そういうお話をいただいたようでありますので、基本的には日米合意、この取り決めに沿った御対応をいただくという姿勢をお示しいただいたものと思っています。 ただ、訓練の詳細についてはまだ明らかにされているわけではありません。そのような御姿勢で行っていただくということ自体はありがたいことですが、その御姿勢が実際の訓練において、具体的にちゃんと体現されておるかどうかということを我々はこれから見きわめていかなければならないのだと思っています。ぜひ実際の訓練においてもそうなりますようにお願いしますよということを、きょうも改めて強くお願いをしたということかと思っています。 そのリミットについてですが、きょう日程とかがもう少しわかるのかなと思っておりましたが、残念ながらわからなかったそうであります。できるだけ早く教えてくださいということを従前より申し上げてきているところでございますが、済みません、ちょっとリミットといいますか、できるだけ早く教えてもらいたいというのが我々の思いということであります。 原発についてでありますが、とめてもとめなくても、いずれにしても原発については費用がかかってまいります。ただ、現実問題、この原発が今すぐ完全に停止をしてしまって、先々にわたって安定的に安価な電力を確保できるのかというと、やっぱりそこも現実問題として見きわめていかなければいけない焦点なのではないのかなと思っています。 私、この電力の問題は前から申しておりますように、やはり現実的な視点は必要だと思います。ただ、現実的な視点にのっとって対応するにしても、大きな方向感の見定め、これを絶対に忘れてはいけないと、そのように思っています。徐々に徐々に依存度を引き下げていく、さらには自然エネルギー、蓄電、節電、こういう技術をしっかり開発していって、いずれは頼らなくても済むような時代が来るように、そのときを目指していく。時々の状況に応じて現実論を見据えないといけないとしても、この大きな方向感を忘れない、そうすることが大事かなと、そのように考えておる次第です。 ◎教育長(中澤卓史君) お答えいたします。 教育予算を大幅に増額して、現在の高等学校の授業料の無償化プラス低所得者層に対する財政支援措置ができるのであれば、それにこしたことはないというふうに思っております。しかしながら、現実の問題として、教育はさまざまな分野にお金が必要でございまして、今、我が国では、消費税を増額してでもそのうちから7,000億円を就学前の教育に充てようとしております。 一方ではまた、大学教育に対する負担も課題となっております。財源というものは限られておりますので、そうした状況の中で、現在の高等学校の一律無償化という制度、同じ税金を使うのであれば所得制限を導入して、それで浮いたお金でより経済的に困難な立場の方に高等学校教育を保障する、こういうことは今の制度よりもベターである、こういう趣旨でお答え申し上げたものでございます。 ◆36番(中根佐知君) ありがとうございました。 最後ですが、教育費に所得制限を用いるということは、所得そのものをどう見るかという大問題も含まれていますので、今後とも議論をしていきたいと思います。どうもいろいろありがとうございました。 ○副議長(黒岩正好君) 暫時休憩いたします。   午後2時58分休憩---------------------------------------   午後3時20分再開 ○議長(森田英二君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 25番横山浩一君。   (25番横山浩一君登壇) ◆25番(横山浩一君) 県政会の横山です。議長に許可をいただきましたので、以下一般質問を行います。 まず、知事の政治姿勢についてであります。 日本にとって待望の、2020年、東京でのオリンピック夏季五輪、パラリンピック大会の開催が9月8日に決定いたしました。日本は、2011年3月の国難とも言える多くの犠牲者を出した東日本大震災が起こり、同時に福島第一原子力発電所の爆発、それによる放射性物質による汚染の問題等で、危機感、閉塞感が漂う中、安倍首相を先頭に国民が一致団結しての、56年ぶりとなる第2回目の開催決定の快挙であります。開催を勝ち取りましたことは、日本にとって大きな自信と喜びであり、今後は一致協力して全世界に震災復興の姿を、そして後世に誇り、残せる大会となるよう願うところです。 そこで、知事に、オリンピック大会が東京で開催される意義と大会への期待についてどのように考えていられるのか、お尋ねいたします。 次に、昨年発足した第2次安倍内閣では、これまでの長く続いたデフレ不況の脱却を図るために、3本の矢から成る経済政策アベノミクスで、経済改革を強力に推し進めようといたしております。 その第1の矢は、デフレマインドの一掃を図るために、日銀による大胆な金融緩和策をとりました。次に射た第2の矢は、沈滞している経済を活性化するために、公共事業などを大幅に取り入れた、積極的で機動的な15カ月予算を組んだところです。そして最後の矢は、これからの秋の臨時国会の場で議論が深まると思いますが、企業や国民の自信を回復し、期待を行動に変える新たな成長戦略の投入となっているところです。 その3本の矢の上に、今回、新たに強力な矢が加わりました。それは、前段で述べました2020年の東京オリンピックの開催であります。アベノミクス、震災復興、東京オリンピックの開催などで、今後日本がどのように発展し変貌するのか、世界中が期待し注目をいたしていると思います。 そこで知事に、本県では知事を先頭に産業振興計画を推し進めながら、経済の活性化を図っているところですが、今回閣議決定がなされております日本再興戦略へ、本県の経済の活性化をどのようにリンクしていくのか、知事にお尋ねいたします。 次に、成長戦略での具体的な取り組みの中に、女性や若者、高齢者などの活躍の推進があります。過疎化、高齢化が全国に先駆けて進み、人口減少が続く中で、労働力人口の少ない本県にとって、これらの方々が活躍できる環境づくりは非常に重要であります。県として今後どのように取り組みを進めていかれるのか、知事にお尋ねいたします。 次に、我が国の社会保障制度の将来像を議論いたしておりました社会保障制度改革国民会議は、この8月、最終報告書を政府に提出いたしました。報告書では、年金や医療・介護の負担割合や、これまでは高齢者に手厚いとされる社会保障を全世代型に改め、所得の高い人には年齢を問わず負担を求めていく内容となっています。政府は、改革の手順やスケジュールを大綱としてまとめ、秋の臨時国会にプログラム法案としての形で提出するとのことです。 今回の国民会議の最終報告において、人口が減少し、高齢者や低所得者が多い本県にとってどのような影響があると考えておられるのか、知事にお尋ねをいたします。 次に、今回の国民会議の最終報告で、特に県行政とかかわりのある国民健康保険制度についてお尋ねいたします。 国民健康保険は、市町村が運営者となっているところですが、国民会議は運営者を2018年までに都道府県に移管し、給付に責任を持たせる方針を示したところです。これは、国保財政の強化とともに、地域の実情に合った医療計画の策定に対し、知事に責任を持ってもらう狙いがあるようです。 また、国保は無職の人や非正規雇用労働者の加入がふえて保険料収入が低迷し、2011年度では、市町村が一般会計より3,508億円を補填しており、これを差し引いた全体の実質赤字は3,022億円に達し、零細自治体分も含めて都道府県が全体を抱えることで、国保財政の安定化を目指すことができるとのことです。 ただ、デメリットもあるようで、今後、国保を都道府県に移管するまでに、知事を中心とした医療提供計画の中で、新しい国保制度の形ができ上がるものと思われます。国保の都道府県移管について、知事会でもこれまで意見が分かれているとも聞きます。 生活弱者の医療におけるセーフティーネットとも言える国民健康保険制度を、市町村との役割分担を図りながら、県が国保の運営をすべきと思いますが、国民会議の最終報告が閣議決定された中での、改めて知事の見解をお聞きいたします。 また、国保運営を県が引き受けることで、県の人や財政負担はどのようになるのか、以上あわせてお尋ねいたします。 次に、高知おおとよ製材への今後の支援についてお尋ねいたします。 本県の山が動き出しました。これまで長い間にわたり誘致着工を働きかけていました岡山県の大手集成材メーカー銘建工業を核として、四国最大級とも言える木材加工施設の高知おおとよ製材が完成、始動いたしました。 本県は県土の84%が山林で、戦後その恵まれた山の資源を活用し、各自治体の将来の財源確保や林業者の仕事、資産形成などのために、国策を積極的に活用し、植林や造林事業などの山への投資を行ってきたところです。 今、山の伐期を迎えた中で、輸入自由化などによる外材の輸入量の増大、木材住宅建築の落ち込み、原木価格の低迷などで林業は大変厳しい時を迎えています。その打開策として、県においては、全国規模で競争できる大型製材工場の誘致が長年の念願でしたので、高知おおとよ製材の始動は大変に喜ばしいところで、今後、高知県の山が息を吹き返すきっかけとなり、県内の林業振興につながることを願うところです。 そこで、今後の高知おおとよ製材の成功を左右する原木確保と商品の販売網の整備促進について、県はどのように支援をしていくのか、知事にお尋ねいたします。 次に、シキボウ跡地の活用についてお尋ねいたします。 県は、県土地開発公社が所有しているシキボウ跡地の活用について、高知赤十字病院の移転と高知市が建設を目指す北消防署の新設をあわせて検討し、県都の防災拠点として整備する方針を、県市連携会議で合意したところです。 シキボウ跡地につきましては、県土地開発公社が1994年3月、シキボウの撤退を受け、工場跡地の東側部分約5万5,900平方メートルを総額55億8,300万円で購入、将来の有効活用に備えての購入で、その後、活用策について議会の場においても議論がなされたところです。 今回の県都の防災拠点としての活用は、特別委員会での東日本大震災の復興状況の視察において、石巻市の赤十字病院を視察し、赤十字病院の移転経緯や、災害拠点病院として東日本大震災で病院の果たした機能や役割について、映像を交えて詳しい説明を受けた後日の、本県の高知赤十字病院のシキボウ跡地への移転発表でありましたので、意を強くしたところであります。 知事は、「丁寧にプロセスを踏んで検討を進めたい」と話されていますが、今後どのような形で進めていくのか、お尋ねいたします。 次に、シキボウ跡地の活用は、県、高知市、高知赤十字病院3者での開発計画でありますので、今後進めていく中で3者での開発協定が必要とも思えますがどうか、あわせて知事にお尋ねいたします。 次に、総務部長にお尋ねいたします。 現在のシキボウ跡地の面積は、一部を四国財務局に売却した残りの4万3,700平方メートルであります。今後の土地利用方法について、高知市北消防署が建設される土地を除き、高知赤十字病院に全部あるいは一部を売却か、また、高知赤十字病院の跡地と評価額での交換等々の方法が考えられますが、どのようなケースを想定されているのか、お尋ねいたします。 次に、土木部長にお尋ねいたします。 最近の高松国税局による路線価の公表では、高知県の土地の路線価が下落傾向にあり、ことしも昨年よりも6.2%の下落率で、下落は3年連続となっています。シキボウ跡地の現在の評価額はいかほどになっているのか。また、1994年の土地購入時以来借入金が生まれ、それに金利負担などが発生しているとも思います。これらを積算した平米当たりの単価は現在どのようになっているのか、あわせてお尋ねをいたします。 この項最後に、シキボウ跡地に新設が予定される高知赤十字病院の災害拠点病院としての機能充実や、移転する高知赤十字病院の跡地周辺支援について、県の十分な配慮と取り組みを要請いたしておきます。 次に、南海トラフ巨大地震対策についてお尋ねいたします。 まず、日米共同統合防災訓練についてであります。 防衛省より、日米での共同統合防災訓練実施の発表が9月6日にありました。発表によりますと、本県では10月下旬に、南海トラフ巨大地震を想定した日米共同統合防災訓練で、その訓練に米軍新型輸送機オスプレイが参加することを県に伝えてきたところです。 本県では、2011年3月に起きました東日本大震災を教訓として、万が一に備えての防災・減災避難訓練などを行っているところであります。山が多く、山裾を走る海岸線が長い本県において、南海トラフ巨大地震が発生した場合、揺れや津波で道路や港湾は至るところで崩壊し寸断され、孤立集落が県下一円に広がります。そのような状況の中での救助活動は難航することが予測され、それゆえに自衛隊などによる救助支援活動は欠かせません。 今回の日米共同統合防災訓練は、東日本大震災でのアメリカ軍によるトモダチ作戦が被災者の救助活動などに大いに役に立った。そのことを受けての日米での共同統合防災訓練となったと考えるところです。 訓練内容についての中国四国防衛局の説明では、オスプレイを含む米軍機は、海上捜索と救難、患者搬送訓練で、本県沖の海上自衛艦「いせ」から米軍岩国基地に救助搬送を行い、孤立地域への物資空輸では、岩国基地と土佐清水市の航空自衛隊土佐清水分屯基地、香南市の陸自高知駐屯地との往復が想定されているとのことです。 将来の南海トラフ巨大地震による大災害を考えたとき、それに備えての日米の共同統合防災訓練は非常に有意義であると思いますし、今後においても機会を捉え、安全性を確保し行うべきだと思います。 そこで、知事にお尋ねいたします。 今回の日米共同統合防災訓練を行うに当たり、大きな懸念の一つが、訓練に参加が予測される新型輸送機オスプレイにあろうかと思います。知事は以前より、オスプレイの墜落事故を受け、その安全性を心配されているところです。 今回の本県での日米共同統合防災訓練における安全確保について、日米共同統合防災訓練の本県での実施とオスプレイが参加予定となった背景などの6項目を、県下で訓練予定地となっている土佐清水市、香南市、室戸市とともに、訓練の安全性の確保と詳細な内容の早期説明を求める連名の要請書を、小野寺防衛相に郵送で提出されたところです。 この要請書については、返答がけさ届いたところですが、特に関心の高いオスプレイの飛行ルートについては、努めて洋上を飛行し、人口密集地、公共施設などの上空を避けて飛行するなどの安全確保策となっているところですが、さらに、国に対し安全な日米共同統合防災訓練を強く要請した上での実施受け入れをすべしと思います。 今後どのように県民に説明し対応するのか、お尋ねいたします。 次に、日米共同統合防災訓練の日時がまだはっきり決まっていないように、午前中の答弁であったところですが、10月26日から29日までの4日間、本県においては、ねんりんピックよさこい高知2013が開催されます。訓練日時が本大会と重なれば、大会運営に大きな支障が予測されます。 日時について、本県との協議はどのようになっているのか、知事にお尋ねいたします。 次に、総合防災拠点の整備についてお尋ねいたします。 本県においては、広域にまたがる大規模災害に備え、県下8カ所での総合防災拠点づくりを行っています。これは、将来の南海トラフ巨大地震などの大規模災害時に、全国からの応援部隊による救助・救出活動や支援物資の中継、分配などの支援活動が円滑に行われるための体制づくりでもあります。総合防災拠点の整備は、平成25年度から27年度の3カ年間で、マニュアルの作成、各機関との協議、支援物資の備蓄等々の整備が図られる予定となっています。 そこで、今後総合防災拠点を、どのような組織が、また誰がどんな役割を担うのか、運用体制の整備もあわせて早急に進めていくべきと思いますが、危機管理部長にお尋ねをいたします。 次に、今議会に予算案が出されております大規模建築物などの耐震化補助事業についてお尋ねいたします。 国は、将来予測されます東京直下型地震や東海地震、南海トラフ巨大地震に備え、昭和56年以前に着工された大規模建築物で、地震に対する安全性が明らかでない建物について、地震災害におけるビルなどの建築物の被害の拡大を防ぐために、これまでの耐震改修促進法を改正し、耐震診断の実施、報告の義務づけがなされたところです。 そこで、今回の法改正により、耐震診断を実施し、報告を義務づけられる建築物にはどのようなものがあり、また、その数はどれくらいか。 また、それらの建築物は、できるだけ早い耐震工事が求められますが、耐震改修工事が義務づけられているのか。 次に、大規模建築物に含まれない5,000平方メートル未満の民間建築物で、不特定多数の利用者がいる建築物についても耐震化を進めるべきと思うが、どのように対応されるのか。 次に、県は、今回の法改正を踏まえ、耐震改修を促進するために、耐震診断、設計、改修における新たな補助制度を立ち上げたところです。このことは大きく評価しながらも、民間事業者が耐震改修工事を行う場合、耐震工事ばかりでなく、他の工事も同時に行うケースが多いと思われますので、補助対象限度額も決まっている上に、事業者負担が5分の1となっています。民間事業者にとって、大変厳しいものと思います。 耐震改修事業を促進するためにも、今回の新たな補助制度の上に、さらに事業資金について、利子補給などの支援を検討してはと思いますがどうか、土木部長にお尋ねいたします。 次に、県内の土木事務所の大規模地震での、その役割や備えについてお尋ねいたします。 土木部は県下で、道路や港湾などのインフラ整備や、将来起こると予想されます南海トラフ巨大地震に備え、防災・減災対策事業などを積極的に行い、あわせて地域経済の活性化にもその役割を果たしているところです。それらの土木事務所が、南海トラフ巨大地震で果たすべき役割を考えたとき、県内各地域の防災拠点として、事務所の機能強化はもちろんですが、万が一の巨大地震にも備えなければなりません。 そこで、県内の事務所の中で、揺れや津波で倒壊、浸水し、機能が喪失する事務所などについて、早急に整備を進めるべきと思いますが、今後どのように対応を進め、県民の安心・安全を図っていくのか、土木部長にお尋ねいたします。 次に、市町村財政と過疎債についてお尋ねいたします。 まず、市町村財政についてであります。 県内34市町村の中では、財政調整基金、減債基金などを多く積み立てて、比較的財源にゆとりがある市町村がありますものの、多くの市町村が三位一体改革や、それに続く長引く不況などの影響もあり、市町村税収入が伸び悩む中で、住民要求は多様化し、厳しい財政運営を余儀なくされているのが現状ではないかと思います。 過日、県が公表した自治体財政健全化法に基づく県内34市町村の2012年度決算における実質赤字比率、実質公債費比率などの4指標の財政診断では、おおむね前年度より好転していますが、今後、県内市町村では引き続き南海トラフ巨大地震対策や産業の活性化事業、福祉の充実なども含めて進めていかなければなりません。 県の財政運営につきましては、一定の財政調整的基金を確保しつつ、中期的に安定した財政運営を行うことができる見通しが示されたところですが、県は今後の市町村財政をどのように把握し支援を行っていくのか、総務部長にお尋ねをいたします。 次に、過疎債の活用についてお尋ねいたします。 市町村にとって最も有利な地方債は、当然、過疎債になろうかと思います。しかし、その過疎債の使用には、過疎法の一定の条件のもと、また指定も受けなければなりません。県内では、全34市町村のうち28市町村が指定を受け、過疎法の事業の中で知恵を絞っているところです。その過疎法で、政府はこれまでの事業メニューに、人口減少や高齢者の増加が進む過疎地に対する財政支援の範囲を来年度より拡大する方針を固めたようであります。 県は、来年度からの過疎債の使途拡大を見据え、どのように市町村との連携を図っていくのか、総務部長にお尋ねいたします。 次に、観光振興についてお尋ねいたします。 過日、7月に日本を訪れた外国人旅行者は100万3,000人で、月間初めて100万人を超えたことが政府観光局の推計でわかったと報道されていました。それは円安や東南アジア諸国の旅行者に対するビザ発給要件が7月から緩和されたことなどが追い風となっているとのことです。外国人旅行者がこのままで推移すると、国が目標としている年間1,000万人到達も可能となる状況で、国では2030年に3,000万人を目指す計画もあり、さらに外国人観光客誘致に全力を注ぐとのことですので、外国人観光客の増加が今後大いに期待ができます。 さらに大きな起爆剤が飛び込んできました。それは、先ほど申し上げました、日本にとって念願でありました、2020年の東京オリンピック大会開催の決定であります。このことで、さらに日本への旅行者が飛躍的に増加するものと予測されますので、本県においても外国人旅行者の受け入れ体制の充実は、ますます重要となってきました。 そこで、まず、外国人旅行者に対するおもてなしで、観光地の地図や案内板や道路標識など十二分で、またわかりやすくなっているのか。 次に、本県では、観光客の増加を図るために、昨年に引き続き、リョーマの休日キャンペーン、龍馬パスポートの利用促進、7月1日からの「楽しまんと!はた博」の開催などの取り組み、そして本県を大きな家族に見立てた「高知家」のコンセプトコピーの発表などでの知名度アップへの取り組みを進めております。また、昨年12月に開通した高知自動車道の四万十町までの延伸などなど、これらの効果により、県内の観光地はことしも盛り上がっているように思われます。 そこで、県内への入り込み観光客数は、これまでにどのような人数が予測されているのか。 次に、本県がさらなる観光客誘致を図るためには、ハード整備とあわせて、本県の売りであります、おもてなしの心のさらなる充実が必要であります。 県が調査いたしました、2012年本県観光客満足度調査では、観光客のうち、タクシー満足度は4割、トイレは5割と低い満足度の結果となっています。 また、本県が一番売りにしてきた食事について、旅行情報誌じゃらんリサーチセンターが毎年7月に公表しているじゃらん宿泊旅行調査によると、「地元ならではのおいしい食べ物が多かった」で3年連続1位だった本県が、ことしはトップ10にも入っていなく、12位となっています。 このようなことはありがちなことと思うものの、本県の売りが、おもてなしと食事として定着してきた経過もあり、内容によっては大きな課題として捉えるべきと思いますが、見解と対応はどうか。 次に、今議会初日の知事の提案説明によりますと、今後も本県の大きな強みの一つである食を前面に打ち出す戦略を展開するとし、来年1月に「『高知家の食卓』県民総選挙」と題し、県民が観光客にお薦めしたい店や料理を選ぶ食の総選挙を実施したいと述べられていますが、世の話題を捉えたよい企画とは思いますが、その具体的な内容はどのようなものか。 また、高知の食のよさは、県下全域のそれぞれの地域のうまさにあると私は思いますが、今回の総選挙をどのように生かすのか、以上、観光振興部長にお尋ねいたします。 次に、県が管理する足摺宇和海国立公園内の竜串の観光振興についてお尋ねいたします。 奇岩で有名であります竜串地区は、サンゴ礁が広がる海中公園、そして海に突き出た奇岩の数々、遠くには弘法大師が見残したと伝えられる見残し海岸があります。そして、海岸沿いには海中展望塔や海洋館、海のギャラリーなどなど、海の学習施設として、また美しい自然の中での体験学習の場として、その役割を果たしています。 昭和47年の国立公園への指定以降は大いににぎわいを見せたところですが、昨今では自然の景観では満足しない観光客のニーズの変化などにより、そのにぎわいが少なくなってまいりました。この現状を打破するために、地元の竜串観光振興会などを中心として、観光開きや海開きなどのイベントを開催し、そのにぎわいづくりに取り組んでいるところです。 知事は、昨年5月末の土佐清水市での対話と実行行脚で竜串を視察され、地元の方々やボランティアなどの皆さんと懇談をされた経過や、知事が子供のころ清水の祖父を訪ね竜串に寄られた、そのときの話も伺っております。 竜串地区の観光振興を図るためには、海洋館の施設改築も含め、思い切った県の取り組みも必要と思いますが、知事は竜串の観光地としての魅力をどのように捉え、観光振興を図っていかれるのか、お尋ねいたします。 次に、水産振興についてお尋ねいたします。 まず、日本人がすしネタとして好むクロマグロについてであります。 北太平洋海域のクロマグロの資源管理を議論する国際機関、中西部太平洋まぐろ類委員会の小委員会が、乱獲が指摘される未成魚3歳以下の2014年の漁獲量を、2002年から2004年の平均より15%以上削減することで合意いたしました。削減幅については、日本は15%以上を提案、米国は25%を要求しておりましたが、日本が同時に沿岸の零細漁業などを新たに規制対象に加えるように提案したことも評価されての決着と聞くところです。 今回の中西部太平洋まぐろ類委員会による未成魚の漁獲量の削減は、資源の回復に役立つとはいえ、減少している漁業資源や燃料の高騰で経営が厳しい漁業経営者にとって、一段と経営が厳しくなることが予想されます。 本県は、昭和40年代から50年代には、遠洋マグロ漁業で栄えた時代もありましたが、資源の減少や国際的な漁業規制などによりマグロ漁が衰退し、現在では十数隻の県内漁船と聞きます。また、沿岸で操業している小型ひき縄漁船にとって、最近の養殖漁業の種苗として高い値段で取引されているヨコワ--クロマグロの子ですが、それが不漁、その上今回の規制による漁獲量制限となれば、夏場の生活に支障を来すことも予想されます。 国は、沿岸の零細な漁業者等を新たに規制対象にしたところですが、その内容についてはどのようなものか。また、マグロ未成魚の漁獲規制による本県漁業にどのような影響があると予測しているのか。 次に、天然稚魚を利用するクロマグロ養殖業にとって、稚魚の確保が減少することが予測されるが、これは経営を崩壊しかねない重大なピンチとなろうかとも思います。そのためにも一日も早く、他県で成功している成魚から産卵させ育てる完全養殖の技術の実現を、本県においても図るべきと思うが、その一歩は今どのように進んでいるのか。 最後に、マグロの水揚げ量の減少の原因は、ひき縄漁やはえ縄漁にあるのではなく、多くは日本や外国の大型まき網漁にあります。これからも操業規制を強く国に求めていくべしと思うがどうか。以上、水産振興部長にお尋ねいたします。 次に、宝石サンゴ漁と魚の水揚げについてお尋ねいたします。 宝石サンゴ漁は、ここ二、三年前からの中国大陸における、富裕層の装飾や信仰の対象品として宝石サンゴが重宝され始めて以来、宝石サンゴの原木の値段が高騰し、昨今ではサンゴブームの様相であります。 土佐清水市の2漁協合わせての宝石サンゴの水揚げ金額の推移は、平成19年度から21年度までの3カ年平均が約1億7,900万円で、平成22年度から平成24年度までの3カ年平均は約11億7,900万円となっております。出荷量が多くなったことにも、金額の上振れの原因があるとは思いますが、いかに宝石サンゴの原木が高騰したのか、理解していただけるものと思います。 その結果、一面、大変深刻な問題も生まれてきています。それは、これまで一本釣りやひき縄漁、また、たて縄漁で生計を立ててきました若い漁師の方々がサンゴ漁に切りかえていることもあり、市場に魚が多く揚がらなくなってきております。これは県下的な状況とは言えますが、特に土佐清水市のブランド品であります清水サバの水揚げ量が激減いたしております。本県の漁業の将来を考えたとき、魚の揚がらない漁業や漁村は成り立ちませんし、また、本県の宝石サンゴ資源が将来枯渇するとも言われております。 そこで、現在、宝石サンゴ漁は県の許可制ですが、県内の許可隻数はどのように推移をしているのか、また、今後もこのままでいくのか、宝石サンゴ漁をこれからも続けながら魚の水揚げ確保を図っていくためにも、何か対案が必要と思うがどうか、あわせて水産振興部長にお尋ねいたします。 次に、県の水産補助事業についてお尋ねいたします。 これまでにも述べましたように、漁業環境が大変厳しい状況の中で、県下の各漁業協同組合は経営の効率化を図るために、各種の施設整備事業などを行っているところです。各漁協は、これらの事業を行うに当たり、国、県、市町村の補助事業に頼らざるを得ません。 その中で、県事業としては、米軍の演習場であるリマ海域での漁業補償事業、また種子島宇宙センターでのロケット打ち上げに対する漁業補償での種子島周辺事業、これらの事業が漁業振興整備事業として多く使われているところです。この2つの事業に漁具倉庫の建築などが入っていますが、漁業協同組合の核施設とも言える組合事務所の改築や耐震化事業がメニューにはありません。 そこで、県下の海面漁業協同組合事務所の建築年度などについて調査していただきました。その結果、支所も含め、71事務所のうち約60%に当たる43事務所が昭和56年以前の建築物であります。各組合事務所の老朽化による建てかえや耐震化を考えたとき、組合事務所の施設整備に係る費用については、補助事業があってしかるべきだと私は思います。 そこで、水産振興部長に、リマ事業や種子島周辺事業の中に組み込むことができないのか、また、できないとすれば国に要請すべきと思うが、どうか。 さらに今、本県では産業振興計画が進められていますが、非常に厳しい状況の中で、高知県の漁業を守るために頑張っておられます漁民の皆さんや漁協関係者、それらの皆さん方が安心して仕事ができる環境づくりは、各漁協の災害に備えてのBCPづくりと連動するものと思われます。 リマ事業や種子島周辺事業で対応できない事業については、県の補助事業を立ち上げるべきだと思いますが、これにつきましても水産振興部長にお尋ねいたします。 次に、いじめ防止対策推進法が、この9月28日より施行となりました。この機会を捉え、今後の取り組みなどについてお尋ねいたします。 この法律は、2011年の滋賀県大津市の中学校の中2生徒が、いじめが原因で自殺をいたしました。そのことがきっかけとなり、議員提案による法律制定となったところです。しかし、その後、いじめが原因と見られる子供たちの自殺が、宮崎県や奈良県などであり、このことを考えたとき、全国いつどこでいじめによる自殺が起きる可能性を否定することができないように思います。それゆえに、本県においても子供たちのいじめの防止や、いじめによる自殺防止への万全な対応が望まれることは言うまでもありません。 今回成立したいじめ防止対策推進法の第2条において、いじめについて、「当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう」と定義されています。 それを受けて、第4条では、「児童等は、いじめを行ってはならない」と定められ、そして地方公共団体の責務が第6条において、「地方公共団体は、基本理念にのっとり、いじめ防止等のための対策について、国と協力しつつ、当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」こととあり、学校の設置者及び学校が講ずべき基本的な施策として、道徳教育の充実、早期発見のための措置、相談体制の整備、インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進を定めるとあります。 第12条では、「いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針を定めるよう努める」とあります。 この法律が公布され、そして施行直後であることは理解いたしますが、このいじめに対する法律の思いを生かすためにも、一日も早い本県の取り組みが必要かと思います。そこで、今後どのように進めていくのか、教育長にお尋ねいたします。 また、14条では、条例を定め、学校や教育委員会などの関係者で構成されるいじめ問題対策連絡協議会を置くことができるとありますが、協議会設立も含め、いじめ防止対策のための条例制定も必要ではないかと思いますが、あわせて教育長にお尋ねいたします。 次に、学校現場にも少し触れたいと思います。 本県における一昨年からのいじめの緊急調査結果によると、平成23年度ではいじめの1カ月平均の認知件数は25件で、24年度では、4月から7月の4カ月間の1カ月平均は62.3件と増加しています。24年度1年間を通してのいじめの認知件数はどのような状況か、また前年度と比較して増加していると思うが、その要因をどのように捉えているのか。 次に、いじめ防止対策については、これまでも対応がなされているところですが、いじめ問題は子供たちの間の問題として起きるわけで、いじめの概念を子供たちに理解してもらうとともに、いじめ防止のための子供たちが主体となった取り組みも求められると思いますが、学校現場をどのように指導されているのか。 また、いじめを生じさせない学校づくりが基本でありますが、学校現場をどのように指導改善しているのか、あわせて教育長にお尋ねいたします。 次に、県立高等学校再編振興検討委員会の検討内容などについてお尋ねいたします。 県教育委員会は、平成16年度より平成25年度までの10年間の県立高等学校再編計画を策定し、特色ある学校づくりと県立高等学校の適正な規模と配置を柱として、県立高等学校の教育内容などの質的向上や、よりよい教育環境を提供するための取り組みを進めてきたところです。 そして今、本県においては全国に先行し、人口減少など、高等学校を取り巻く環境が厳しさを増す中で、引き続き高等学校教育の質を保証し、よりよい教育環境を提供していく不断の努力が求められています。 こうしたことから、平成26年度以降の新たな県立高等学校再編振興計画を必要とし、県立高等学校再編振興検討委員会を平成23年8月に立ち上げ、その検討結果が県議会に報告されているところです。 そこで、教育委員長にお尋ねいたします。 平成16年度から平成25年度までの10年間を実施期間とした県立高等学校再編計画の取り組みの結果を、どのように評価しているのか。 次に、今回の県立高等学校再編振興検討委員会の報告書の中では、学校規模に関する基本的な考え方として、「きめ細やかな学習指導を行うためには、1学年4~8学級が適正規模」としながらも、最低規模については、「本校の最低規模は、1学年2学級以上が望ましい。しかしながら、本県の人口の偏りや地理的条件、通学のための交通の利便性などを考慮すると、地域によっては最低規模についての配慮が必要である。この場合、高等学校教育の質が保証される集団として1学年1学級20人以上が望ましい。一方で、地理的条件等を考慮し、この基準を緩和すべきであるという意見もあった」と報告されています。 また、定時制夜間部については、最低規模1学年1学級10人程度以上が望ましいとされたこれまでの最低規模の基準や、さらに「最低規模を割る状況が2~3年続き、その後も生徒数が増える見込みがない場合には、統廃合を検討する」との前回平成12年報告が、現在、生徒数の減少が著しく、多くの定時制夜間部が最低規模を割る状況が続く中で、定時制夜間部は、働きながら学ぶ勤労青少年に教育の機会を保障する立場や、不登校や中途退学を経験した生徒、発達障害のある生徒などの学びの場や生涯学習の機会を提供する役割を果たしていくために、定時制夜間部の最低規模を、今回の報告では1学年1学級10人程度以上にこだわらず、学校全体の在校生が20人以上とするなど、基準の緩和が必要であると報告されています。 そこで、定時制夜間部の生徒数の状況は現在どのようになっているのか、また、生徒数の確保をどのように図っていかれるのか、あわせて教育長にお尋ねいたします。 次に、学校規模に関して、検討委員会の報告書では、「県内全域で生徒数が減少する中で、地域の実態や生徒の実情、生徒に保障される『可能性の平等』を考慮すると、高知市及びその周辺地域の中央部と、過疎化が著しく近隣に他の高等学校がない地域では、学校規模の在り方を分けて考えることが必要である」と考え方が述べられています。 県教育委員会においては、今回の県立高等学校再編振興検討委員会の報告を受け、計画が作成され、議会での報告、パブリックコメントと手順が踏まれると思いますが、今回の検討委員会の報告の趣旨が計画に反映されることを望むところですが、教育長にお尋ねいたします。 最後に、委員長さんを初めとする検討委員会の皆さん方の御苦労に感謝を申し上げます。 次に、土佐清水市にとりまして唯一の高校であります県立清水高等学校の高台移転についてお尋ねいたします。 県立清水高等学校は、校歌にも歌われていますように海や川に恵まれた場所で、開学以来65年の歴史を積み重ね、数多くの卒業生を送り出しています。2011年3月の東日本大震災以降、あの津波による惨状を思い浮かべる中で、学校が即、海に面し、低い土地でもあり、南海トラフ巨大地震に大丈夫かとの声を多く聞くようになりました。 これまで、県教育委員会の御配慮で、耐震化工事については平成27年度で終了の予定で、避難路については裏山か、隣接する国道321号線沿いの山に避難する道路も完成いたしております。 避難については、高校生ですので少し安心かなと思いますが、大きな津波による校舎の損壊は学校機能を失います。高校生にとって、授業の空白は将来の人生設計に大きなダメージを与えます。そのためにも、安全な場所での勉強ができる環境づくりが求められます。 南海トラフ巨大地震から高校生の命を守るために、また、災害後においても学べる環境を整備するためにも、県立清水高等学校の高台移転はこれから早急に取り組むべき重要な課題と思いますが、教育長にお尋ねいたします。 次に、振り込め詐欺などによる高齢者の被害について警察本部長にお尋ねいたします。 高齢者をだまし、泣かす悪徳詐欺事件が後を絶たないばかりか、ますます被害が増加して、手口も巧妙になっているように思います。 一例を挙げますと、高齢者の女性が男性からの巧みな融資話に乗り、お金を宅急便で送金いたしました。後日、融資の増額の話があり、断ると、これまでの融資金額の返還には日時がかかるような話をされたために、再度振り込むために他人にお金の借り入れを申し込んだようであります。警察への被害届については、お金は必ず返ってくるとの思いや、人に知られるのが恥ずかしい、警察に知らせるとお金が戻ってこないとの思い込みなどの理由で、そのままになっていると聞きます。このようなケースがかなり県下にあるのではないかと思います。 過日、9月27日に、香美市の70代の女性が、警察官を名乗る男から電話で指示を受け、口座から引き出した現金700万円を自宅から持ち去られた窃盗事件がありました。高齢者の皆さん方が、少ない年金で将来が不安なことや、子供や孫のために食べるものも節約し、身の細るような思いで一生懸命に蓄えたお金を、高齢者の弱みにつけ込み詐欺することに腹立たしい思いがいたします。 そこで、高齢者の振り込め詐欺などでの被害状況はどのようなものか。 今後もこのような詐欺事件が後を絶たないと思いますが、どのように高齢者の皆さん方に注意を促し、被害防止を図るのか、県警の強い決意と取り組みをお尋ねいたしまして、1回目の質問を終わります。   (知事尾崎正直君登壇) ◎知事(尾崎正直君) 横山議員の御質問にお答えをいたします。 まず、オリンピック大会が東京で開催される意義と、大会への期待についてお尋ねがございました。 2020年夏季オリンピックが東京で開催されますことは、トップレベルのアスリートを目指す我が国の子供たちにとって大きな励みになると思います。あわせて、世界のトップレベルのアスリートを間近に感じることができるなど、スポーツ振興の大きな原動力にもなりますことから、大変意義のあることだと受けとめております。 東京での開催においては、友情、連帯、フェアプレーの精神をもって相互に理解し合うオリンピックの精神を実践するとともに、先日行われたIOC総会のプレゼンテーションで世界から絶賛された、日本らしいおもてなしの心をもって世界中の皆様をお迎えするなど、世界の見本となる次元の高いオリンピックを目指してほしいと考えております。 また、東京での開催によりまして、東日本大震災の被災地の皆様を勇気づけるとともに、7年後には力強く復興した日本の姿を全世界に発信できることを期待いたしております。 さらに、これから日本全体で経済の活性化に向けて取り組んでいかなければならない中で、我が国が7年後のオリンピック開催という共通の目標に向け一丸となって取り組みますことで、今後の経済成長にも大いにはずみがつくものと思っております。ぜひ、開催地の東京だけではなく、広く地方にも経済効果が波及するよう期待をしているところであります。 県としましても、この機会を捉え、青少年の育成や県内のスポーツ振興にさらに力を入れますとともに、合宿の誘致や外国人観光客をふやす取り組み、また本県のおいしい食を活用した地産外商のさらなる推進など、県経済の活性化につなげていくよう努力していきたいと、そのように考えております。 次に、日本再興戦略へ本県の経済の活性化をどのようにリンクしていくのか、お尋ねがありました。 安倍政権が進める日本再興戦略は、産業振興計画を進める上で大きな推進力になるものと大いに期待しております。その成長戦略については、政策ごとに達成すべき成果目標を定め、その達成に向けて新たな政策を追加しながら、常に進化し続けていくことを目指しておりますことから、産業振興計画の推進に必要な政策について、随時、私みずからが先頭に立って、国に働きかけをしているところであります。 具体的には、「木造建築の中高層化を可能にする建築用材CLTの実用化、普及を推進するプロジェクト」や、「次世代施設園芸拠点の整備」、「農地の中間的受け皿の整備・活用」などについて、政策提言を行ってきたところであります。 成長戦略の中でも、「担い手への農地集積、耕作放棄地の発生防止・解消等による競争力の強化」や、「新たな木材需要の創出や国産材の安定的・効率的な供給体制の構築」などの政策群につきましては、産業振興計画の取り組みを加速させるものと特に期待の持てる分野でありますし、その他の分野につきましても、産業振興計画に関連性があるものは積極的に活用してまいりたいと考えております。 あわせて、政府の産業競争力会議の地方版である地方産業競争力協議会が、地域ブロックごとに近く設置される予定であります。この協議会は、地域独自の創意を生かし、主体的に地域における産業競争力強化や地域経済再生等に取り組むとともに、こうした取り組みを適時適切に国の政策決定プロセスに反映していくことを目的に設置されるものであります。本県も積極的にかかわり、日本再興戦略に本県の実情や必要な政策が反映されるよう、しっかりと訴えてまいりたいと考えております。 次に、女性や若者、高齢者などが活躍できる環境づくりに、今後どのように取り組むのかとのお尋ねがありました。 政府の成長戦略には、我が国最大の潜在力である女性の力を最大限に発揮できるようにすることや、若者も高齢者も自分の能力を生かして生き生きと働ける社会にすることなどを目指して、例えば、女性の活躍促進や子育て支援、高齢者の継続雇用といった支援策を盛り込んだ、成長への道筋が示されています。 こうした国の施策のうち、本県の実情に合った有益なものは、県の施策として積極的に活用してまいりますし、私自身も全国知事会の次世代育成支援対策プロジェクトチームのチームリーダーとして、子育てしやすく、女性が活躍できる環境づくりに向け、国に対してこれからも積極的に政策提言をしていきたいと考えております。 さらに、本県での女性の活躍促進に関しましては、先月24日の高知県男女共同参画推進本部会で、女性が働きやすい環境づくりに向けた施策展開に、改めて全庁挙げて取り組むことを確認しましたほか、特に女性のニーズに応じた就労につなげる仕組みづくりや、起業を支援するための研修の実施、女性の再就職に取り組む企業への支援策といったことについて、具体的に検討するよう指示したところであります。 また、若者の就労促進に関しましても、技術、技能の習得や相談体制の充実に加えて、創業に対する支援にも積極的に取り組んでいくこととしております。 高齢化が進み、人口が減少する本県においては、産業振興計画を強力に推進し県勢浮揚を図っていく必要があり、女性を初め若者、高齢者の力を最大限に活用し、成果を上げることが重要なポイントになりますことから、皆様に活躍していただける環境づくりに向け、全力で取り組んでまいりたいと考えております。 次に、社会保障制度改革国民会議の最終報告は、人口の減少と高齢化が進み、低所得者の多い本県にとって、どのような影響をもたらすのかとのお尋ねがありました。 社会保障制度改革国民会議の最終報告では、全ての世代に安心と納得感が得られる全世代型の社会保障制度への転換を目指しますとともに、負担のあり方について、これまでの年齢別から負担能力別に切りかえることが提案されております。 分野ごとに申し上げますと、医療保険制度において、世代間の公平の観点から、70歳から74歳までの医療費の自己負担を1割から本則の2割に戻すこととされておりますが、これにあわせて見直しを行う高額療養費の自己負担の限度額について、低所得者に対して現行水準を維持するなど、負担が大きく変わらないよう配慮する方向で検討が進められております。 高額療養費の見直しは、低所得者層などに配慮されておりますので、低所得者の多い本県にとりましては好ましいことではありますが、他方で給付費の増による保険料負担の増加など、国保への影響を注視していく必要があるものと考えております。 医療の提供体制の面では、都道府県による地域医療ビジョンの策定が示されており、地域医療ビジョンに基づく医療機能の分化が進めば、限りある医療資源の有効活用が図られ、高齢化による医療需要の増加への対応が期待できるとされていますが、一方で、制度導入に伴う県民の療養環境や医療機関の経営などへの影響は、少なくないものと考えております。 介護保険制度につきましては、高齢者の方々の利用者負担のあり方について、市町村民税が課税される方のうち、一定以上の所得のある方の利用者負担を2割に引き上げることが検討されております。この見直し案については、さらにきめ細やかな制度設計の検討も必要だと考えておりますが、制度の持続性や公平性、医療保険制度との整合性なども考慮いたしますと、方向性としてはやむを得ないものだと受けとめております。 一方で、低所得者の高齢者の介護保険料に関して、消費増税分を財源とします公費による軽減措置を拡充する方向が示されましたことは、高齢者に低所得者の占める割合の高い本県にとりまして、一定評価できるものだと考えております。 このように、各分野におきまして、さまざまな影響が行政を含めた県民生活に生じてまいりますので、社会保障の現場を担っている地方が適切にその役割を果たせるよう、個別の改革を進める際の国の法案改正作業に向けて、全国知事会などとも連携し、国と地方の協議の場などを通じて、積極的な提言活動に努めてまいりたいと考えております。 次に、国民健康保険の保険者の都道府県移行と、そのことによる県の人や財政負担についてお尋ねがありました。関連いたしますので、あわせてお答えをいたします。 国民健康保険については、本県はこれまでも国保の構造的な問題の抜本的な解決がなされるのであれば、安定的な運用を行うために、都道府県が運営主体を担うことが望ましいと主張してまいりました。国民会議の最終報告で、国保の保険者の都道府県への移行が示されたことにより、移行に向けた議論が大きく前進することを期待しております。 しかしながら、都道府県への移行の前提となります財源の確保などの国保の構造的な問題の解決については、十分な議論が尽くされたとは言いがたい状況であります。また、国保の運営のあり方についても、都道府県と市町村の役割と責任の分担、市町村が保険料の徴収や医療費適正化に取り組むインセンティブの確保、保険料の設定などの制度の骨格となる事項につきまして、十分な検討がなされていない状況にあります。 国保の保険者の見直しは、住民生活を初め、都道府県の財政や組織体制などに大きな影響がありますので、国と地方が十分な議論を行い、両者の理解が得られたものについて法制化などの措置を講じるよう、国と地方の協議の場などを通じ、積極的に働きかけてまいります。 また、国保の保険者の都道府県への移行による国保運営に必要な人員や財政負担につきましては、移行の前提となる財政支援の拡充や詳細な制度設計が明確になった段階で検討してまいりたいと、そのように考えております。 次に、高知おおとよ製材の成功を左右する原木の確保と商品の販売網の整備に対する支援についてお尋ねがありました。 本年8月より、待望の高知おおとよ製材の操業が始まりました。この製材所は、操業3年目のフル生産時には、年間10万立方メートルという大量の原木を消費することとなっており、本県林業を牽引する大きなエンジンになるものと期待しております。 原木の確保につきましては、第2期産業振興計画において、平成22年度の生産量40万立方メートルを、平成27年度には72万立方メートル以上とすることとしております。この目標を実現するため、森林を集約する森の工場の面積を、平成22年度末の約3万7,000ヘクタールから、平成24年度末には約5万5,000ヘクタールへと約1.5倍に拡大し、また、高性能林業機械を40台新たに導入するなど、原木生産に係る施業の集約化や作業の効率化を図りますとともに、間伐と皆伐を組み合わせることなどにより、増産に向けた取り組みを進めております。 また、森林組合連合会と森林組合や素材生産業者との原木の安定供給協定の締結を進め、さらにこの供給協定の実効性を確保するために、県や森林組合連合会などで組織する木材安定供給プロジェクトチームによる進行管理を随時行っているところであります。 商品の販売網につきましては、高知おおとよ製材の製品の大部分は、強力な販売チャンネルを有する銘建工業を通じて県外に販売されることになっております。 県産材の販売拡大につきましては、これまでも県内の製材業者が共同し、県外販売の窓口を一元化することで、大口取引の締結や効率的な輸送によるコストの低減等の一層の進展を可能とするよう検討を進めてまいりましたが、高知おおとよ製材の操業開始により、さらに一段大きな規模で検討を進めることができる状況になりました。 このため、本年7月には、高知おおとよ製材と県内の既存製材業者などの参加による、土佐材販売力抜本強化プロジェクトチームを設置し、東北や関東地方への共同出荷を前提にしまして、輸送コストを低減するための内航船の活用や、製品の品質を確保するための基準やその確認方法などについて協議を進めております。取り組みを具体化するために、県の支援が必要かどうかも含めて検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。 次に、シキボウ跡地の活用について、今後どのような形で進めていくのかとのお尋ねがございました。 秦南団地の利活用につきましては、南海トラフ地震に備え、県民の皆様の安全・安心を確保するとともに、平時の消防機能と救命救急機能の強化を図るために、高知市北消防署と高知赤十字病院を整備することが最適であると考えておりますが、多くの皆様に関係するお話でもありますことから、現在の所在地域の住民の皆様方、さらには移転先の住民の皆様方それぞれに、なぜに移らなければならないのか、そして移った先でどういうことをしようとしているのかということについて丁寧に御説明をさせていただき、御理解を得ながら取り組みを進めていくことが大事だと考えております。 このため、先月25日には、高知市、高知赤十字病院とともに、消防の再編が計画されている江ノ口出張所や高知赤十字病院のある江ノ口地域と、移転先の秦南団地のある秦地域の町内会等の役員の皆様に、また28日には高知赤十字病院とともに、現在の病院の周辺の住民の皆様に整備の必要性や検討状況を御説明させていただき、地元の皆様から、秦南団地の周辺道路の整備を求める御意見や病院移転後の跡地について心配をされる御意見などをお聞かせいただきました。 今後も、高知市、高知赤十字病院と連携をしながら、住民の皆様に御理解いただけますよう丁寧に説明してまいりますとともに、議会に検討状況を御報告させていただき、御意見をいただきながら検討を進め、今年度内には秦南団地の基本的な利活用の計画案を取りまとめ、お示ししたいと考えております。 高知赤十字病院の跡地の利用につきましては、住民の皆様の御意見や御要望も踏まえ、今後、高知赤十字病院や高知市とともに検討してまいりたいと考えております。 次に、今後計画を進めていく上で、県、高知市及び高知赤十字病院の3者での開発協定などが必要と思うがどうかとのお尋ねがありました。 秦南団地の利活用につきましては、県、高知市、高知赤十字病院、高知県土地開発公社で連携して取り組んでいく必要がありますことから、利活用の検討会を設置し、現在、4者で協議を進めております。今後、この検討会において、秦南団地の土地の利活用の計画案を策定してまいります。 北消防署、高知赤十字病院ともに、緊急時や災害時の拠点となる施設でありますことから、それぞれ大きな役割を果たしていただけると考えております。また、県、高知市、高知赤十字病院が連携して取り組んでいくことで、さらなる効果も期待されますことから、協定の締結という形も考えられようとは思いますが、まずは4者で密に連携を図り、検討、整備を進めてまいりたいと考えているところでございます。 次に、日米共同統合防災訓練の実施について、どのように県民に説明し、対応するのかとのお尋ねがございました。 本日の防衛省からの要請書に対する回答は、安全に配慮をした内容であったと受けとめております。甚大な被害が想定されている南海トラフ地震に対し、一人でも多くの県民の命を守るため米軍の支援は不可欠であり、そのための訓練は必要との考えは、記者会見等を通じ県民の皆様に申し上げてきております。 今後、訓練全体の詳細な内容を聞くこととなっておりますが、今回の訓練は防災訓練であるため、安全な訓練の実施が前提であり、県としましても引き続き、安全確保がしっかり図られるよう強く求めてまいりたいと考えております。 次に、日米共同統合防災訓練の実施について、ねんりんピックとの調整の協議はどのようになっているのかとのお尋ねがありました。 全国からたくさんの方々をお迎えして行う、本県として非常に大切な大会であるねんりんピックの開催に影響がないよう、機会あるごとに防衛省と訓練の実施を担う陸上自衛隊中部方面隊に伝えてきたところであります。 本日の防衛省の説明では、日米共同統合防災訓練についての日時は示されませんでしたが、競技や式典に影響することがないよう、改めて申し入れをいたしました。 なお、日米共同での訓練のほか、陸上自衛隊中部方面隊の全体訓練が25日から27日にかけ実施される予定となっていますが、これまでの調整で、影響はないことを確認いたしております。 最後に、竜串の観光地としての魅力をどのように捉え、観光振興を図っていくのかとのお尋ねがありました。 竜串地域は、昭和45年に国により全国で初めて海中公園として指定された足摺宇和海国立公園を代表する地域であります。奇岩が連なる海岸景観とともに、建設当時は中四国唯一の海中展望塔や、西日本一の大水槽を備えた足摺海洋館が大きな話題となるなど、本県観光の一翼を担ってまいりました。 しかしながら、全国各地が観光の取り組みを進める中で、地域間競争は一段と厳しくなるとともに、旅行のスタイルも、見る観光から体験する観光へ、また団体旅行から個人旅行へと大きく変化しており、観光客のニーズも多様化しています。残念ながら、こうした変化に十分に対応することができなかったことが、竜串地域の近年の観光客の減少につながってきているのではないかと考えております。 竜串地域は、大都市圏から離れ、アクセスに時間を要するというハンディがあるものの、サンゴ礁や魚類の多さ、また、海水の透明度など全国に誇る魅力を生かして、数多くの観光商品を生み出すことができることや、四万十川などの観光地とあわせて広域の周遊が図れるなど、滞在型観光を推進していく上で大変重要な地域であります。 こうしたことから、これまでも地域アクションプランに位置づけ、土佐清水市や地元の方々と連携して、竜串地域の振興策の検討や体験プログラムの磨き上げなどに取り組んでまいりました。 また、竜串観光の中核となる足摺海洋館は、現在、耐震調査を実施しているところですが、その結果を踏まえて、旅行会社や水族館の専門家、地元関係者などで構成する委員会で検討を行い、県議会の皆様の御意見も踏まえて、今後のあり方を定めていくこととしております。 竜串地域の観光再生を図ることは、幡多地域のみならず、広く本県の観光振興という視点からも重要な取り組みであります。全国から誘客が図れる観光地を目指して、私自身もしっかりと取り組んでまいりたいと、そのように考えております。 私からは以上でございます。   (総務部長小谷敦君登壇) ◎総務部長(小谷敦君) まず、高知赤十字病院へのシキボウ跡地の売却方法につきましてお尋ねがございました。 秦南団地の現在の所有者は高知県土地開発公社ですが、利活用策を決定すれば、県からの依頼を受けて公社が日本赤十字社に対して時価で売却することになります。仮に何らかの形で県が高知赤十字病院の跡地を活用することとなった場合には、高知赤十字病院の移転後に、県が土地の所有者である日本赤十字社の了解を得て、同社から跡地を時価で購入することになると考えております。 現在のところ、県が土地を活用することとなった場合には、以上のような方法を考えておりますが、今後、高知赤十字病院の跡地の利活用案を検討する中で、さらに研究したいと考えております。 次に、今後の市町村財政をどのように把握し支援を行っていくのかについてお尋ねがございました。 県では、毎年度市町村の当初予算や前年度決算、健全化判断比率、特別交付税算定に係る財政需要などの各種ヒアリングを通じて、また日ごろのさまざまな場面でのやりとりを通じて、市町村の財政状況等の把握に努めるとともに、国の動向や有利な起債の活用などに関する情報提供を適時適切に行うなど、市町村が計画的、安定的な財政運営ができるよう助言を行っております。とりわけ、財政運営上の課題が大きいと考える市町村につきましては、個別に団体に出向いてお話をお伺いするなど、課題の解決に向けてどのような方策をとり得るかを市町村とともに考え、助言を行うこととしております。 議員御指摘のとおり、市町村の財政状況は近年、全体的には改善する傾向にございますが、そもそも自主財源に乏しく、地方交付税など地方財政についての国の動向に左右される部分が大きい一方で、南海トラフ地震対策を初め地域の課題が山積しており、これらの課題の解決に向け、取り組んでいただく必要があるものと認識しております。 県としましては、財政の健全性を損なうことなく市町村が必要な事業を確実に実施できるよう、きめ細かな助言を行うとともに、国に対しても必要な提言を行ってまいりたいと考えております。 次に、過疎債の使途拡大を見据えた市町村との連携についてお尋ねがございました。 本年度は、平成22年に議員立法で成立した改正過疎法の附帯決議にある施行3年後の見直しの年に当たり、今年度内の法令等の改正に向けて、現在、与党内で過疎債の対象事業の拡充も含めた検討が行われているものと承知しております。 平成22年の改正過疎法では、本県からの強い要望などによりまして、ソフト事業への過疎債の充当が可能となりましたが、これを受け、現在、市町村においては、あったかふれあいセンターや集落活動センターといった、県と共同して取り組む取り組みに対して、このソフト枠を有効に活用されているところでございます。ソフト枠を含めた過疎債総枠の確保、拡大がまず必要と考えております。 また、今回の見直しに当たり、県においては、国における対象事業の検討に関連し、市町村からいただいた要望などをもとに県単独で、また市町村とともに政策提言を行ったところであります。 現在行われている与党内の検討においては、本県から提言させていただいた、し尿処理施設や火葬場の建設に係る経費、公共施設の解体・撤去に係る経費などについて、過疎債の対象とすることが議論されており、発行対象経費の拡充が認められれば、当該施設の建設等を予定している市町村にとりまして、メリットは大きいと考えております。 市町村にとって有利な財源である過疎債を、市町村の来年度の予算編成の中で有効に活用できるよう、県といたしましても発行対象経費の拡充や、地方債計画における過疎債の枠の拡大等につきまして、市町村など関係団体と連携をとりながら、各党などへ働きかけを行ってまいりたいと考えておりますし、国における議論の動向についての積極的な情報の収集、市町村への情報提供などに努めてまいりたいと考えております。   (土木部長奥谷正君登壇) ◎土木部長(奥谷正君) シキボウ跡地の現在の評価額と購入時以来の金利負担などを含めた土地の単価についてのお尋ねがございました。 平成14年度の包括外部監査の際の不動産鑑定評価では、1平方メートル当たりの単価で13万円との評価を受けておりましたが、その後、高知県土地開発公社として不動産鑑定評価をとっておりませんので、現在の評価額は把握できておりません。しかしながら、その後の近隣の地価公示地の価格を見てみますと、住宅地では平成15年から40%程度下落しておりますので、シキボウ跡地の現在の評価額も下落していると思われます。今後、売却に際しては鑑定評価が必要となりますので、その時点で不動産鑑定士に依頼し、評価額を把握したいと考えています。 また、四国財務局などに売却した後の土地の価格に、これまでの金利や管理経費などを加えました現在の簿価は51億7,000万円余りとなり、1平方メートル当たりの単価は11万8,200円となります。 次に、大規模建築物等の耐震化補助制度について、法改正により耐震診断の実施と報告が義務づけられている建築物の種類と数、それらの建築物への耐震工事の義務づけ、大規模建築物に含まれない民間建築物の耐震化、利子補給などの支援の検討についてお尋ねがありました。関連しますので、一括してお答えいたします。 今回の、建築物の耐震改修の促進に関する法律の改正によりまして、昭和56年5月以前に着工され、耐震性が明らかでない建築物のうち、次の3つの要件に該当するものについて、耐震診断の実施及び報告が義務づけられることとなりました。 1つ目は、不特定多数の方や避難弱者の方が利用する一定規模以上の大規模建築物です。その数につきましては、用途や規模から現時点で把握しているものは、公共建築物と民間建築物を合わせて30棟程度です。今後、政令の公布にあわせて所管行政庁が精査することとなります。 2つ目は、市町村が避難所等として指定し、県が耐震改修促進計画で防災拠点として位置づける建築物です。現在把握している1,000平方メートル以上の建築物は、600棟程度あります。今後、それらの中から防災上必要なものについて、所有者の方の御意見も伺いながら、県の計画に位置づけることとなります。 3つ目は、県または市町村が耐震改修促進計画で指定する避難路等の沿道にあり、倒壊した場合に道路を塞ぐおそれがある建築物です。その数につきましては、今後、どの道路を避難路等として指定するかの検討にあわせて調査を行い、把握してまいります。 これらの建築物に対して、法律で義務づけられるのは、耐震診断の実施と報告のみですが、できる限り早く耐震改修まで実施していただく必要があるものと考えております。これらのうち、御指摘のありました大規模建築物に該当しない建築物については、市町村に対して、避難所等として積極的に指定するとともに、今回県が創設する補助制度を活用し、民間事業者の耐震化の取り組みを支援していただくよう、働きかけてまいります。 また、大規模な工事や特殊な工法に伴う大きな経済負担によって、耐震改修に踏み切れない場合も考えられます。今後、耐震診断を経て耐震設計や改修工事に取り組もうとされる民間事業者の皆様のニーズをよくお伺いした上で、関係部局や市町村とも協議をしながら、議員から御提案がありました利子補給なども含め、少しでも早く耐震改修を実施していただくための効果的な支援方策について、前向きに研究を進めてまいります。 県としましては、こうした一連の取り組みを迅速に進め、南海トラフ地震から一人でも多くの方の命が守られるよう、建築物の耐震改修を加速化してまいります。 次に、揺れや津波で倒壊、浸水し機能が喪失する土木事務所などについて、今後どのように対応を進めていくのかとのお尋ねがございました。 県では、東日本大震災の教訓を踏まえ、地震・津波など大規模災害時における対応拠点となる土木事務所の機能確保に努めているところでございます。 まず、全事務所において、災害時の事務所機能を維持するため、72時間の電源確保を順次進めており、来年度に移転を予定している安芸土木事務所を除く11事務所で、本年度中に燃料タンクの増設や発電設備の2階以上への移設を終了させることとしております。 次に、耐震対策としましては、昭和56年以前の旧建築基準で建設された事務所は4事務所あり、このうち高知土木事務所、中央東土木事務所については、本年度に耐震工事が終了いたします。また、本山事務所については、平成24年度に耐震診断を行い、現在、耐震工事について検討しており、越知事務所につきましては、本年度に耐震診断を実施することとしております。 他方、最大の津波を想定した場合には、津波による被害が大きい宿毛事務所、土佐清水事務所と、長期浸水が想定される高知土木事務所の3事務所は、土木事務所としての機能が喪失されると考えられます。この3事務所が引き続き土木事務所としての機能を発揮するために、発災直後、機能が維持できている近隣の土木事務所を代替施設として活用することを考えており、具体的には、宿毛事務所、土佐清水事務所については幡多土木事務所を、高知土木事務所については中央西土木事務所を想定しています。 今後、これらの代替施設における人員参集のあり方や、どのような応急業務を誰がどのように行うかなど、課題への対応を検討するとともに、各事務所で作成している事業継続計画の中へ反映させてまいります。また、地震・津波を想定した関係団体との情報伝達訓練などを通じて、代替施設での被災事務所の機能確保がどこまで可能かを検証し、必要な改善策を検討するなど、今後とも災害時における事務所機能の確保と対応力の向上に努めてまいります。   (危機管理部長高松清之君登壇) ◎危機管理部長(高松清之君) 総合防災拠点の運用体制についてのお尋ねがございました。 総合防災拠点は、南海トラフ地震が発生した場合の県内各地域における応急対策活動のかなめとして、消防や自衛隊などとの応急救助機関のベースキャンプや医療活動の支援、全国から集まる物資の集積、仕分け等の機能を担うものであり、その運営は現在のところ、各地域の災害対策支部ごとに行うこととしています。 しかしながら、台風など風水害への対応を主な役割としてきた現在の体制は、今後3年間での応急対策の概成に向けて取り組むべき、拠点ごとの運営マニュアルの作成や、拠点を活用した県と市町村、消防、自衛隊等の連携による反復的な防災訓練の実施、さらには市町村における地震対策の進捗状況に応じた、これまで以上にきめ細やかな支援など、新たな業務や役割を果たしていくためには、必ずしも十分ではないと考えております。 このため、今後は防災拠点での設備や機材の整備と並行して、運用体制として現在の災害対策支部の体制の強化によるのか、あるいは拠点ごとにその運営などを担う専任職員を配置するのかといったことなどについて、検討を行ってまいります。   (観光振興部長久保博道君登壇) ◎観光振興部長(久保博道君) まず、外国人観光客に対する地図や案内板、道路標識などについてお尋ねがありました。 本県の観光振興においては、国内のみならず海外からの観光客誘致についても積極的に取り組んでおり、主に韓国や台湾など東アジアを中心に、さまざまな外国の観光客が本県を訪れています。そのため、県におきましては、観光のパンフレットやマップを初め、広域観光案内板の多言語表記を行うと同時に、市町村が作成する多言語の誘導標識等に補助をするなど、外国人観光客の受け入れ体制の充実を図っております。 また、最近では、平成22年度より3年間、国の事業を活用し、高知市や四万十市などの交通拠点を中心に、観光案内板や誘導標識の多言語化を進めましたほか、観光スポットの案内図などが多言語で容易に作成できますデータベースを観光情報サイト、よさこいネットで公開し、宿泊施設を初め、民間の観光事業者の方々にも御活用していただいているところです。 今後も、本県への外国人観光客の一層の増加が予想されますことから、引き続き官民が一緒になって、これまで以上に多言語化を進め、きめ細かな観光情報を発信することで、海外から来られたお客様に、本県ならではのおもてなしを感じていただけるよう取り組んでまいります。 次に、県内への入り込み客数についてのお尋ねがありました。 本県では、大河ドラマ龍馬伝を契機に2年連続の博覧会を開催し、その中で、観光関係者の皆様や地域の方々が、新たな観光資源の発掘や旅行商品としての磨き上げ、そしてプロモーションに取り組み、着実に観光客を呼び込む地力を高めてこられたと考えております。 そして、ことしは龍馬マラソンやプロ野球のプレシーズンマッチといった年の初めの冬場のスポーツツーリズムが好調であったことや、本県を題材とした映画やテレビの全国放映、また7月から開催しています「楽しまんと!はた博」に代表されるさまざまな地域の取り組みなどがあり、観光客の入り込み状況につきましては、昨年をやや上回るペースで推移しているのではないかと考えております。 現在のところ、県内の高速道路の利用台数や鉄道の利用者数、また高知龍馬空港の到着便の乗客者数などの数値はいずれも昨年を上回っておりますし、観光客が利用される主要なホテル、旅館の宿泊者数を見ましても、上半期はおおむね前年実績を上回って推移しております。 今後は、「楽しまんと!はた博」が12月まで予定されておりますし、今月26日からは、ねんりんピックも開催されます。このようなさまざまな取り組みやイベントを通じて、一人でも多くの観光客の方にお越しいただき、高知県を満喫していただけますよう、しっかりと気を引き締めて取り組んでまいります。 次に、本県のおもてなしと食事についてお尋ねがありました。 県が行う観光客の満足度調査におきまして、タクシーとトイレの評価はここ数年横ばいであり、他の調査項目と比べますと低い結果となっております。申し上げるまでもなく、タクシーやトイレの満足度は旅の印象を大きく左右いたしますことから、この結果を重要な課題として認識し、対策を進めているところです。 まず、タクシーにつきましては、昨年度から接客マナーのすぐれたおもてなしタクシーの認知度向上に努めており、本年9月からは龍馬パスポートの対象とするなど、利用促進に取り組んでまいりました。こうした取り組みにより、本年度のおもてなしタクシーの認定研修の受講者が、昨年の25名から3倍近くにふえており、認定ドライバーが一気に300名以上になることも予想されております。 また、昨年11月から、おもてなしタクシーのみならずタクシー全体の質の向上を図るため、利用客への聞き取り調査などを実施し、その結果をすぐにフィードバックすることにより、接客態度の評価がアップするなど、成果が見え始めております。 次に、トイレの満足度の向上につきましては、清潔でおもてなしの心が感じられるトイレを募集する、おもてなしトイレ認定事業を実施しており、昨年度は529カ所のおもてなしトイレを認定いたしました。本年度は、認定したトイレを再チェックするとともに、継続して新規認定も行い、観光客に気持ちよく利用していただけるトイレを広げてまいりたいと考えております。 一方、食につきましては、今回のじゃらん宿泊旅行調査の結果を見ますと、全国的に人気がありますが、カツオのたたきなどの単品を、四季を通してPRを行いましても、観光客の方々に長く継続してトップクラスの御満足を得ることは難しいと改めて感じさせられました。 このため、まずは食に関してさまざまなニーズを持つ旅行者に対して、本県の四季折々の豊富な旬の情報を的確に提供していくことが重要な視点だと考えております。その上で、おいしさだけでなく、お店の雰囲気やおもてなしといったサービス面での工夫など、総合的に食の満足度を高める取り組みを進めてまいりたいと考えております。 最後に、食の県民総選挙についての具体的な内容と、総選挙をどのように生かすのかについてのお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えをさせてもらいます。 本県が食を前面に打ち出した観光戦略を進める上で重要なポイントは、大きくは3つあると考えております。 まず1点目は、食について観光客が求める情報を提供し、満足度の向上とリピーターの拡大を図ること、2点目が、高知の食の話題性を創出することで、全国に向けた情報発信をすること、3点目が、県民一丸となった食のプロモーションを実現することです。 こうした3つの点を踏まえ、来年1月に県民の皆様が観光客にお薦めしたい県内の飲食店舗と料理に加えて、お薦めの理由もあわせて投票する総選挙を実施させていただきたいと考えております。 投票方法に関しましては、各世帯に配布しています県の広報紙さんSUN高知を活用して投票用紙をお配りし、県民の皆様に御協力をお願いした上で、各地に準備する投票箱に投函していただくか、郵送していただこうと思っております。また、その結果につきましては、県内7ブロックごとに得票の多かった上位店舗を3月上旬に公表させていただき、その後、観光客の皆様に情報提供させていただきたいと考えております。 なお、その際には、観光客のみならず、県内の全ての飲食店の方々にも参考にしていただけますように、投票が多かったさまざまなお薦め理由もあわせて公表させていただこうと思っております。 こうした取り組みによって、高知の食全体のレベルアップにもつながってくるのではないかと考えています。 また、県民が選ぶ食の総選挙というインパクトを生かして、マスメディアに取り上げていただくことで、県内全域にあるまだまだ知られていない地域のうまさ、言いかえましたら、そこでしか味わうことのできない、地域ならではの食の魅力を全国に発信できるのではないかと考えております。   (水産振興部長東好男君登壇) ◎水産振興部長(東好男君) 水産振興についての一連のお尋ねにお答えをいたします。 まず、太平洋クロマグロにつきまして、国は沿岸の零細な漁業者等を新たに規制対象にしたが、その内容はどのようなものか、また、マグロ未成魚の漁獲規制が本県漁業にどのような影響があるのかとのお尋ねがございました。関連しますので、あわせてお答えをさせていただきます。 太平洋のクロマグロは、漁獲量の7割を我が国が占めており、国際的な枠組みの中で実効のある保存管理措置が必要とされる中で、我が国の資源管理の強化が求められております。 我が国のクロマグロの資源管理は、これまでまき網漁業の漁獲量の削減に加えまして、沿岸マグロ漁業の届け出制、またクロマグロ養殖場の登録制の導入と、天然種苗を生け込む養殖場の拡大防止などを実施してまいりました。 しかしながら、本年7月に中西部太平洋まぐろ類委員会の科学委員会が、資源状況は過去最低水準にあり、幼魚の発生が少ないため、資源がより悪化する危険性が高まったと評価したことから、国は、沿岸クロマグロ漁業につきまして、これまでの届け出制から操業隻数を制限するための承認制に来年度から移行する予定でございます。 本県では、7月から12月にかけまして、クロマグロの幼魚であるヨコワのひき縄漁業が盛んに営まれており、最近では養殖用の種苗として高値で取引されることから、沿岸漁業者の貴重な収入源となっております。また、承認制に移行することで、ヨコワひき縄漁業の操業が制限され、養殖用の種苗の確保にも影響を及ぼすことも懸念されますので、本県の実情を国に説明し、今後の操業に支障を来すことがないよう、理解を得てまいりたいと考えております。 次に、マグロ養殖での完全養殖技術に関する本県の取り組みの現状についてのお尋ねがございました。 マグロ養殖に関しまして、種苗を人工的に生産する技術は開発されているものの、天然種苗に比べまして、幼魚のときに死亡する割合が多く、採算面でのリスクが高いため、養殖生産者は天然種苗の確保を第一と考えております。 一方、国による養殖場への天然種苗の受け入れ数量の規制がなされ、また、沿岸クロマグロ漁業への承認制の導入も予定されていることから、今後は人工種苗の活用にも積極的に取り組まなければならないと考えております。 しかしながら、クロマグロの人工種苗の生産は、高度な技術や大規模な施設などを必要としますので、県独自での技術の確立には高いハードルがございます。 クロマグロの人工種苗に関しましては、近畿大学が世界で初めて完全養殖を実現するなど、先進的な研究を進めています。また、独立行政法人水産総合研究センターは、本年6月に、親魚を飼育して卵を大量に生産するための施設を長崎県に整備し、平成27年度の産卵を目指した研究に着手しており、今後の進展が期待されているところでございます。 県としましては、近畿大学に県職員やクロマグロ養殖関係者を派遣して、人工種苗の生産の状況や今後の展望、人工種苗の特性を考慮した養殖技術などについての研修を予定しています。また、水産総合研究センターには、共同研究の枠組みについて検討していただくよう、働きかけを行っています。 今後は、必要とする人工種苗について、これらの研究機関などとの連携を着実に深めながら、種苗の安定確保が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。 次に、マグロの水揚げ量の減少の原因は大型まき網漁業にあり、操業規制を強く国に求めていくべきではないかとのお尋ねがございました。 太平洋のクロマグロは、我が国周辺で産卵、ふ化した幼魚がアメリカ西海岸まで回遊しており、韓国やメキシコなどでも漁獲される国際的な資源ですので、クロマグロ資源を適切に管理するためには、国際的な協調が不可欠です。 また、太平洋のクロマグロの漁獲は、我が国だけでなく諸外国におきましても大型船によるまき網漁業で行われており、その隻数は依然として増加傾向にあり、漁獲される未成魚の3分の2がこのまき網漁業によることから、資源の減少を招く最大の原因であると考えております。 このため、国に対しまして、これまでもまき網漁業の規制を要請してまいりましたが、太平洋クロマグロの持続的な利用のためには、まき網漁業の規制を強めるなど実効ある国際的な資源管理措置が必要と考えています。こうした措置が実行に移されるよう、引き続き粘り強く要請してまいります。 次に、宝石サンゴ漁の許可隻数の推移と今後の許可のあり方などについてお尋ねがございました。 サンゴ漁業の許可隻数につきましては、昭和49年の662隻をピークに、その後減少し、平成15年からは160隻前後で推移してまいりました。近年、中国の経済成長によりまして、宝石サンゴの需要が高まり価格が高騰したため、キンメダイや清水サバの漁を営んでいた漁業者の多くが平成22年ごろからサンゴ漁業に転換し、現在、359隻となっております。 こうした操業隻数の増加によって、資源への影響が懸念されること、また、宝石サンゴが絶滅の危機にあるという国際的な世論の高まりなどを受けまして、関係漁業者との協議を重ね、昨年3月には、産卵期とされる6月と7月を新たに禁漁とし、禁漁期間をそれまでの2カ月から4カ月に拡大するとともに、操業時間の短縮、禁漁区域の拡大、操業隻数の制限など許可の内容を見直し、サンゴ漁業の規制に取り組みました。 今後は、許可の内容を漁業者に遵守していただき、サンゴ資源の保護に真摯に取り組んでいる実態を発信することで、サンゴ漁業に対する国際的な理解を得る一方で、大学などの試験研究機関とも連携し、資源への影響を把握した上で、さらなる規制が必要か慎重に判断していかなければならないと考えております。 議員から御指摘のありましたとおり、漁村の将来を見据えたとき、鮮魚の水揚げを回復させ、産地市場の活性化を図ることは、水産行政の重要な課題です。サンゴの取引価格は、中国経済の動向に大きく左右されるため、今後のサンゴ漁の動向は先行き不透明ですが、サバ漁などの水揚げ確保の方策としては、サンゴ漁業の規制によるのではなく、新規就業者の育成や浜値の向上を図る地域水産物のブランド化など、これまで漁業関係者が主体的に進めてきた対策を引き続き一層支援することで、水揚げの増大につなげてまいりたいと考えております。 最後に、漁業協同組合の事務所は昭和56年以前に建てられたものが多かったことから、建てかえや耐震化について国の補助事業の対象とできないか、また、できない場合は、安心して仕事ができる環境づくりのため、県の補助事業を立ち上げるべきではないかとのお尋ねがございました。関連しますので、あわせてお答えさせていただきます。 御指摘の国のリマ区域周辺漁業用施設設置事業や種子島周辺漁業対策事業は、漁業の生産性の向上を目的としており、例えば、漁業者が共同で利用する荷さばき所や製氷施設など、漁業の生産に不可欠な施設が補助対象となっております。お尋ねの漁協の事務所につきましては、漁業の生産性の向上に直接寄与しないことから、補助の対象となっておりませんし、今後補助対象とすることについても、制度の趣旨からして無理があるのではないかと考えております。 一方、水産振興部が担います南海トラフ地震対策では、漁村に暮らす皆様の命を守ることを最優先に取り組んでおり、その取り組みを円滑に進めるためには、県はもとより、市町村、漁協、住民の皆様がそれぞれの役割を担っていただく必要があると考えております。 南海トラフ地震に備えまして、県の補助事業で漁協事務所の建てかえや耐震化を図るべきではないかという趣旨のお尋ねがございましたが、全ての漁協で策定しております地震・津波防災マニュアルでは、自分の身を守り、速やかに避難する取り組みの徹底をお願いしておりますが、現状では、事務所の建てかえなどについては、漁協みずから行っていただくことを基本としているところでございます。 県としましては、まずは防災・減災の基盤となる漁村での避難路、避難広場の整備や、漁港での岸壁の耐震強化、また津波の際、火災発生など被害の拡大が懸念されます燃油タンク対策などを最優先に位置づけており、引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えております。   (教育長中澤卓史君登壇) ◎教育長(中澤卓史君) いじめ防止についての一連の御質問にお答えをいたします。 まず、いじめ防止対策推進法の思いを生かして、今後どのように取り組んでいくのかとのお尋ねがございました。 いじめ防止対策推進法においては、いじめ防止対策を総合的かつ効果的に推進するため、まず、国が対策の基本となる方針を定めた上で、地方公共団体は国の方針を参酌して、地方いじめ防止基本方針を定めるよう努めるとともに、地域の実情に応じた施策を策定し、実施していくこと、また、各学校においても学校の実情に応じたいじめ防止のための方針を策定し、必要な措置を講じていくことと定められたところでございます。 国の定める基本方針では、いじめの防止等に関する基本的な考え方や、地方公共団体や学校における組織体制、いじめへの組織的な対応等の考え方が盛り込まれることとされています。国におきましては、現在、この基本方針の検討が進められており、方針の策定の後、全国の教育委員会等に対し、その内容についての説明会が開催されることとなっております。 県教育委員会としましては、これまでも、いじめに関する教職員用マニュアルの作成、配布、県内全ての公立学校における校内研修、いじめアンケート調査の実施など、各学校におけるいじめ防止等に向けた取り組みの推進を図ってまいりました。 いじめ防止対策推進法への対応については、国の議論の状況等を情報収集しながら、本県としての必要な対策の整理を行っているところですが、今後さらに、国の方針も踏まえて、関係部局と連携をしながら、できるだけ速やかに県としての基本方針を策定し、いじめ防止対策の着実な実施と、市町村教育委員会や各学校における取り組みの支援に努めてまいります。 次に、いじめ防止対策を推進していくための協議会の設立を含め、いじめ防止対策のための新たな条例の制定についてお尋ねがございました。 いじめ防止対策を実効あるものとしていくためには、教育委員会はもとより、知事部局や警察、法務局などの関係機関や家庭、地域が課題意識を共有し、ベクトルを合わせた取り組みを進めることが重要になります。そのため、県教育委員会としては、まずは、そのよりどころとなる県としての基本方針をできるだけ早期に策定し、これに基づいて総合的な施策を着実に実施していくことが重要と考えております。 こうした取り組みを確実に進める中で、お話のありました協議会設立も含めた条例の制定につきましても、関係機関の皆様と議論をしたいと考えております。 次に、平成24年度のいじめ認知件数の状況と、前年度から増加している要因についてお尋ねがございました。 県教育委員会が独自に実施をしております「長期欠席(不登校)等に関する調査」によりますと、平成24年度の公立学校におけるいじめ認知件数は、小学校が199件で、前年度に比べ109件増加し2.2倍に、中学校は393件で、前年度に比べ236件増加し2.5倍になっています。 これは、いじめが全国的な社会問題になったことで、いじめに対する教職員や子供の意識が高まったことや、いじめに関する校内研修等を通して、教職員が、いじめがあるのではないかという視点で子供たちの様子を注意深く見詰めることができるようになったことが、一番大きな要因だと考えております。 次に、いじめの概念を子供たちに理解してもらうとともに、いじめ防止のための、子供たちが主体となった取り組みについて、学校現場に対してどのような指導を行っているのかとのお尋ねがございました。 各学校では、日々の教育活動の中でさまざまな機会を捉えて、子供たち自身にいじめについて考えてもらうための取り組みや工夫を行っています。 例えば、学級で起こったいじめについて、学級活動の中で子供同士が話し合ったり、生徒会が中心となって学校全体でいじめ撲滅運動に取り組んだりするなど、子供たちが主体となった取り組みを行っている学校もあります。また、各学校で取り組んでいる人権作文には、過去にいじめを行ったり、被害に遭ったりした体験を含んだ作品も多数あり、書くことを通して子供たち自身がいじめについて考える機会ともなっています。 こうした取り組みに加え、県教育委員会としましては、本年度から県内全ての公立学校において、いじめについてのアンケートを年2回以上実施するようにしています。このアンケートを通して、教職員がいじめを早期に発見することにつなげるとともに、子供自身がいじめについて再認識し、みずからの言動や日々の学校生活を振り返ることで、いじめの予防にもつながっていると考えています。 今後も、いじめ防止に向けた子供たちの主体的な活動がより多くの学校で展開されるよう、取り組みを進めてまいります。 次に、いじめを生じさせない学校づくりのために、学校現場をどのように指導改善しているのかとのお尋ねがございました。 いじめを生じさせない学校づくりのためには、授業や学校行事の中で全ての子供が活躍できる場面をつくり出し、自尊感情や自己有用感を高め、社会性や規範意識を育むことが重要であろうと考えています。 このため、これらの力を育むことを目的として、本年度より「志育成型学校活性化事業~高知夢いっぱいプロジェクト~」として6中学校、さらに学校改善プランに基づく生徒指導推進校支援事業として12中学校を指定し、学校経営の中に開発的、予防的な生徒指導を位置づけた取り組みを進めております。こういった先導的な取り組みを県内の学校に普及することで、子供の自尊感情や規範意識を高めていきたいと考えています。 これまで、全国でいじめを苦に子供がみずから命を絶つという事案が周期的に発生している現状に鑑み、教職員のいじめに対する意識が高まっている今こそ、強い決意のもといじめを生じさせない学校づくりに向けた取り組みを進めてまいります。 次に、定時制夜間部の生徒数の状況と生徒数の確保についてお尋ねがございました。 現在、定時制の課程が設置された県立高校は、昨年度、窪川高校の定時制が廃止され、昼間部3校、夜間部12校となっております。また、本年9月8日現在の定時制夜間部の生徒数は541名、内訳は男子374名、女子167名であり、前年度同時期604名と比較すると、63名の減少となっています。 定時制夜間部は、働きながら学ぶ勤労青少年に教育の機会を保障する場であるとともに、不登校や中途退学を経験した生徒、発達障害等のある生徒などの学びの場としての役割が大きくなっていることから、生徒支援体制などの充実を図っているところでございます。 その教育内容については、現在も各校で定時制だよりを配布するなど、中学生や保護者、地域の方々への広報に努めておりますが、今後とも中学校への説明会や広報内容の充実などに努めてまいります。こうした活動を通じて、定時制教育の内容を県民の皆様に御理解いただくことが、生徒数の確保にもつながるものと考えています。 しかしながら、現行の定時制夜間部の最低基準1学年1学級10人以上を満たしていない学校が9校ございますので、議員御指摘のとおり、定時制夜間部の最低基準の緩和が検討課題となっているところでございます。 次に、県立高等学校再編振興検討委員会の報告が次期計画に反映されるのか、お尋ねがございました。 本年2月に県立高等学校再編振興検討委員会から提出いただいた報告書では、1つ目として、次代を担う人材を育てる教育環境の整備、2つ目として、生徒や保護者の期待に応える高校教育の質の保証、3つ目として、地域社会や産業とつながる高校教育の実践を再編振興の基本的な考え方として、生徒数が減少する中で、学校の規模や最低基準のほか、キャリア教育の推進、義務教育段階の学び直しによる基礎学力の定着指導など、教育環境を整える上での方向性と取り組みについて、さまざまな御提言をいただいております。 現在、教育委員会では、高校教育に対する県民の皆様の期待に応えることができるよう、報告書の趣旨を踏まえた具体的な計画の策定に向けて、慎重に検討を重ねているところでございます。 再編振興計画の案ができましたら、議会へ報告をし、パブリックコメント等の手順を経て、本年度中には再編振興計画を策定したいと考えております。 最後に、県立清水高校の高台移転についてお尋ねがございました。 清水高校は海に面し、最大で12メートルの津波が押し寄せると想定されていることから、まずは耐震化を進め、学校の裏山及び近くの高台に避難場所を整備し、生徒の安全を確保することとしています。 しかしながら、生徒たちの津波に対する恐怖感の軽減や被災後の速やかな学校再開といった観点からは、適地があれば高台への移転が望ましいと思いますので、関係者の方々の御意見などもお聞きしながら検討していきたいと考えております。 以上でございます。   (教育委員長小島一久君登壇) ◎教育委員長(小島一久君) 平成16年度から実施してきました県立高等学校再編計画の取り組みへの評価についてお尋ねがございました。 県立高等学校再編計画は平成15年に策定いたしまして、県立高校の適正な規模と配置、そして特色ある学校づくりの2つの考え方を基本に据えまして、よりよい高校教育を提供するための取り組みを進めてまいりました。 まず、県立高校の適正な規模と配置につきましては、生徒数が減少する中にありましても、高校教育の質を保証するために、一定規模の学校の維持に努めるとともに、小規模校につきましては、よりよい教育環境を提供できるよう教職員の加配や施設、設備の充実に努めてまいりました。 しかし、本校、分校、定時制の入学者数が、再編計画に示した最低規模の基準を割る状況が続いた学校が一部ありまして、分校を含む全日制の高校を39校から33校に、定時制課程を14校から12校に再編することとなりました。また、特色ある学校づくりにつきましては、学校長裁量予算の活用による地域の特性を生かした各高校独自の取り組みや、理数教育や外国語教育に関する文部科学省の研究指定を受けての取り組みなどを通じまして、積極的に教育内容の改善を図ってまいりました。 この結果、例えば、平成15年度には約300人でありました新規卒業者の国公立大学への進学者数が、平成24年度には500人を超えるなど、学力向上や進路指導の面で成果が上がってきました。また、高知丸の内高校や伊野商業高校を全日制単位制に改編したことや、総合学科の拡大や昼間部、夜間部を持つ定時制課程の設置などの特色化に取り組んできたことで、不登校を経験した生徒への就学機会の保障や中途退学率の低下にもつながってきております。 これまでの再編計画は本年度で終了いたしますが、教育効果の成果の向上や、また質の保証という面を見ますと、おおむね目的を達成できたものではないかというふうに考えております。   (警察本部長小林良樹君登壇) ◎警察本部長(小林良樹君) いわゆる振り込め詐欺の被害の状況、それからその取り組み、とりわけ高齢者の方をいかにお守りするかということに関して御質問いただきました。 最初に、端的に結論を申し上げますと、現在、この被害の状況は大変厳しいものであるというふうに認識しております。これまでいろいろな取り組みをしてまいりましたが、現在の被害の状況を見ますと、必ずしもその我々の取り組みは十分ではなかったというふうに考えております。したがいまして、これ以上の被害の拡大を防ぐために、精いっぱいいろいろな取り組みを今後とも続けてまいりたいと思っております。 以後、この被害の状況、それから取り組みに関しまして、若干敷衍して御説明を申し上げたいと思います。 まず、被害の状況でございます。最初にちょっと全国の状況について御説明申し上げます。 平成24年、全国におけます振り込め詐欺を含みます、いわゆる特殊詐欺の被害総額は年間で約364億円に上っております。単純に計算いたしますと、1日に1億円、あるいは二、三時間に1,000万円弱の割合で被害が出ているというような状況でございます。 また、時系列的に見ますと、ここ数年でこの被害の額はどんどん増加しております。先ほど申しました平成24年の364億円という額は、平成21年に比べますと、実に3.8倍の増加を示しております。 また、特徴から申し上げますと、議員から御指摘もありましたとおり、全国的に見て、被害者の8割以上が60歳以上の年齢の方になります。 また、手口も非常に多様化、複雑化、巧妙化しております。いわゆる古典的なおれおれ詐欺のみならず、「還付金がありますよ」と言ってお金をだまし取る、いわゆる還付金型詐欺、さらには「融資のいい話がありますよ」と持ちかける融資型、それから「いいもうけ話がありますよ」というふうに持ちかける投資持ちかけ型というようなものもございます。 また、従来は、被害者の方にATM等でお金を振り込んでいただく、いわゆる振り込め詐欺が多かったわけでございますが、最近は犯人グループの一味の者が実際にお金を受け取りに来るといった現金受け渡し型、こういうものもふえております。いずれにしても、手口は非常に多様化、複雑化、巧妙化しております。これが全国の状況でございます。 高知県の状況でございますが、高知県の状況もほぼ全国の状況と同一の状況を示しております。平成24年の高知県におけるこの特殊詐欺の被害総額は約2億4,600万円になっております。これ単純な計算をいたしますと、1週間ごとに約400万円から500万円弱の被害額がどんどん発生しているというふうな状況でございます。 さらに、この年間の被害総額、平成21年から比べますと、この数年間で約5.7倍に増加しております。先ほど申し上げましたとおり、同じ時期に全国では3.8倍の増加でございますから、この高知県の5.7倍という増加、全国の増加を上回る状況でございます。 犯罪の特徴に関しましては、全国の状況と高知県の状況は同じでございます。高知県におきましても、昨年の事件を見ますと、被害者の約8割が60歳以上の年齢の方でございます。また、手口も全国の状況と同じように、多様化、巧妙化、複雑化しております。議員御指摘のとおり、先日は大変残念なことでございますが、高知県警の警察官をかたる者による犯罪が発生しております。 以上、先ほどの繰り返しになりますが、この被害をめぐる状況、質、量ともに大変深刻な状況であるというふうに私ども認識しております。 次に、では対策はどうするかということでございますが、この特殊詐欺に対する対策、大きく分けて3点ございます。 1つ目が、犯人を検挙することでございます。それから2つ目が、広報啓発。市民の方々にこの犯罪の手口を知っていただきまして、犯罪に対する抵抗力を強化していただくという意味での広報啓発活動でございます。それから3点目が、金融機関を初めとする各関係機関に御協力をお願いして、その犯罪が行われる場において犯罪を阻止していただく。この3点が考えられるわけでございます。 この3つ、どれも大変重要なのでございますが、この特殊詐欺の場合、犯罪グループの匿名性が大変高い。すなわち、引きおろしに来た犯人、あるいは現金を受け取りに来た犯人をたとえ検挙したとしても、組織の全貌はつかみにくいというところがございます。したがいまして、警察といたしましては、特に2点目、3点目の対策、広報啓発、それから関係機関への働きかけ、ここを特に強めるということを全国的に行っております。 こうした働きかけ、もちろん今までも一定の成果を得ているというふうには考えておりますが、先ほど申し上げたような、昨今の被害の拡大に鑑みれば、必ずしも今までの私どもの取り組み、十分ではなかったのではないかというふうに考えております。 例えば、最近高知県で発生いたしました事件の被害者の方々にお伺いいたしましても、大変残念なことに、私どもが行ってきた各種メディアを通じた広報啓発活動を御存じではなかった、あるいは私どもがいろんな団体を通じて行った防犯イベントには御参加されていなかったというふうなことも散見されております。 こうしたところを改善するために、例えば、私どもといたしましては、さらに一層巡回連絡等を進める、あるいは他機関の中でも個別訪問等を頻繁に行っていらっしゃいます民生委員の方々との連携を強める、こういうことによって、高齢者の方々お一人お一人にしっかりとアウトリーチをするという努力が必要かというふうに考えております。 また、金融機関を初めとする関係機関との協力におきましても、もちろんこれまでも窓口においていろんな声かけ等を行っていただいておりますが、最近の手口の巧妙化もございまして、必ずしも単純な声かけだけでは防げないというふうな事例が高知県でも散見しております。 したがいまして、金融機関等の窓口におきまして、これまでどおり声かけ等を行っていただくとともに、早い段階で警察に御連絡をいただいて、なるべく早い段階で警察官が臨場して点検に当たる、こういった関係機関との関係の強化が必要であるというふうに考えております。 いずれにいたしましても、冒頭申し上げましたとおり、この特殊詐欺をめぐる状況は大変厳しいと考えております。私ども警察といたしましては、ただいま申し上げましたように、対策の改善、それから強化を通じまして、少しでも被害の拡大を阻止するべく、引き続き精いっぱい努力してまいりたいと思っております。どうぞ引き続き御指導、御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。 以上であります。 ◆25番(横山浩一君) 執行部の皆さん方にはいろいろと御答弁いただき、本当にありがとうございました。 2回目の質問に入らせていただきたいと思います。 まず、大規模建築物等の耐震補助制度について土木部長にお尋ねいたします。 僕は、いい答弁をいただいたと、そのようにも思うわけですが、今回の補助制度というのは、耐震改修をどうしてもしなければならない民間の建築物がありますので、その事業等について進めていく、そういう意味での今回の補助制度ではなかろうかと思います。 それで、先ほどの質問の中で申し上げましたように、民間の事業者等々につきましては、なかなか事業をやっていくということが厳しい。というのは、先ほど申し上げましたように、耐震の工事ばかりでないわけですので、だから厳しい。この制度をやはり成功させるためには、法に照らして、今回の県の補助事業を使っていただくためには、やっぱり何らかの事業費についての支援が必要ではないかということで質問させていただきました。 いろいろ利子補給ですか、支援について今後前向きに検討されるということですが、その前向きの時期等々について、大体いつごろになるのか、わかればお尋ねいたしたいと思います。 それから、観光振興部長にお尋ねいたします。 今回、じゃらんの調査によって、食がそれまでトップだったのが12位になったと。これは、やっぱり捉え方があると思うんですよ。私は、割に厳しい捉え方をする中で、やっぱり1回おいしいものを食べたらまた食べに行きたいというのが大体のリピーターの行動ですので、今回、高知県が12位になったというのは、一番県の有名な食の、カツオ等々についての満足度が十分でなかったということになろうと、そんなに予測するわけです。 そんな中で、やはり鮮度ですか。カツオというのは同じような魚ではありません。鮮度も含めそれぞれの特色を持った魚です。おいしいとか、ちょっと味が粗いかなとか、そういうような魚でありますので、やっぱり調理する方、出す店の方が、ある程度そこらあたりを研究した中で、いつも新鮮で素材がいい品物を出す食事を提供するというふうな形であれば、今回の結果にはなっていなかったんじゃなかろうかと、その心配があって今回これをやったわけです。 総選挙とかいろいろなことがあるわけですが、基本的には地域のそれぞれの、清水はサバがおいしいとか、それから須崎のほうに行ったらシンコがおいしいとか、それはやっぱり大切なことです。 特に食事を提供する皆さん方が、食に関してずっと1番であるので、これからも1番だという中で、ちょっと慢心があったのではなかろうかと、そんな思いも、やっぱり気をつけなあかんのじゃなかろうかと、そんなように思いますので、その点についてどうなのか、お尋ねいたします。 水産振興部長、いつも水産振興部長のところへ行って話をする内容と同じ答弁をいただきまして、大変失望いたしております、本当の話。 漁業者というのは、事務所はやっぱり核施設やと思うがですよ。生産設備やないんであったとしても、核施設やと思うがですよ。それに全然補助事業がない。県下に昭和56年以前に建てられた71事務所の中の60%、43事務所は耐震化がなされていないわけですよ。 そういう状況を考えたときに、事務所はそれぞれの漁協が建てるべきだと、そういう概念ではなしに、国に対してなぜ事務所がリマとか種子島の事業の中に入らないのか。入るための努力を僕はお願いしたいがですよ。そのために、今回の議会での質問になったがですので、そこらあたりを考慮していただく中で、改めて国のほうに要請をして、ぜひまた再度そのことについての結果等について聞かせていただけたらと思います。 ということで、漁業者というのは大変厳しい状況下で、県民みんなが頑張っています。いろいろ補助事業等々につきまして、執行部のいろんな支援等々をお願い申し上げまして、2回目の質問とし、私の最後の質問とさせていただきます。 以上です。 ◎土木部長(奥谷正君) 建築物の耐震改修に関してでございますが、先ほど議員がおっしゃいましたように、耐震改修工事だけをやるのではなくて、大抵のケースでは、おっしゃるとおりリフォームをあわせてやるとかいう場合も結構ございまして、その場合、全体として非常にお金がかかるといったところでちゅうちょされる方がおるというふうには、私どものほうも認識してございます。 ただし、この制度そのものが耐震改修といったところを目標としていますので、全部が全部対象とすることはなかなか難しいものとも考えております。 ただ、議員もおっしゃられました利子補給といった考え方、あるいはこれを毎年やるんじゃなくて、利子補給相当額を一括して、その相当額を期首に補助するといったような考え、あるいは既存の融資制度もございますので、こういったものを少し拡充できないか等々についての研究を進めていきたい。 この時期的なものについては、ちょっとなかなかこの場ではお答えできませんけれども、できる限り早く進むように検討を続けていきたいと考えてございます。 ◎観光振興部長(久保博道君) じゃらんの調査が12位になったということで、私どももいろいろ分析をさせていただきました。今、議員おっしゃいますように、ここに来まして高知県の観光客の方、リピーターの方が大変多くなってございます。そういう中で、やはりカツオのたたき、これが主な今回の地元ならではの食ということの要因なんですけれども、最初食べたそのおいしさを、リピーターでおいでいただいて、また食べたときに、食のおいしさのハードルが高くなっているというふうなことがあったんではないかというふうに我々思っているところもございます。 同時にあと、議員おっしゃいますように、鮮度の問題というのも大変これは重要なところでございますので、先ほど私、答弁でもさせていただきましたように、四季折々の旬の情報、これはカツオに限らないんですけれども、県内の野菜でも果物でもお肉でも、そういうふうなものを的確にきめ細かく御提供していただくことが大事だと思っておりますんで、来年度、26年度はそういうふうに、全体的に食に関して取り組んでいきたいというふうに思っております。 ◎水産振興部長(東好男君) 国の補助事業の実施に当たりましては、いわゆる費用対効果、一定その部分での使用というものを求められている面もございます。 先ほど御説明申し上げましたように、制度の趣旨からいって、荷さばき所とかいったものに比べて、事務所がそういった効果が出るかどうかという点について厳しいものがあるというふうには認識しておりますが、なお、私どもも、もう一度そのあたりを検討し直しまして、国への働きかけが、理屈立てができないか、そういうことも検討いたしまして、対応してまいりたいと考えております。 ○議長(森田英二君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。 明2日の議事日程は、議案に対する質疑並びに一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。   午後5時32分散会...